第234話 白妙の心 3
当時まだ生まれてすらいなかった
我を忘れるほどの怒りに囚われ、黒に残酷な呪いの力をぶつけ続ける
その痛ましい行いを止めたくとも、当時存在すらしなかった自分たちが、知ったような口をきいて割って入ることなどできるわけがなく・・・互いに深すぎる傷を抱えているであろう二人のやりとりが終わることを、席を外して、ただ祈り待ち続けるしかなかったのだ。
結果・・・新しい生活を睦まじく送る二人を・・・
自分たちの無力さを噛みしめながら、
「
横に並び、深々と丁寧に頭を下げたその様は、まるで美しい一対の人形のようだ。
「頭を下げる必要などない。お前たちがよくみてくれるおかげで、
その姿に見惚れながら、
「
「挨拶・・・?」
顔をあげ、
同じく顔を上げた
「・・・・・・
「まさか・・・」
「・・・ん?翡翠、なんでそんな変な顔するんだ。・・・・・・宵闇のことか?あいつなら、
その言葉に、久遠の瞳がわずかに揺れる。
海神は、淡々と過不足なく昨日あったことを二人に伝えた。
「エビという名の神妖が、祭りの時に
「・・・・・・。」
久遠の問いかけに考え込んでしまった海神の手へ、
「妖鬼の願望は単純だ。ショクは美しい者や強い者に執着する。奴の狙いはハッキリしてる。
その手は
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