松戸殺人事件

鷹山トシキ

第1話 マッドシティー

 安藤和正は千葉県松戸市にやって来た。

 松戸は、水戸街道の宿場町としての歴史を持つ。このため江戸や水戸との関わりが深く、松戸神社は徳川光圀(水戸黄門)と縁があり、旧徳川家住宅松戸戸定邸は元水戸藩主の徳川昭武が明治時代に暮らしていた邸宅である。松戸には徳川将軍が鷹狩りをするために度々訪れていた記録もある。


 江戸川は古くから水運が盛んで、船底の浅い高瀬舟が野菜を満載して、農村地域の河岸と江戸の日本橋の青物河岸を行き来していた。松戸にも河岸が置かれ農産物の集散地として賑わった。明治になると蒸気船が登場して内国通運(日本通運の前身)が日本橋を起点に、古河(茨城県)や小山(栃木県)を結ぶ定期航路を開設した。『矢切の渡し』でも有名である。


 国鉄の通勤五方面作戦により複々線化を行った常磐線沿線に位置する松戸駅の西口に位置した旧宿場は、古くから商業拠点として賑わい、現在も集客力のある駅として松戸市の中心市街地および市内随一繁華街を形成する単独商圏都市となっており、千葉県内の常磐線沿線では柏駅の繁華街に次ぐ規模を誇る。1960年代から大規模住宅団地が市内各地に造成され、住宅開発が進むと常磐線・新京成線の鉄道駅周辺が商業施設などの集まる市街地として発展した。また、幹線道路の整備・拡幅に伴い、ロードサイド型店舗が沿線に立地しているほか、小金や馬橋には昔からの商店街も残っている。


 江戸川を挟んで東京都に接し、東京都市圏(東京都区部)のベッドタウンとしての性質が強い。東京都区部への通勤率は37.3%であり、いわゆる『千葉都民』が多い。東京との結びつきが強いが、逆に千葉県の県庁所在地である千葉市へ鉄道アクセスは良くない(新京成線やJR武蔵野線などで千葉県の東京湾岸と行き来することは可能である。宅地化が進んだのは太平洋戦争後であり、近年では上野東京ラインが開業した影響により、東京都心へのアクセスの良さや都市再開発が進み、全国共働き子育てしやすい街第1位を記録するなど、制度・施設が充実した街としてファミリー層を中心に支持を受けている。

  

 千葉県の北西部に位置し、県庁所在地である千葉市から約20 - 30キロメートルの距離である。東京都(日本の首都)の都心から10 - 20キロメートル圏内である。


 南北に流れる江戸川を西端としている。平野部は関東平野に含まれ、江戸川の左岸にあたる西部地域は海抜4メートル前後の沖積平野で水路が縦横に走り、宅地化が進んだ現在でも、水田や畑地が各所に見られる。


 東部地域は下総台地(海抜20-30メートル)の西端となっていて、現在では概ね住宅地が広がっているが、1960年代以前は、山林や果樹園、畑が多く見られた。標高は市域のほぼ中央に位置する常盤平駅周辺が最も高く、ここを境にして市内の河川は西に向かい東京湾へ流れる江戸川水系と、東に向かい太平洋へ注ぎ込む東の手賀沼・利根川水系に分かれている。なお、市内を流れる坂川は、北千葉導水路の一部として江戸川に流れている。


 ドラッグ・売春など凶悪犯罪を呼び寄せる街・マッドシティー。アメリカから来た冷酷な殺人マシーン・アンジェリカは、マフィアのボスを暗殺した。マッドポリスの香川冴かがわさえ警部補に率いられた市警は大捕物の末、アンジェリカをやっと逮捕できた。アンジェリカは1年半、刑務所にいたが、謎の女・貴恵たかえの手引きで脱獄する。アンジェリカは自分が捕まったのは情報漏れにあると考え、自分を裏切った特捜部の刑事に復讐するため娑婆に戻り、ひとりずつ暗殺していく。

 香川は女性捜査官・永野遥ながのはるかとともにアンジェリカを追いつめるが、あと一歩のところで逃げられる。

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