み空色の髪の少女
くすのきさくら
第1話 実りの町とは失われた町
これはどこかの紙切れに書かれていた誰かの文字である。
失われた町に残ってる記録のかけらとでも言うの……かもしれないが。
今を生きる冒険者がこれを読む必要は……特にないだろう。
今を生きる人は、今の情報の方が大切だろうからな。
あと危機が迫っているなら。今すぐこんな紙切れは捨てて、すべきことをした方が良い。逃げるなら早く逃げた方が命のためだと思うからな。
こんな紙切れを呼んでいて後ろから食べられました。とかいうそんな最期は嫌だろ?あっ、もしかした時すでに遅し。ということもあるかもしれないが……。
でも余裕があるならちょっと目にして欲しい。この土地で過去にあった出来事が記されているからな。
まあこれは歴史的書物。
ではなく……とある奴の日記だったりするんだがな。
そう単なる一人の少女に日記だ。
一人の少女がともに戦った相棒の隣でコソコソと書いていた物だ。バレているんだがな。
まあとりあえずそれは置いておいて、この世界の事を言っておくと。
この世界では多くの生き物が日々生活している。はずだ。
……いや……生活しているだと……ちょっと緩い感じに聞こえるかな?
各生き物が生きるか死ぬかの生活をしている。とかいう方がいいかもしれない。
強いものが生き残る。ただそれだけの世界。
弱いものは……残れない。ただそれだけだ。
っか、そもそもこれが読まれている今はどんな世界なのだろうか。ってまあそれはいいか。
とりあえずこの日記に記されているのは実りの町での出来事だ。
実りの町とは、気候が良く。土地も良く。作れば作るだけ食べ物。食料が取れ。また水も潤沢にある豊かな町だ。豊かな町には人も自然と集まり。いつしか小規模の町ができていた。
そのため常に実のなる場所ということで今の町の長がこの土地を「実りの町」と名付けた。
まあ規模の小さな町だからな。遠くの町。町の外に出ればこの場所の事なんて知らない人の方がほとんどだろう。だが。この町には多くの人がその時は生活していた。
人。というのが今はいないかもしれないが。この時にはまだ多く居た。
そして人は人属と呼ばれ。人属に近い神属、犬属、魚属。という人々とともにこの町で生活をしていた。
町の人は生きるため。大切な人を守るため。村を守るためにあの日も。いつも通りの生活をしていた。
……あの時までは。
が。あの時というのは。まだまだ先のことだ。あの時までにはたくさんの出来事があった。
断片的かもしれないが。その記録は残っている。少女の日記にな。
いきなり最後。クライマックスなんて聞いても……。だと思うのでね。
途中も見てほしい。実りの町で生活していた人々のことを。
さあ、そろそろ読み始めてもらおうか。今を生きるこの紙切れを見つけた冒険者よ。
あー、そうそう。
その前に身の回りの確認はしたか?
青いものが近くに居ないか?青いものが近くに居たら即……。
逃げろ。
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