お嬢様のこと大好きです。なのでメイドの私頑張ります。
@otannkonasu
第1話 ナナミとエリーナお嬢様
「エリーナお嬢様ー!待ってくださーい!」
「ナナミが遅いのよー!早くー!」
そんな二人の声が聞こえるのは、ハイルベイン家が統治する広大な敷地その中央にある立派な屋敷の中だった。
そこに、肩あたりで切り揃えられた黒い艶のある髪、
白と黒のハッキリとしたメイド服を着た私、
ナナミがお嬢様を追いかけていた。
「はぁ、はぁ、早すぎる」
そんなメイドの声が聞こえないほど遠くに走る姫、
金髪の髪をさらりと靡かせ、深い青色の瞳をして、
ピンクの花を思わせるドレスを着たお嬢様
エリーナ ハイルベインお嬢様。
このハイルベイン家の領主の長女。
私の仕える主人である。
その主人はドレスの動きずらさをモノともせず颯爽と庭園に続く廊下を走っていた。
エリーナが庭園につき足を止め振り返り私を呼んでいた
「ナナミー!早くしないと私が全部水やりやっちゃうわよー!」
「はぁはぁ」
息を切らして遅れて庭園にやってきた。
息を整えて顔を上げようやくエリーナと顔を合わせた。
「お嬢様早すぎです。そもそも庭園の水やりは庭師の方やメイドの私たちの仕事なんですよ。」
本来はお嬢様であるエリーナのやることではないのだ。
「だって私だってお花好きだからお水あげたいんだもん」
そう言っていつも水やりの仕事を手伝ってくれるのだ
二人で水やりをしていると
「今日の仕事は多いの?」
「そんなに多くありませんよ。掃除して、庭に水やりをして、街に買い物に行ったりするくらいですよ」
今日は違うがたまにメイドたちと集まって役割決めや、一週間の振り返りをするメイド会議などが入ってくることもある。
「じゃあ今日の夜はいつもの時間に来れるのね?」
「えぇ、では時間が来たらお嬢様の部屋にいきますね。」
「うん!わかったわ!なるべく早くくるのよ?」
「わかってますって」
エリーナの楽しそうな顔に思わず笑顔がこぼれた。
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