第59話 プラァクティィス(巻き舌で)
ダンジョン前にはすでにマコトたち3人が待っていた。
俺は手を挙げ、今宵は手を振って3人に合図する。
集合する時に待ち合わせ場所に友人がいて、お互いに気づいた後のゼロ距離に近づくまでの少しの間って何となく気まずいのって俺だけだろうか?
ふとその感覚を思い出して(中学では友人と遊ぶ機会がほぼ無かったから、小学生の時の話だけどね!)今宵に話しかける。
「てか、もし父さんたちが先に来ていてもお互い知らないから近くにいるのに気づけてなかったんじゃないか?」
「ほんとだね。先に来れて良かったよ」
まあ、少しの距離なら待ってる相手に話しかけて小走りすれば問題ないんだが、ダンジョン前って結構広くて遠くから見えるし少し距離があるからね。
俺たちは挨拶を交わして、今日の予定とパーティの話、魔法陣転移の話をする。
「お兄ちゃん、ギルドのパーティとステータスで表示されるパーティが毎回、『パーティ』で同じだからわかりにくいのなんとかならない?」
それは俺も気になってたんだよね。でも、どういえば良いか分からずに後回しにしていた。
「うーん、どうする? 経験値が入るパーティの方をソウルパーティとかにするか?」
「え? ダサッ」
桃香が直球で俺の言葉を遮断する。
「お兄ちゃん……」
「矜一さんそれは無いと思います」
今宵はそれはないよという表情をし、無口キャラの聡にまでダメだしされる。
唯一マコトだけはそれでも良さそうだが、元々どんな名前でも受け入れそうな気がする。
「はいっ! 批判した3人はそれぞれ候補だすように(怒」
「「えぇ~」」 「……」
「強くなるって全体目標があるからチーム、仲間の集団って意味ならグループでも良いが……」
「それって同じじゃないの?」
「まあ、似たようなもんだげど、チームは共通の目的や達成すべき目標を共有しあったりしてやり方を全員で考えたりする感じだな。グループは単に集団とか仲間? 目的がなくてもウェーイする感じ」
「お兄ちゃん言い方……。それだとグループに悪い印象つくでしょ!」
陽キャっぽく楽しいのがグループってポジティブな意味合いで言ったのに、言うのが俺だと悪い印象ついちゃうの⁉
「仲間同士で集まって楽しいのがグループだ(言いなおし」
それならOKって感じの目線で今宵が頷いている。
「じゃあアタイらはチームの方があってる?」
うーん、ぶっちゃけどれでも……。
まあゲーム的なパーティの意味合い、
「まあチームの方が近いけど、俺らで言えば大差はないかな」
「あ、でもお兄ちゃんステータスに
そう言えばステータス画面での表記でPTとでるんだったか。
名前とか決めるの苦手なんだよなぁ。
「じゃあアタイから。経験値
いやどうと言われても、まんまだし、俺の魂のパーティと大差なくない? そう思い見回す。
「「……」」
ほらな? 今宵と聡が微妙な顔をしている。
「な、なんだよ皆!」
「はい! じゃあ今宵も!
今宵が舌を巻きながら発音する。
ネイティブ気取りかな?
皆の表情を見ても悪くない感じだ。
「実践パーティか。悪くないんじゃないか?」
俺がそう言うと、
「チチチッ。分かってないなぁ。プラァクティィスだよ」
人差し指を振りながら今宵が発音する。
英語の授業か何かかな?
いたよね、英語の授業の発音練習でそんな感じの先生。
皆が発音した後、
「ハイ! シンプルにダンジョンパーティでどうでしょう?」
お、聡の候補名は良いんじゃないか?
「悪くないかも」
基本、全てに賛成っぽかったマコトが同調する。
「経験値PTの方が……まあ、聡が言うならそっちでいいか」
いや、桃香の経験値PTは俺と同じレベル何で却下です。
「え~。プラァクティィ…むぐぅ」
3回目はさすがに
「良いんじゃないか? 意味がすぐに分かるし
DT! DT!
決して童貞って言っているんじゃないぞ?
俺は違うからっ……ってごめんなさい、心の中で見栄を張りました。
DT呼びは何故か心が少し悲しくなるなとおもいながら、俺はそう発言して見渡すが異論はないようだ。
「決まったな」
こうしてダンジョン内で経験値を得るために組むパーティはダンジョンパーティに決まった。
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