第6話 出会い 1

 「川名光弘かわなみつひろ」が俺たちの通う小学校へ転校してきたのは、4年生の時のことだ。


 静かな物腰に整った顔立ち。背は高くないがバランスのとれた身体。勉強も得意だし体育の授業でも大活躍をみせる光弘は、あっという間に女子児童の人気者となった。


 転校してひと月もたつとその存在は学校中に知れ渡り、休み時間のたびに色んな学年やクラスの女子が光弘の顔を拝みに集まるようになっていた。


 校内で1番の人気をほこる隣のクラスのリコまでもが、休み時間のたび光弘にべったり寄り添っている始末だ。


 初めは転校生の光弘がうまくなじめるか気にかけていた俺たちだったが、口数が少ないながらもたくさんの友人に囲まれてすごす様子を見て、ホッと胸をなでおろした。


 この時すでに光弘が陰惨いんさんな悪意の影にのみこまれていたことなど、知る由もなかったのである・・・・・。

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