9/28(火) ䷘ 天雷无妄(てんらいむまう)→䷿ 火水未濟(かすいびせい)

9/28(火) ䷘ 天雷无妄(てんらいむまう)→䷿ 火水未濟(かすいびせい)


【運勢】


自ら考え、行動する事が大切である。


いざと言う時、周りに判断を委ねる様では信頼を失うだろう。


皆が最善を尽くし、互いに助け合う事が出来る環境を作れば、如何なる難局も乗り越えられる。


【結果】䷘→䷿

本卦:天雷无妄(てんらいむまう)

之卦:火水未濟(かすいびせい)

《卦辭》

[上爻 少陽][五爻 老陽][四爻 少陽]

[三爻 少陰][二爻 老陰][初爻 老陽]

《爻辭》

[五爻][二爻][初爻]


【原文】

《本卦:䷘ 天雷无妄》

无妄(むまう)は、元(おおい)に亨(とほ)る、貞に利(よろ)し。其れ正に匪(あら)ずんば眚(わざわい)有り。往く攸(ところ)有るに利(よろ)しからず。

彖に曰く、无妄は剛外より來(きた)りて、内に主になり、動いて健。剛中にして應(おう)ず。大(おおい)に亨り以て正し。天の命なり。其正に匪ずんば眚有り、往く攸有るに利しからずとは、无妄の往く、何(いずく)にかゆかん。天命、祐(たす)けず、行かんかな。

象に曰く、天の下に雷行き、物に无妄を與(あた)う。先王以て茂(さかん)に時に對(たい)して萬物を育す。


《之卦:䷿ 火水未濟》

未濟は亨(とほ)る。小狐、汔(ほとん)ど濟(わた)る。其の尾を濡らす。利(よろ)しき攸(ところ)无(な)し。

彖に曰はく、「未濟は亨る」とは、柔、中を得るなり。「小狐、汔(ほとん)ど濟(わた)る」とは、未だ中に出でざるなり。「其の尾濡らす利しき攸无し」とは、續いで終らざるなり。位に當たらざると雖も、剛柔應ずるなり。

象に曰はく、火、水上に在るは未濟。君子以て愼みて物を辨(わきま)へて方に居る。


【解釋】

《本卦:䷘ 天雷无妄》

〔王弼の解釋〕

動いて健とは震のことをいう。

雷動して乾健である。

剛中というのは五爻を言う。

剛が外からきて、内卦の主爻となる。

動いていよいよ健である。

剛中で応じている。

私欲が行われない。

妄動することはない。

无妄の道ができ、大吉。

剛が外から来て内の柔邪の道は消失する。

動いていよいよ健であれば剛直の道が通る。

剛中にして応じれば斉明の德が通る。

天の教命である。

もし正しくないのであれば、往く攸有るによくない。

茂は盛んなことである。

物は皆あえて妄でない。

その後に萬物はそれぞれその性を全うできる。

時に対して物は育つ。

是より盛んなことはない。


〔東涯の解釋〕

妄(もう)は、望と音に相近し。

无妄は、希望することがない。

『史記』では无望󠄇とかく。

この卦をさかさにすると䷙山天大畜になる。

主爻は初九である。

无妄は予期せずに来るものである。

卦体は震が動くで、乾が健やかである。

五爻と二爻は応じている。

まさに天命である。

逆に正しくないことをしていれば、どんどん禍いを増す結果となる。

舜禹が君で伊傅が臣であるようなものだ。


〔根本通明の解釋〕

无妄は欲がないということである。

無望の意味である。

『史記』や『戦国策』にも無欲の意味で使われている。

ただ誠にのみ志すのである。

志が正しくなければ、災いがおこる。

[彖傳]

外卦が天で、内卦が雷である。

五爻と二爻が応じており、上下心が通う。

天命を受けることを表す。

その天命に従うのがよい。

それ以外のことをしようとするのは、天命でないことをすることになるので、よろしくない。

[象傳]

天の下に雷があるのが无妄である。

人間が无妄であるのは当然であるが、万物も无妄であるべきである。

先王はこの无妄の卦を用いて、つとめて万物を育んだ。

春夏秋冬、天に従った生き方をした。


《之卦:䷿ 火水未濟》

〔王弼の解釋〕

柔が中にあり、剛に違わない。

よく剛健を納めるので、うまく行く。

小狐が大きな川を渡ることができない。

あと少しの所󠄃で実現できない。

剛健が難を抜き、その後に可能になる。

ほとんどわたれるが、危険を脱することができない。

小狐渡れるだろうが、余力がない。

もう少しで渡れるのであるが、力尽きる。

終わりまで続けられない。

今も険難の時である。

未濟はまだ険難の時が終わらないの意󠄃味である。

位に当たらないので未濟である。

剛柔が応ずれば済む。


〔東涯の解釋〕

未濟は事が成就しないことである。

火が上に在り、水が下に在る。

上下交わらない。

互いに用いないので未濟という。

五爻は柔で中にいる。

ことはよく通󠄃るが、初爻は陰で一番下にいて中に到らない。

狐は陰の存在であり、積極的にやろうとすると失敗に終わる。

始めはうまく行く。

そして、下に止まっていればよいのである。

いたずらに難局を打開しようとすれば失敗する。

君子は外は時勢を見て、内は己の才をはかる。

上が陽で下が陰である。

互いに妨害しない。


〔根本通明の解釋〕

下は水上は火である。

水は低きにあり火は上に昇るもので、居るべき場所にいるが、互いに和することが無い。

互いが作用しないので、萬物が創造されない。

しかし、両者あるべき場所に在る。

しかし、いずれは互いに動き出し、交わり始めるのである。

だから最終的には亨るのである。

☵坎は狐である。

この卦の場合、小さな狐である。

それが川を渡ろうとするが、終にはしっぽを濡らしてしまう。

狐は川を渡る時にしっぽを濡らさないようにあげている。

疲れてくるとしっぽが下がり、水につかって驚いて引き返してしまう。

忍耐力が無いのである。

忍耐力が無いと何事をしてもうまく行かない。

気力が無いと何事も達成できないのである。

[彖傳]

柔が中を得ている。

五爻のことである。これが主爻である。

また初爻に關しては、あと少しのところまでやって、忍耐力なく引き下がる。

この卦全体でみると、ことごとく全て位を外している。

陰は陽に居て、陽は陰に居る。

しかし、隣同士陰陽で相性が良く、うまく行っている。

また、初爻と四爻、二爻と五爻、三爻と上爻、それぞれ応じている。

最終的にはうまくいくのである。

[象傳]

火は南に居り、水は北に居る。

自分の居場所をはっきりとしていて、混じるところが無い。

何事もはっきりと分ける象である。

☲離はものを明󠄃らかにする。

それぞれが自分のいる場所にいることを示している。

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