第7話 モンスターはどこでも……
サクラと洞窟調査中……やはりなんか出たのだ。
簡単なお金稼ぎはなかなか無いんだよな……と俺は思いつつ……。
「うわー。Gじゃん。やっぱなんかいるか。面倒だわ。ってこいつどこにでもいるよなー」
またお前か。という感じで俺が言うと……。
「—―Gは……いやー!!」
と、サクラが俺に松明を渡してすぐに俺の後ろに隠れた。
「気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。とっととやっつけてー!クス早く!即殺す!早く!」
「……」
おかしいな。こいつ戦いしたそうじゃなかったか?と思っている人。
それは正しい。先ほどまでならサクラは即戦いをしたいという感じだったが……いまは真逆となっている。
ちなみに俺たちの少し前。まあまだ距離はあるが。そこには黒く光る影があった。
G属と呼ばれているモンスターだ。
なんでG属いう名前かは知らんが。
俺が指導者から初めて聞いたモンスターいうか。指導中に初めて遭遇したモンスターでもある。
見た目は……黒く。真っ黒か。そして素早い。また短距離なら飛ぶ。大きさは人属の半分くらいから……稀に俺の倍くらい。デカイのもいるらしい……サクラが言うように気持ち悪いからな。遭遇したくはない。
っか、こいつら寿命が不明らしく。食うものあれば生き続けるらしいからな。
で、今俺たちの前にいるのは小さい方だ。
が……うん。モンスターには変わりない。気持ち悪い見た目というか。黒光りが……なんかな。さらに気持ち悪さを……とくに明かりに少し照らされているとな。キモい。である。
ちなみになんでも食うということは……つまり、人属。俺たちも捕まれば食われる場合もある。また中には毒持ちもいるとか……あー、そうそう共食いもあるらしい。モンスターも生きるため。子孫を残すために必死である。
まあモンスター退治のレベルで言うと最低ランク。
まあ叩き潰すか。切ればOKだからな。
が、このモンスターにやられた人属やらはそこそこいる。まあ神属やらの遠距離攻撃ができるやつがいると安全なんだが……今は居ないからな……とか俺が思っていると。
「クス。ちょ早くやっつける。早く。なんで動かないの!」
俺がちょっと相手の事を考えていると後ろからそんな声が聞こえてきた。
「簡単に言うがな。洞窟だし。明かりは限られてるし。こっちはダガーしかないんだからな。っか松明はお前が持ってろよ。ほら」
俺はそう言いながら松明をサクラに戻す。
「あーもう。クスが剣持ってないからでしょ!」
サクラは松明を持ち直し……なんか後ろでぐちゃぐちゃ言っているが……。
「お前が言うな。っか、モンスター相手はする予定じゃないから持ってないんだよ」
「いいから早くやる!気持ち悪いんだから」
「……嫌なこっただよ。ホント」
モンスターが居なければ……こんな危険はないのに――っか、騒いでいたからか。G属の野郎が俺たちに近づいてきていた。
G接近である。接近。キモい。以上!
ちなみにさっきも言ったがコイツらは切るか潰せば……まあ、死ぬ。今回は小さめだし。数も一みたいだから……が、俺たちの持っているダガーでは刺すくらいしかできない。なので……俺はまず足元に転がっている石を取り……。
投げる。
うん。これでヒットすれば……ちょっと相手が止まるというか。運がいいと気絶とかあるんだが……と俺が思っていると。
ササッ。
カンカンカン。
「はやっ」
「ちょ、外してる!馬鹿じゃん!」
俺の投げてみた石は、虚しい音をたてながら暗闇に……消えていった。そして石を避けたGが……さらにこちらに迫ってきた。
今日のところは俺に運はなかったらしい。
俺は仕方なくダガーを手にして……待つ。そうこういう時はよく相手の行動を見るのが良い……と俺が勝手に思っているだけだがな。どうなることかは……不明だ。
すると、Gが俺たちに飛びかかってきたので……っか飛ぶなよ。キモいやつが飛ぶな。さらにキモい。である。
まあでも一直線に来るなら俺は構えているだけでいいので……ダガーを構えて……待機。
――ぐちゃぁ……。
うん。なんか生暖かい感触とともに……Gが止まる。うん。臭いも……すごい。まあ串刺し?完成。というか……うん。気持ち悪い。
……。
……。
……。
どうやら俺が刺したダガーがGの顔に命中したらしく……即お亡くなりになったらしい。が、死んだふりもあるので、俺は再度とどめをさしてから……Gから離れる。
「—―あー、最悪だ……」
俺の前でGはひっくり返っている。多分もう大丈夫だろう。
が。俺はなんか体液がかかった……最悪だ。まあ刺したからな。仕方ない。それにモンスターと遭遇すればこういうことはよくある。うん、なくていいのに……。
まあでもあっさり終わったのはまだいい方だ。これでGが逃げ回るとかだと……最悪だからな。あと数がいたりしても――とか俺が思っていると……。
「うわぁ……」
サクラは3歩ほど俺から離れている。っかおまえが離れたら暗くなるんだよ。離れるな。と俺は思いながら。
「サクラ離れるな。暗くなるだろうが」
ちゃんと声に出した。言わないとこいつどんどん離れるからな。
「……やっぱGは気持ち悪い。いやだ……」
「まあ……多分死んだぞ?」
「だから気持ち悪いんだし。ってか。臭い臭い。最悪もういや!」
「仕方ない。はぁ……なんでモンスター退治しないとなんだか」
ちなみに退治したモンスターはほっておけば……まあ小さなモンスターいうか。微生物?いうのだったか。なんかが綺麗に無くしてくれる。なのでとりあえず隅っこにGを俺は蹴飛ばして……。
先に進む。前に進む。っか、早く終わらして身体を洗いたい。
その一心で先に進んだ。
あー、ちなみに体液?からも毒あるとぽっくり逝くことがあるから。なるべくすぐ拭いたりがベストだな。
だから俺もマントで汚れを拭き拭き……まあこれでマントの洗濯も必要になったがな。仕方ない。
「っか、冒険冒険言うわりにサクラはG嫌いすぎるだろ」
汚れを拭き終えた俺は一切戦いに参加しなかったサクラに言う。
「あれは無理。気持ち悪い。他ならOK。余裕。ドラゴンならどんと来いだね」
うん。こいつ……謎。ってか、マジで冒険者には俺より向いてない気がする……と居俺は思いながら。
「意味わからん。っかこの洞窟深いな……」
「そういえば、結構長いねー」
とりあえず俺たちは奥へと進むことにした。
止まっているといつまで経っても依頼は終わらないからな。
そうそうたまに洞窟は分かれ道があったりするが――。
今回の洞窟は今のところ一本道。足場が悪いが……まあ道が複雑じゃないのは助かった。複雑だと目印とかが無いと帰りが帰れなくなるからな。
ってかそもそも行ったり来たりするはめになると……かなり大変だからな。
「……」
「……他にG……居ないよね?一匹だけ?」
少し歩くと隣でサクラが言った。
「確かに、一匹だけだな。はぐれか?たまたまこの洞窟に入りこんだ?」
「そういえばクスと調査するときあまり大軍には会わないよね?」
「まあいいことだな。うん」
「やっぱクスの身体からの匂いと関係ある?」
とかサクラは言いながら俺の匂いを嗅いで……。
「うげっ、今はG臭だ。最悪」
と、言いすぐに俺から離れた。
「仕方ないだろが。っか、普段から人の匂いを嗅ぐな」
「いやいや、クスの身体からは普段なんかいい香りがするんだよ」
「おまえしか言わないがな。指導者やらにも言われたことないし。周りのやつからも聞いたことないからな?」
「絶対なんか香ってるって。実はクス神属?」
「違うし。それに神属からなんか香りがするとか聞いたことないが?」
「確かに……ってか前もあったけどクス毒効かないから。やっぱり人属じゃないでしよ」
「人属だ。どこからどう見ても人属だ。何も魔法なんて使えん」
サクラが言っていることは、前にもこんな調査を受けて巨大属に分類される。デカネズミと遭遇してな。俺は噛まれたことがあるんだが……。
あー。デカネズミいうのは昔は小さかったらしいが。最近では巨大化というか。まあ昔は小さかったが……巨大なモンスターが増えたんだよ。
デカネズミやらは毒で相手を……でな、危険ランクならGの上だ。
その時は俺の今横にいるやつがな。油断してて背後から噛まれそうだったのをなぜか俺助けてよ。助けちまったんだよ。
そしたら俺が腕を噛まれたんだよな……うん。悲しい過去というか。なんで俺こいつを助けたんだろうか……でもある。
普通ならそれでぽっくりお亡くなりになる冒険者も居るが……俺は幸い毒にはならずだった。まあちょっとサクラが大騒ぎしたがな。
まあ傷。噛まれたところはえぐれたいうか。しばらくかなり痛みがあったが。毒の影響は全くなく。俺今も元気ってやつだ。
ちなみに同じときにデカネズミに噛まれた冒険者がいたが。その冒険者は毒で死んだと。
いや、そんな話がたまたま案内所にいるときにな聞こえてきたんだよ。
まあ、まだ一回だが。なぜか俺の身体毒耐性はあるみたいなんだよな。
たまたまだったかもだから……気をつけないとなんだがな。
毒になると……あー、麻痺とも言うかもだが。
動けなくなると……即おだぶつかだからな。デカネズミはほとんどが即効性の毒らしいから。噛まれたら即毒消しが必要。って感じだ。
まあベテランになれば攻撃を避けるのもうまいし。そもそも金があれば毒消しは常備しているだろうがな。俺達のレベルではそんな便利アイテムはない。
とまあ、サクラと話しつつ。無事に俺たちは洞窟のどんつきに到着したのだった。
そうそう余談を言うとサクラはGを見たためか。周りにビクビクしながらだったな。
ホントいつまで経ってもGの嫌いなサクラだよ。
別にいいがな。
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