仲間たち
オッサンことアーシュ。
年齢は28歳。
性別は男。
幼少から戦闘奴隷をしていて戦場に出たことは数知れず、だが目立った戦績がなく戦闘力もないので結構安かった。
スキルを公開してはいない。
だが、ポピーの良く分からない特技でスキルの内容は分かっている。
これがアーシュのスキル構成だ。
《ステータス》
名前:アーシュ
性別:男
スキル
・【★★】危険感知 (Lv6)
・【★】危機回避 (Lv5)
・【★】感知 (Lv3)
・【★】逃走 (Lv3)
・【★】気配遮断 (Lv3)
・【★】運搬 (Lv3)
攻撃系のスキルを一切持たないが、逃げることや危険を回避することなどにおいてこれほど優秀な人物はいない。
生誕の儀式で獲得したスキルは危険感知だと思う。
それから危険を回避ながら生きて様々なスキルを獲得し続けたのだろう。
スキル構成はその人を写す鏡だな。
俺は……まぁ良いか。
そしてもうすぐ10才組の3人。
いわゆる年少組の紹介。
《ステータス》
名前:ガイン
性別:男
スキル
・【★★】鉄心
《ステータス》
名前:ダビデール
性別:男
スキル
・【★★】鷹ノ目
《ステータス≫
名前:キルケーラ
性別:女
スキル
・【★★】効率化
この3人はスキルを公開してるが安かった印象だ。
何故かというと3人のスキルは単体だとあまり効果がないスキルなのだ。
【★★】鉄心
・揺るがぬ心持つ。
【★★】鷹目
・視野が広くなる。
【★★】効率化
・効率を良くすることができる。
相変わらずの簡単なスキル説明だ。
他に有用なスキルがあれば合わせて使用できるだけの良いスキルなのだが、そのスキルが無い。
生誕や成人の儀式は確実にスキルを得る事ができるが、これを逃すと後は自分自身で鍛えて獲得するほかない。
そう考えるとこの世界って割とハードだよね。
アーシュはエルファスと共に俺の護衛というかお付きになった。
「硬くるしいぜ」
髪も清潔に切って髭も剃った。
少しチャライ感じがあるけど結構良い感じの執事にも見えなくはない。
「やっぱりチャライな」
「意味は分からねーが褒められてないのは分かるぜ」
「カッコイイんだけど、それがムカつく」
「お? 似合ってるか? へへ、俺も捨てたもんじゃねーな」
俺の言葉の後半は聞こえていなかったらしいな。
王城のメイドたちもチラチラ見てるし。
「特に言う必要はないと思うけど、いろいろなメイドに手を出したら斬り落とすからね」
「エルファスの嬢ちゃんにも言われたぜ」
エルファスのことだから剣を向けて言ったのだろうね。
アーシュは少し遠い目をしている。
「エルファスの嬢ちゃんから俺は坊主の護衛をするが、ガキどもはどうするんだ?」
「年少組3人はとりあえず成人の儀式までは身体を作ることとか勉強がメインになるだろうね」
「あ~。たしか高スキルが出る可能性があるって奴だろう? 本当なのか?」
「さぁ?」
「さぁ? って。あいつらが高スキルを得られなかったらどうする気だ?」
「どうする気もないよ。出たらラッキー程度にしか思ってないし、捨てる気もない」
「ふ~ん。考えはあるんだな?」
「あるさ」
なら良いけどよ、と話を終わらせたアーシュ。
何気に優しいヤツだ。
子供たちの面倒を率先して見てくれている。
「「私たちは何をしたら……」」
そして幼児組か。
ポピーが言ってたまぁまぁな子たちだ。
2人は姉妹で双子だ。
とてもそっくりだ。
そしてスキルも面白い。
《ステータス》
名前:テオランテ
性別:女
スキル
・【★★★】以心伝心(Lv1)
《ステータス》
名前:ミオランテ
性別:女
スキル
・【★★★】以心伝心(Lv1)
【★★★】以心伝心
・このスキルを持つ者は意思疎通が離れてもできる。
スキル持ち全体の0.1%以下である星3を持っている。
ぶっちゃけこの2人は他の4人の倍以上の値段がした。
もし攻撃的なスキルだったら買えなかったかもね。
「二人には僕と一緒に戦闘をして欲しいと思っている」
「「戦闘ですか?」」
二人一緒に言葉を喋ると疑似的なステレオに聞こえるな。
「戦闘は怖いかい?」
「「怖くはありません。ただどうしたら良いのか……」」
凄いな~。
言葉の強弱とかも全く一緒だ。
「互いに補って戦えれば理想だね」
「「一緒にですか?」」
「あぁ。テオが剣を学んでミオが魔術を学ぶとかね」
「「学ばせていただけるんですか?」」
「あぁもちろんだ」
「「頑張ります!」」
何だろうな。
年齢的にはこの2人は俺よりも年上なんだけど、どうしても妹にしか思えない。
「まずは身体を作ろうな」
「「はい!」」
年少組も幼児組もガリガリだからね。
ご飯を食べて少しは肉を付けないと訓練についていけない。
「エルデール様、旦那様が及びです」
「分かった。行こうか」
「はい」
奴隷を買いに行ったら子供を買ってきた俺には説明する義務があるからね。
買ってきて『はい、そうですか』とはならない。
「失礼します」
「あぁ。入れ」
親父が仕事をしている部屋に入ると意外な人がいた。
「お母さま」
「エルデール。昼間は少し恥ずかしい姿を見せてしまって申し訳なかったわね」
「い、いえ。とても驚きましたが、お母さまはお母さまです」
「そう。あなたがそう言ってくれて嬉しいわ。それじゃ私はこれで。またお話しましょうね、アナタ」
「あ、あぁ」
親父が少し困った顔をしている。
何を話していたんだろうか。
「ゴホン。呼んだのは他でもない。あの奴隷たちだ」
「はい」
先ほどの優しい顔とはガラリと変わり、真剣な表情をしている。
「ワシはエルファスから護衛となる奴隷を買うと言われ、お金を出した。お前もそれは聞いたな?」
「はい」
「それであの者たちがお前の護衛か?」
「はい」
余計なことは言わない。
まっすぐ親父の目を見て返事をする。
「なるほど。考えはあるんだな」
「もちろんです」
「ふむ」
俺が理由を言わないことを親父が何も思わないとも思えない。
親父は俺が言えない理由を考えているんだな。
優秀過ぎる親父を持つと息子は大変だね。
「なるほど」
何かしらの考えに思い至ったらしい。
「それで騎士団か?」
「え?」
何でそうなった?
「あの者たちを鍛えるつもりなのだろう?」
「えぇまぁ」
「ならお前の近衛騎士団。つまり部下にするならお前の行動には正当性が出てくる」
むむ?
近衛騎士団か。
何を考えているんだ?
親父は俺になにを思ってる?
奴隷の購入は俺の護衛として王国が買った。
俺が何をしてもご主人は俺ではなく王国、しいては王様である親父にある。
俺は一切お金を出してはいないかならな。
それは当然である。
しかし傍から見てこれは正常なのか、どうか。
他国には俺の行動が伝わったさいに、どう思うか。
楽観的には親である国王が毒殺事件があったことで息子の護衛を増やしたと映るだろうな。
この場合は過保護な国王と他国は親父に目が向く。
悲観的には俺が何かを始めたと思われる可能性だ。
この場合は他国は俺に目が向く。
これは考え過ぎだとは思うが、それでも俺の異常性は確実に他国に伝わるだろう。
王国と法国でのバタバタで法国の6女であるシャシャターナ嬢との婚姻が話題にはなってるから俺に目が向く可能性は高い。
そして親父の近衛騎士発言。
これが繋がるか?
「分からんか」
「……他国が僕に目を向けないための工作だと?」
「その先だな」
「先……」
他国に俺から目を逸らす。
これは正解らしい。
他に他国から目を逸らしたい王国の目的は……。
「妹たちか」
「そうだ」
法国から正式に王国の娘には強力な力が宿ると通達されている。
これは他国にも伝わってるし、警戒してるだろう。
そして生まれてビックリの3つ子だった。
この事実から他国の目を逸らす為に近衛騎士団を設立する?
「えっと、僕が目立つことになると思うんですが?」
「目立つがその内容と中身が伴わん」
確かに近衛騎士って言えば精鋭中の精鋭だ。
他国も近衛騎士のメンバーを知るだろう。
そしてそのメンバーのほとんどが10才以下だ。
他国はどう思う?
俺のおままごとの騎士団だと思うか?
いや、思わせるのか。
妹と俺を隠す為にあの子たちを使えば時間を稼ぐことができると親父は思っているのか。
なるほど、そう考えれば正当性が出てくるって話に繋がる。
いや、4才児に話す内容じゃないよね?
俺って非凡なんだから難しい内容とか止めてよね。
「つまり6人は僕に預けてもらえると考えても良いのですね?」
「それは構わない。元々そのつもりだったのだ。後になって取り上げることなどしない。預けた金も好きに使うがいい」
「ありがとうございます」
「あぁ、そうだ。お前に紹介したい人物がいる」
「はい?」
親父は机のベルを鳴らすとある人物が姿を現した。
「お呼びですか。旦那様」
「うむ。お前はこれからエルデールに付いてくれ」
「エルデール様にですか?」
「あぁ。ただし今日明日ではない。引継ぎしてからで構わない」
「分かりました。よろしくお願いします。エルデール様」
「よ、よろしく」
執事長を俺のお付きにするの?
マジで?
「エルファスから人員の増員を進言されてな」
「なるほど」
エルファスに少々甘いところがある親父である。
「それで他にして欲しいことはあるか?」
して欲しいこと?
あ、それなら。
「年少組3人に成人の儀式をお願いします」
「それはエルファスから聞いている。他には?」
「そうですね。衣食住の確保と修練もお願いします」
「それも聞いている」
「……自分からはありません」
「そうか」
優秀なメイドだな、エルファスって。
「成人の儀式は半年後だな」
「分かりました」
「では私もその時期に合わせてましょう」
「そうだな」
執事長の移動時期も決まった。
「他に必要なことがあればエルファスに伝えることだ」
「分かりました」
「後はこっちでやっておこう。下がって良いぞ」
「はい。いろいろありがとうございます」
「うむ」
部屋を出ようとして思い出した。
「お母さまと何を話していたんですか?」
「ん? あぁまぁ……次の子供が欲しい……と言われてな」
「えっと……。頑張ってください」
「そうだな」
聞かなければよかった。
何が頑張って下さいだよ。
変な空気になってしまった。
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