9/6(月) ䷉ 天澤履(てんたくり)→䷡ 雷天大壯(らいてんたいそう)
9/6(月) ䷉ 天澤履(てんたくり)→䷡ 雷天大壯(らいてんたいそう)
【運勢】
礼儀を弁えた程良い立ち振る舞いが、全ての基本である。
欲深く邪な者は、力の有無に関係無く、機会を逃す。
その場の勢いに従い進む者を他山の石とし、自らを律し冷静な心を保つと良い。
【結果】䷉→䷡
本卦:天澤履(てんたくり)
之卦:雷天大壯(らいてんたいそう)
《卦辭》
[上爻 老陽][五爻 老陽][四爻 少陽]
[三爻 老陰][二爻 少陽][初爻 少陽]
《爻辭》
[上爻][五爻][三爻]
【原文】
《本卦:䷉ 天澤履》
虎の尾を履(ふ)む。人をくらはず。亨(とほ)る。彖に曰はく、履は柔、剛を履(ふ)む。說󠄁(よろこ)びて乾に應(わう)ず。ここを以て虎の尾を履(ふ)む。人をくらはず。亨る。剛中正。帝位を履(ふ)みて疚(やま)しからず。光明あるなり。象(しやう)に曰はく、上天下澤は履。君子以て上下を辨(わきま)へ民の志を定む。
《之卦:䷡ 雷天大壯》
大壯は貞に利し。 彖に曰はく、大壯は大なる者󠄃、壯なるなり。剛以て動く。故に壯なり。大壯は貞に利しとは、大なる正しきなり。正大にして天地の情󠄃見るべし。 象に曰はく、雷天上に在るは大壯。君子以て禮にあらざれば履まず。
【解釋】
〔王弼、東涯の解釋〕
《本卦:䷉ 天澤履》
履は踏むことである。上卦は人で、下卦は虎とされる。下卦の虎が口を開いて人に噛みつこうとしている。人が虎の尾を履んで、大変危うい状況にあるが、機を見るに敏であり助かる。喜んで天命にしたがう心があれば無事に済む。
《之卦:䷡ 雷天大壯》
[王弼]
大は陽爻をいう。 小の道は亡ぼうとしている。 大は正を得る。 故に利貞である。 天地の情󠄃は正大である。 廣く正しくあれば天地の情󠄃を見ることが出来よう。 壮大で礼に違えば凶。 凶であると壮を失う。 だから君子は大壮でありながら礼を大切にするのである。
[東涯] 陰が小で陽が大である。 四つの陽が壮である。 二陰は徐々に薄れていく。 君子の道が長く続く時である。 其れなのに正しくしていれば吉というのは何故か。 人は辛い状況では戒めの気持ちを持つが、楽しい時はとかく邪の心が生じやすいのである。 陽の道が盛んな時だからこそ、其の機を逃すべきではなく、ちょっとした間違いに警戒しなければならない。 四つの陽がみんな正しいわけではない。 私なく、天地の性である正大の道を実践すべきである。 盛大な時であるが、つまずくこともある。 君子は平素から礼法をまもる。 昔の人は天命を畏んだ。 雷ほど天威に似たものはない。 常に礼を大切にすべき時である。
〔根本通明の解釋〕
《本卦:䷉ 天澤履》 下の兌の卦が虎で、虎は大臣の象である。革命の卦である沢火革では「虎変ず」とある。虎が乾の卦を履んで行く、つまり大臣が天子に咥ひ付くのである。天子が咥ひ付かれないようにするには、後ろに巡って虎の尾を履んで行けば良い。
[彖伝]
「履柔履剛也」は、乾が兌の前にある、つまり陰爻の兌=柔が陽爻の乾=剛を履んでいることである。虎は始めの内は従順であり、佞人(ねいじん:口先巧みにへつらう、心のよこしまな人)の巧言令色の卦である。天子の思召し通りに何でも其れを輔け、段々と立身し大臣と為ったが、いよいよ欲が深くなって君を侵す勢いとなり、天子は迂闊にしていると噛まれてしまう。そこで天子が虎の尾を履めば噛まれることはなく、道が亨るようになる。上九に「其旋元吉」とあり、上卦が下卦の下に旋(めぐ)って入れ替われば、沢天夬となり、虎の尾を履むことが出来る。そのため九五に「夬履」と云っている。沢天夬に「夬、揚于王庭。孚号、有厲」とあるのは、大臣を撃つことである。これを他の注解は全く書いておらず、下らない解釈ばかりである。
[象伝]
上に天があり、下に沢がある。沢は至って低い所であり、天地よりも天沢の方が猶低い所である。二・三・四爻目に離がある。離には礼儀の象意がある。そいて天沢の二字を用いて「辨上下」とある。つまり礼儀として上と下との区別を立てることである。上下の別を辨じて民の志を定めるのである。民は沢の如く、君は天の如きものであり、沢が上がって天に為るべき道は無い。「定民志」は、上を侵すべき道が無いという事が定まっていることである。
《之卦:䷡ 雷天大壯》
「大」の字は陽で、初爻目から四爻目まで重なっており、盛んな状態である。 また「壮」の字は、鄭玄の解に「気力浸強之名」と有り、気力が浸(つ)いて強まって来たことだと云う。 人の年齢で言えば、三十歳になり気力も積み重なって来た所である。 剛いと云っても悪い方に強ければ害を為すので、正しい方に固まって居なければならない。
[彖伝]
大なるものが極めて剛くなった。 卦徳では上卦の震は「動」、下卦の乾は「剛」である。 従って、気力が強く動いて進む。 また天の気が動き、萬物を生じる。 人間の身体も天地の気を稟(う)けて居り、動いて事を行う時は正しくなければいけない。
[象伝]
雷の気は萬物を生じる所の気である。 君子は礼に非ざれば履まずと云う。 上卦の震は身体で言えば「足」であり、「礼」は天道天理を以て、履(ふ)んで往くことである。 其処で礼に非ざる事であってはいけない。
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