ひと夏の思い出だったハーフ美少女と十年ぶりに再会した。

アサブクロ

第1話 予知夢(?)からの再会

「よし!レンリちゃんには一番でっかいどんぐりでかっこいいネックレスをつくる!あかしだ!」


「……あ、あかし?」


「そう!オレたちは真の友だ!そのうでわをもってればオレたちは、はなればなれになってもずっと友だ!」


「……やまとくんありがとう」


「あーもう!だから泣くなって!」





 ―――



 そういえば妙に懐かしい夢だったな……


 転校初日、引っ越す前のド田舎では決してありえない

 ほど人が多い電車にめちゃくちゃ緊張している俺はなんか別の事を考えようとし今朝の夢の事を考えた。


 もう十年前か……あの子は元気にしてるだろうか。


 翠色の瞳に金髪で、それはもう可愛くて調子に乗った俺はカッコつけようと色んな馬鹿な事をしたのを覚えている。


 そうそう、成長したらあんな美人な女子校生に……って。


 ……いやいや、都会だしな。偶然特徴が似ているだけだろう。


 ……それにしてもなんかあの子顔色悪いな。


 座席に座る俺の斜め前、あの子に特徴が似ている彼女が真っ青な顔をしてプルプルと何かに怯えるように立っていた。


 そして原因に気づいた。


 痴漢だった。女子校生の臀部を慣れた手つきで触る手。犯人は眼鏡をかけたサラリーマン。真面目そうな感じでとても痴漢なんてするようには思えない。


「おいっ!」


 人混みを無理矢理かき分けて手を掴む。


「次の駅で降りろ!」


 男の手を掴み床に組み伏せる。



 ―――



 駅に着いて駅員に差し出してから男はしてないの一点張りだったが彼女が触られたと言ってくれたおかげで男は連行、俺の組み伏せも現行犯逮捕という事で正当化された。しかし、電車の中では次の駅に着くまで周りに見られスマホで写真まで撮られてしまった。恥ずかしかった。


「……助けてくれてありがとう」


「いやこちらこそ、恥ずかしかっただろうに証言してくれてありがとうございました。じゃあ……」


 そう言って立ち去ろうとした時だった、


「……あの!」


 後ろからそう声をかけられた。思わず振り向く。


「……私達、十年前に遊んだ事無い?……あ、あかしのどんぐりって覚えてない?」


「えっと……レンリちゃん?」


「やっぱり、やまとくんだよね?」


「その、ひ、久しぶり」


「……がっ、学校一緒に行かない?その制服、同じ高校だよね?」


「え、あ、そ、そうなの?」


 ……ヤバい転校先の女子の制服とか全く見てなかった。


「……ダメ?」


「いや、その、い、いいよ?」


 なんだろう……凄く恥ずかしい。顔が赤くなる。




 とにかく、こうして俺たちは再会したのだった。



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