第6話 謎
俺と護はいつもの喫茶店で、打ち合わせをしていた。
仄かな灯りに照らされた店内で、タバコに火をつけながら。
「とりあえず、現時点での不明点はーー?」
口火を切るように、俺が言う。
彼女たち三人はなぜ死を選んだのか。
それも投身自殺と言う大勢の人に迷惑がかかる方法を選んだのか。
その理由はなんだったのか。
「この三点だ。そこを調べるには、澤口望、西島佳子、田中宏美ーー彼女らの共通点を知る必要があるな」
護も言っている。
「山梨に知り合いのジャーナリストっているか?ーー俺いないんだよ」
「それなら、弟がいるぜ?」
護が力強く頷いた。
「協力してくれるかな?」
心配だった。
俺は思わず、そう聞いていた。
「大丈夫だろう。山梨の件は敦に調べてもらおう!」
思い立ったらその時、って感じで、すぐさまケイタイを取り出すと、護は敦に電話をかける。
2コール目で敦が受話器を上げた。
「もしもし、兄さん?」
「久しぶりだな。元気か?」
「あぁ」
そして浩司と今話していた事件の概要を話し、護は敦に協力を要請する。
受話器越しの声が、不服そうに言った。
「でも、これって警察が自殺として処理してんだろ?調べるだけ無駄じゃね?」
「それがおかしいんだよ!自殺をするような原因も見つからないんだーー相手は女子高生だぞ?しかも、投身自殺なんて簡単には出来ないんだ。それなのに、、」
護が言った。
「ーーまぁ、な」
敦は小さな声で同意する。
無言の時が流れた。
すると「わかった!調べてみよう!」と協力に応じてくれた。
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