Report 15 最強の敵(11)

【Side - エルワン】


 ビクビクビクンッ!!

 エルワンの左脇腹が、大きく痙攣した。

 彼は思わず「ぉおおうっ!」と、声をあげてのけぞった。


左腹斜筋上部シャラールが、これまでにないほど震えている……」


 エルワンは、この霊力場に憶えがあった。


「……この霊力場はまさか!? だが、先ほどの右腹斜筋上部フェンツの痙攣も……。あり得ん! だが……」

「おい、何一人でブツブツ言ってんだこの変態! 俺たちも分かるように説明しろや!」


 辛が吠えたが、エルワンは無視した。


(方向は、さっき異様な霊力場を感じた地点だ……。本当にあの方・・・がいるのならば、俺も行かねばなるまい! くそっ、明日葉たちはまだか!)


 容疑者二人を拘束している以上、エルワンはここを離れるわけにはいかない。

 だが、さっき感じた異様な霊力場を捨て置くわけにもいかなかった。感じたのは、間違いなくA+級以上の術師による霊力場だった。明日葉たちで対応できる相手ではない。そのため、明日葉たちと交代するために連絡したのだが、まだ彼女は戻ってこなかった。

 ガサッ。

 茂みが掻き分けられ、三人の影が見えた。


「班長ッ!!」


 明日葉だった。その後ろには、青金と新銘もいた。


「遅いぞ!」

「申し訳ありません! 野衾の群れを追い払うのに時間がかかりました!」

「言い訳は後だ! 青金と新銘は、金淵兄弟を俺と交代で見張れ! 明日葉は俺について来い!」

『はっ!』


 三人は揃って、敬礼をした。

 エルワンは青金と新銘にこの場を任せ、森へ戻っていった。


「あの……、班長」


 森を疾駆するなか、おずおずと明日葉がそう言うと、「何だ、早く言え」とエルワンは返した。


「さっきの霊波動……。いえ、最初のおぞましい方だけじゃなくて、その後の力強いのを私も感じました。あれは、たしか……」

「! ……お前もそう思ったか。もし、それが本当ならば……北斗・・の出動もやむを得ないかもしれん」


 それ以降、二人は黙り込んで森の中を疾駆していった。




【Side - 賢治】


「まず、このままでは実力差がありすぎて勝負にならねえ……。そこで俺は開始の合図から、三つのハンデを提案する」


 翔栄が言った。


「陰陽道ってのは東洋魔術の集大成であり、俺も式神、真言、九字、道教の神々の使役と様々な術を使うことができる……。だがそれらを使ってしまうと、一瞬で勝負がツイちまう。なので一つ目のハンデは、合図から五分の間、さっき使った五気符のみを使うことにするってことだ」

「五気符……? さっきお前が使っていた札のことか?」


 片方の眉だけ吊り上げて、賢治が言う。


「そうだ。これは現代陰陽道の基礎といっていい、使い捨ての導体だ。青が木気、赤が火気、黄色が土気、白が金気、黒が水気を司り、起こしたい反応が相生そうしょうなのか相克そうこくなのか、どちらかを選んで詠唱するんだ」

木→火→土→金→水もっかどごんすいか、木→土→水→火→金もくどすいかごんてことだろ?」

「ホォー……。よく知っているじゃねーか」

「馬鹿にすんな! 陰陽五行説なんて、汎人界でも常識だ!!」


 陰陽五行説とは、陰陽道の根幹をなす理論である。

 古代中国において、この世界を構成する根源物質アルケーは、『 qui』と考えられていた。気は直接目にすることはできないが、生物が呼吸をしたり、ものが燃えたり、水が流れたりなどといった自然現象を働かせるエネルギー源である。そして、気は木・火・土・金・水の五種類に分けることができて、その循環内容によって陽気のサイクルと陰気のサイクルにさらに分類できると、春秋戦国時代の陰陽家いんようかは考えていたのだ。それが日本に伝わって、陰陽おんみょう五行説ごぎょうせつとなった。

 陽気のサイクルとは相生関係であり、木→火→土→金→水の順番で相生関係が決まり、「→」をはさんで後者が前者の力を吸い取って、新たなものを生み出す関係だ。具体的な例をあげると、木は火の燃料となり、火は土を固めて灰を生み、灰の中から金属が抽出され、金属の表面に水滴がつき、水を得て木が生長する。このような循環を説明しているのが、相生関係である。

 対して相克関係は、陰気のサイクルだ。木→土→水→火→金の順番で相克関係が決まり、「→」をはさんで前者が後者に打ち勝って滅ぼす関係である。具体的な例をあげると、木は大地から養分を吸い取り、大地は水を吸い取って堰き止め、水は火を消し、火は金属を溶かし、金属は木を刻んで切り倒す。このような循環を説明しているのが、相克関係である。


「この五行による循環関係が頭に入ってないと、まず俺たち現代陰陽師とは勝負にならねえ……。何故なら、現代陰陽道の霊力場は極めて強力な霊的結界で、自らの力場は・・・・・・五行に峻別され・・・・・・・相手の力場は五行に・・・・・・・・・照応されて判断される・・・・・・・・・・からだ」

「ん……? どういうことだ?」


 翔栄の言ったことを理解できず、賢治は頭を捻る。


「現代実践魔術では、識・力・理・気・火・水・地・風・光・電・影・生の十二系統に分かれるだろ? それが現代陰陽道の呪文には通用しないってことだ。お前の術の力場は、俺が使う術の力場に触れると、基本的に全て五行に変換される。火術系は火行、水術は水行、地術は土行、風は木行、電術は木行、生術は植物系の具現化呪文なら木行って具合にな」

「木行以外は、感覚で分かるレベルじゃねえか。わざわざ説明されるまでもねえよ」

「ナメるなよてめえ……俺たちはこの五行を知り尽くしているんだ。さっきもやって見せただろ。俺が二枚の土気符を使って、お前の焔を御し、赤毛を眠らせるところを。あの対応が、お前にできるか?」


 そう言われると、「ぐっ……」と歯噛みをせざるを得なかった。

 あのとき翔栄は、土壌から現代の睡眠薬を生成するという、化学や地質学まで応用して五行の循環反応を起こした。自分では、到底できない芸当だ。


「現代実践魔術の十二系統にもそれぞれの相性はあることはあるが、基本的には便宜的な分類だ。実際の戦いじゃ、術師の力量や技術にウェイトがかかっている。だけど、現代陰陽道はちげえ。五行の相生・相克関係が絶対だ」

(ぐっ……。悔しいが正論だぜ)

「さて……。講義はこのくれーで終わりだ。残り二つのハンデについて説明するぜ。


二つ目、お前は俺に拳や武器を使う直接攻撃を加えてもいいが、俺は呪文と五気符だけを使う。

三つ目、俺に少しでもキズをつけるか直接触れたら、お前らの勝ちにしてやる。


二つ目と三つ目は制限時間なしだ。どうだ、寛大な条件だろ?」


 ビキ……ビキ、……。

 完全にナメているその言葉を聞いて、賢治は額に青筋を立てる。


「吼え面かくんじゃねえぞ、てめえ……!」

「ホォー、見かけによらず結構オラつくなお前……。こっちのセリフだ、なんて常套句じょうとうくを吐いておこうか?」


 翔栄は胸ポケットから、表面に「陽」、裏面に「陰」と刻印されたコインを取り出す。


「こいつが地面に落ちたとき……戦いを始める。いいな?」

「うむ!」

「臨むところだ……!」


 にらみ合う三者。

 ――ピーン、ン、ンン……。

 翔栄がコイントスをした。コインは吸い込まれそうな暗雲から、地面へと戻っていって――高らかに音を立てて落ちた。

 瞬間、紅い影が疾駆した。


(焔が効かねえなら、物理でぶん殴ってやる!!)


 先手必勝と、賢治が飛び出したのだ。 


「〔紅焔ブレイジング・スラッシュ〕!!!」


 ロンパイアによる大ぶりの一撃を、翔栄はわずかに身体をそらして避ける。

 すかさず顔面に向かって突く。だが、それも躱される。


「くそ、くそっ!」


 さっきまで松元と肉薄していたのが嘘のように、翔栄にはまるで当たらなかった。

 ピッ。

 翔栄は懐から、黒い札を出した。


「《我、以水気スイキヲモッテ克火気カキニカタントホッス》!!」


 水気符から、蛇のようにうねる水流が飛び出す。

 ロンパイアに絡みついて焔を鎮火させ、賢治の方まで這い寄る。


「くっ!」


 賢治はとっさに、ロンパイアを手放す。

 そして、体勢を低くして翔栄の懐へ回り込む。

 拳に焔が宿る。

 顎を目がけて、アッパーを繰り出そうとした。


「〔紅焔ブレイジング・天昇拳アッパーカット!!〕」


 ブオンッ!

 だが、盛大に空振りをした。


「ホォー……、防具は火龍かりゅうの革か。ならば――」


 翔栄は賢治の鎧の左わき腹部分に、黄色い札と白い札を貼りつけた。


「《我、以火気生土気欲》!」


 黄色い札――土気符が光る。

 すると、黄色い煙が湧き上がった。


「うぐっ!?」


 レザーアーマーが、尋常じゃない重さに変化する。

 下を向くと、鎧は石と化していた。

 セルディカン・ブレイズドラゴンの防熱構造における火術の力場を、火行の気に変換し、火生土かしょうどの法則によって石に変成したのである。


「《ワレ以土気ドキヲモッテ生金気ゴンキヲウマントホッス》!」


 今度は、白い札が光り始める。


(まずい! おそらくワイヤーかなにかに変成して拘束する気だ!)


 そう予期するや否や、賢治は火克金かこくごん、火は金に打ち克つという法則を思い出す。


「〔紅焔ブレイジング・グリップ〕!


 賢治の右手の小手に、焔が宿る。白い札に触れて燃やそうと考えたのだ。

 しかし、であった。


「《我、以水気克火気欲》!」


 翔栄は黒い札を取り出し、詠唱する。黒い札から、さっきの蛇のような水流が飛び出し、賢治の右手を包み込んだ。右手の焔は鎮火され、札の白い霊波動がさらに増幅させる。金生水ごんしょうすい


「わあっ! ――がぼ、がぼっ」


 賢治の口へ、大蛇のような水流が潜り込む。さらに石になった鎧はワイヤーへと変成――賢治は拘束された。


(く、苦しい! 息ができない!)

「賢治! おのれよくも!」


 現世は翔栄に向かって飛ぶ。

 だが、わずかに身体を反らしただけで回避した。それはまるで、呼吸をするような自然な動作だった。


「フン――」


 翔栄は鼻で笑い、左手の人差し指を自分の方へくいっ、と向ける。

 水流がまるで、主人のいうことを効くペットのように、賢治から離れて翔栄の方へ戻る。


「ゴボゴホッ!!」


 賢治は地面を芋虫のように這って、飲み込んだ水を吐き出す。


「どうした? もう終わりか?」


 その様子を翔栄は、せせら笑うように言った。


「ゲホッ……て、てめえ……!!」

「賢治! マルコシアスを帰還させるのだ! このものは一種類の系統の術しか使えぬ! 残念だが、それではこやつは勝てぬ!」

「だからといって、誰を召喚すればいいんだよ! ダンタリオンか!?」

「いいや、うってつけのものがおるではないか! ほれ、東洋の錬金術を使えるものが!!」


 現世のアドバイスに、賢治は頭を捻って記憶を掘り起こす。


「――! そうか、アイツ・・・か!! マルコシアス、ご苦労だった! 《帰還リターン》!」


 賢治の頭上と足許に、召喚時と同じ同じ円陣が浮かぶ。

 狼の耳が消え失せ、がっしりした体格は元のもやし体型に戻り、装備品は紅い光の粒子となって消えた。

 その瞬間――


「うぐうっ!?」


関節という関節、筋肉という筋肉に、劇痛の電流が走った。


「な……なんだッ、この痛みは……。それと、全身が重い……。鉛のよう、だッ……」


 立っているのもやっとという様子で、賢治が言った。


「マルコシアスを喚起して、暴れ回った反動であろう」

「は、反動?」

「貧弱な筋肉が一気に膨れ上がった上に、あれだけ激しい運動をしたのだ。全身が筋肉痛になってもしかたがなかろう。それどころか、肉離れや疲労骨折が起こってもおかしくないのだ」


 その様子を見ていた翔栄が、せせら笑った。


「ヒャッハハハハ! クッソダセエなオイ。お情けで、召喚するまで待ってやるよ。これに懲りたら、自分の肉体に見合わないような召喚精霊を喚起しねえことだな」

「く……、くそったれ……」


 その挑発に、ビキリと青筋を立てる賢治。全身が砕けそうな痛みと猛烈な倦怠感を堪え、召喚術を実行する。


「ぐっ……ククッ。――れ、《練丹総裁れんたんそうさいハーゲンティ……召、喚》!」


 賢治の目の前に、召喚の円陣が出現する。

 円陣からは白い霞が沸き起こり、その中心に小さな影が映った。やがて霞が晴れて、そこにいたのは――銀色の肌に、縮れた赤毛から金色の二つの角を生やした少年だった。

 どことなく東洋風である原色の派手な詰襟の外套を着こなし、右手にかばんを携えていた。身長は低く、賢治よりも頭一つ分小さいくらいだ。


「お呼びでしょうか、召喚主様」


 【48. 練丹総裁ハーゲンティ President of Chinese alchemy, Haagenti】

  戦闘力(combat power):A(攻撃:A 射程:A 防御:B 機動:C 警戒:A-)

  霊力:A 力場安定性:A 教養:A+ 技術:A- 崇高:D 美:C 忠誠心:A 使役難易度:V


 ハーゲンティは、礼儀正しくペコリと頭を下げる。


「あ……あの……」

「うむ! あの者を倒すのだ、ハーゲンティ!」


 身体ががたぴしでうまく喋れない賢治に代わって、現世が指示を出した。


「承知しました」


 ハーゲンティはかばんから、丸薬が入った小瓶を取り出した。黒っぽい青と黄色のマーブル模様という毒々しい色をしているそれを、ハーゲンティは一切躊躇ためらうことなく口に入れた。


「お、おい? 何だそれ?」

瑠黄丹りゅうおうたんです。水気と土気を包含した丹砂たんしゃで、これを飲むと水行の術と土行の術が使えるようになりまする」

「丹……砂?」

「現代化学でいう、硫化水銀りゅうかすいぎんのことです」

「なるほど、水銀――って、はあ!?」


 賢治は慌てて、ハーゲンティを制止させようとする。

 全身が痛んだが、それどころじゃない。


「なんてものを口にするんだ! 吐き出せ!! 死ぬぞッ!!」

「ご安心ください。私はヒトと違って、身体を水銀がめぐっております。肌が銀色なのはそのためで……す……」


 ぐあんっ。

 そのとき、瑠黄丹と同色のマーブリングに淀んだ霊力場が、ハーゲンティから漂った。


「!? ハーゲンティ!?」


 戸惑って言葉をかける賢治。


「――《ワレ以木気モッキヲモッテ克土気ドキニカタントホッス》!」


 翔栄が青い札を懐から出してそう唱える。すると、地面から大きな樹が立ち上る。対応するようにハーゲンティの左腕が銀色の液体に変化する。

 

「〔水生木シュイシェンムー水銀樹・シュイェンシュ〕!」


 水銀のシャワーと化した左腕は、触手のように翔栄の樹に絡みついた。すると、水銀が水分を失ってボロボロに凝固して朽ちていく。一方で、木気符による樹は銀色に染まりながらぐんぐん伸びていった。


「召喚主様の得意な呪文は把握しておりますゆえ……」


 ハーゲンティが意味ありげな言葉を、賢治に言った。


(! 水気は木気を生む。だが木気は……!!)


 意図に気づいた賢治は、「《ファイアボール――Max》!!」と詠唱する。


 賢治の杖先が赤く光る。

 半径一メートルほどの巨大なファイアボールが、翔栄めがけて発射された。

 翔栄は懐からもう一枚赤い札を出す。


「フンッ、《ワレ以木気モッキヲモッテ生火気カキヲウマントホッス》!!」


 赤い札、火気符から炎の波が迸る。火炎波は、銀色の樹の木気を燃料として激しく燃え立って――炎の壁を形成した。

 そこに、ファイアボールが飛び込んできた。炎の球と炎の壁はぶつかって一つになり、激しい熱波が周囲に吹き荒れた。


「ぐっ……! 現世!」


 賢治は現世に火の粉がかからないよう、自分の懐へ引き寄せて抱きかかえる。

 ゴオオオオ――ォォォォン。

 二つの業火が、渦を巻いて鎮火した。


「むむ。木気をわざと肥大化させて火気の呪文、《ファイアボール》の燃料にするつもりでしたが……」


 ハーゲンティがしかめ面でそうぼやく。

 すると翔栄が、応答するようにこう言う。


「それだけじゃねえだろ。火気に対抗するなら火生土かしょうど水克火すいこくかといくところを、相手の木気の力場をわざと肥大化させて妨害するとか、こすい・・・マネしやがって」

(な、なるほど! 優劣が相性で決まるということは、現代実践魔術以上に次の手の読み合いが勝敗を決するということか……! これが、陰陽五行説に基づく呪文戦……!)


 賢治と現世はこの召喚精霊を、その専門性ゆえに徳長から召喚すること自体を止められていた。



 ……ハーゲンティの術は、これまで習ってきた魔術とは体系自体が大幅に異なるものです。今は学んでも、返って混乱の許となるでしょう。現代実践魔術の基礎が十分にできたときに、ハーゲンティを召喚することにしましょう。……



 だが、今ならその理由がわかる。現代実践魔術の戦闘とは、求められる技術がまるで違うからだ。基礎ができていないうちに着手するべきじゃないという徳長の主張は、まったく正しい。

 しかしながら、今はこの異なる体系の術に頼るしかない。


「残り時間一分か……」


 翔栄が言った。一つ目のハンデのことだろう。


「最初も言ったとおり、五気符というのは現代陰陽道の基礎的な術だ。だがあくまで基礎であり、これを使うのは小手調べのレベルに過ぎない」

「小手調べ……だと?」

「ああ。言い換えると、お前らとの戦いが始まってから俺はボクシングでいうところのジャブしかやってなかったってことだ」


 賢治は苛立った。さっきからこの少年の遊んでいるような雰囲気が、とても癇に障るのだ。


「だったら……何だってんだ! さっさと本気を出せばいいだろう!! これは実戦なんだろ!! ナメ――」

「うるせえボケ」


 翔栄は、目で賢治の心臓を射竦めた。

 賢治はその表情に、見おぼえがあった。それは、いじめという犯罪が日常的に行われている学校の教室のような、「ナメられたら人間扱いされない」環境に身を置いて生きのびてきた人間の顔つきだった。こういう態度には本能的に、賢治は縮こまってしまう。


「さっきからイキってんじゃねーよ、雑魚ども。時間ねえんだから、余計な口挿むな……。で、ハンデの時間切れの前に俺は五気符の真の使い方を見せてやろうと思っている。


そこでお前らは、地獄の片鱗を知ることになる」

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