第24話 敦

田中宏美の事を探っていた敦だったが、高校生と出会える場所、と言うことで、しばらくの間、駅で待ってみた。


高校生たちなら、電車を利用するだろう。


高校生らしい子が通る度に「君、ちょっといいかな?」と声をかけていた。


それなのに素通りしていく高校生。

その姿を見ていたおそらく駅係員からの通報により、警察官まで出没して駅構内は一時騒然としてしまう。


「君、こんなところで何してるの?ーー若い子ばかり捕まえて話そうとしているようだけど、、」


これがいわゆる、ショクムシツモンって言うやつか。

これまでこんな事は一度もなかったのに、どうしてこんなタイミングでーー。


「ちょっとこっち来てくれる?」


連れ去られる場所はもうあそこしかないだろう。駅チカにある交番。


通りすぎる人々が冷めた目で、こっちを見ながら通りすぎていく。


「ーーあの人、何をしでかしたんだろう?」


そんな声が聞こえて来そうな冷たい視線だった。

黙ったままの敦は、警察官につれられ交番に向かう。


「1本だけ電話していい?」


敦は軽く聞いた。


「あぁ、構わないよ!」


警察官も軽くオッケーしてくれる。敦はすぐさま、マモルに電話をした。

例の件を調べている最中に、職務質問をされ今交番にいること。

身元引き受け人になって欲しい、との要望を添えてーー。

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