碧を守る虎
花木草
神話
太古の昔、この世にはまだ大地も海も無く山も川も無く、ただ神々がいるだけであった。静寂に飽いた神々は創造を始めた。神々が歩いた跡は大地となり、汗は海となった。神々が笑えば大地は震えて山となり、泣けば涙が流れて川となった。そして神々は次に命をこしらえた。命は神々の知らぬ間に増えていき、この世はとても賑やかになった。
ここには巨きな山岳があり名を白太山と言った。かつて夫婦の神がこの山に住んで人々を守り、治めていた。しかし人々が戦をはじめると悲しみ怒り、白太山を震わせて辺一帯を無に帰してしまった。辛うじて生き残った者に、夫神は自分の代わりに統治することを命じた。そして己が目を玉に変えて神託の証とし、歯を虎に変えて守り神とし、手を筆に変えて法とし、これを与えた。こうして彼の者は皇帝となり、大国「碧」を建てた。
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