3日目 9月6日 「少しでも目を引くために」

 さあ、やって参りました問題の三日目です。

 三日坊主で終わるのか、日々の習慣として続けていくことができるのか、その分岐点に差し掛かりました。

 まあ、だから何だという話ですが、今回もお付き合い頂ければ嬉しいです。


 さて、肝心の内容ですが、神崎の応募用小説に関して少し話したいと思います。

 というのも、初回にコメントをしてくださった作家さんが、神崎の選んだジャンルーー『ミステリー』に少し興味を持っていたみたいなので、このジャンルを選んだ理由と利点について紹介していきます。 

 それではさっそく、選んだ理由に入っていきましょう。

 神崎が電撃大賞に向けてミステリーという、昨今のラノベ界隈ではマイナーなジャンルを選んだ理由。それはズバリ、他のジャンルと比べて起承転結がさせやすい構図になるからです。

 二日目で地盤(起承転結や序破急)の大切さを書きましたが、当然、電撃文庫の下読みや編集者さんもそこを注目します。下読みの人は最低限伝わる文章かを判断するらしいのですが、二次選考、三次選考、最終選考で登場する編集者さんからは、作品の面白さと同時に構成力を見定めてきます。

 ただ、二日目に書いた通り、かつてボコボコに酷評を受けている神崎は、この構成力という点に関して自信が欠如しています。二ヶ月間も筆を取らなかったくらいにはトラウマでした。

 そこで見出したのがミステリーというジャンルです。

 謎を解いて事件を解決するーーある程度の骨組みが決まったミステリーは、構成力に自信がなくても、小説を形にすることができます。

 起ー>事件が起きるOR謎を発見する

 承ー>事件の調査をするOR謎を調査する

 転ー>犯人を看破するOR謎を解決する

 結ー>主人公による教訓ORまたは次回に繋がる伏線

 ……こんな感じで、初心者向きだと神崎は思ってます。

 あとは日常に起こりうる謎を面白おかしく描き、伏線を敷き、事件を取り巻くキャラクターたちを魅力的にするだけです。

 次に、ミステリーを選ぶことで得られる利点の紹介に移りましょう。

 それは、競争率の少なさ故に目を引くということです。

 昨今のラノベ界隈は、異世界転生、ラブコメ、SFが主流です。今勢いのある作品はだいたいこの三つ。本屋に行っても、この三つにはコーナーが設けられているのに、ミステリーや推理小説はその他の山に埋もれています。

 そこに神崎は目をつけました。

 電撃大賞には、毎年5000人近くの作家志望者がエントリーしており、その中で入選するのは至難の技です。なので、少しでも読み手の興味を引く必要があります。重要になってくるのは、この5000人が書く小説の内訳です。この中のおよそ半数以上が話題の異世界転生とラブコメで占められることでしょう。

 さて、あなたが下読み、または編集者だった場合、どう考えますか?

 膨大な量の小説を読んでいる中で、異世界転生やラブコメが連続していたら。

 同じような内容ばかりを読み続けていたら。

 読み手も人間なので、当然、飽きが生じますよね。そんな時、新しいものを求めるのが人間の性です。

 こんな時、内容がどうであれ、マイナーなジャンルは目を引くことができます。

 少しでも興味を持ってもらうことができるんです。

 さらに過去の受賞作を見る限り、年々のように、ミステリージャンルの作品は減っています。電撃文庫のサイトで代表作を調べても、ほとんどが異世界OR近未来の冒険活劇やラブコメばかり。もしかしたら、電撃文庫も代表ジャンルを増やしたいと思っているかも知れませんしね。

 以上が、神崎がミステリーというジャンルを選んだ理由です。

 というわけで、自身の作戦をひけらかしたら競争率増えるじゃんか、と書き終えた辺りで遅れて後悔する神崎でした。

 さよなライオン……って何のCMだっけ?

 

 



 

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