冒険者ギルドの喫茶店 ~聖女様に冤罪で追放されたので、モフモフたちと第二の人生を謳歌します~/美雨音ハル


  <スイートポテトと冬支度>



「クーちゃん、なんだかモフモフ度が増してきたんじゃない?」


「へ?」


 ここは喫茶店『銀のリボン』。

 忙しい冒険者さんたちに、まったりとした時間を提供する『冒険者ギルドの喫茶店』だ。わたしことクーナは、ギルドの中にあるこの小さな喫茶店で働いている。

 明日の用事のために、わたしがバケツとスコップを準備していると、その様子を見ていた店主のルーリーが、もだえながら言った。


「耳もしっぽも、以前より分厚くなったんじゃないかと思って」


「ああ、冬の毛になったからでしょうか……?」


 お店で紅茶を飲んでいた剣士のルージュさんも、確かに、と頷いた。


「なんだかあったかそうだよね!」


 獣人族の中には動物と同じように、季節に合わせて毛が生え変わる人がいる。わたしもそうだ。夏に比べて、冬は体温の低下を防ぐために、とってもボリューミィな毛になる。


「えっと、あまり見栄えが良くないですか……?」


 自分の耳を触ってみる。

 うん、いつもよりふわふわしているみたい。


「何言ってるの! モッフモフで可愛かわいいじゃない!」


 ルーリーはブンブンと首を横に振った。

 モッフモフで可愛い、か……。

 換毛期は毛がよく抜けるし、冬の毛はボワッとしてあんまり好きじゃなかったんだけど、そういう見方もあったんだなぁ。

 獣人専用のシャンプー『モフリシャス』を使い始めたおかげで、毛の質もよくなったから、そう見えるのかもしれない。


「クーちゃん、モフモフしてもいい……?」


「どうぞ」


「きゃー!」


 ルーリーは喜んでわたしの頭を耳ごとでる。


「なんてふわふわなのかしら!?」


「あたしもモフモフしたい! クーナちゃん、触ってもいい!?」


「どうぞ!」


 女子のモフモフトークでお店がにぎやかになる。

 ぜひ触ってみたいと他のお客さんも言うので、わたしはなんだかアイドルになった気分だった。いつもルルやモコモットたちが得意げにモフモフを自慢しているけど、ルルたちってこんな気分だったんだなぁ。

 モフモフトークで盛り上がっていると、お店にギアがやってきた。

 ギアはわたしたちの住む街『フィーナルダット』を守る、つえ騎士団きしだんの団長さんだ。

 杖騎士団と冒険者ギルドは協力して街の治安を守ることもある。そのため、ギアはよく冒険者ギルドを訪れるし、帰りに喫茶店に寄ってくれることもあるのだ。


「あ! ギア、いらっしゃいませ」


「……何やってるんだ? なんだか盛り上がっているから、気になって来てしまった」


「ふっふっふ、ねえギア、クーちゃんを見て何か思わない?」


 ニヤニヤしながら、ルーリーがそう言った。

 ギアはわたしをジーッと見たのち、手に持っていたバケツとスコップに視線を落とした。


「……それは?」


「あ、これですか? 明日の芋掘り大会の準備です」


 実は明日、ギルド主催の芋堀り大会があるのだ。

 わたしはその準備のために、バケツとスコップを店の奥から見つけてきて、みがいていたのだった。

 掘った芋はもちろん、お店で調理してみんなに振る舞う。

 今からとても楽しみだ。


「まったくもう! ギアってば鈍感ね!」


「こんなに可愛いクーナちゃんは、あたしらだけで堪能しちゃうもんね」


 ルーリーとルージュさんがクスクス笑う。

 わたしのモフモフ具合に気づく人なんて、いつも会うルーリーたちくらいだろう。ギアは毎日会うわけじゃないから、わたしの小さな変化になんて、気づくわけない。


「なんでもないんです」


 わたしはギアに向けて苦笑した。

 けれどギアは、ジーッとわたしを見ていた。


「ギア?」


 しっぽを振ってきょとりとしていると、ギアはふいと目をそらした。


「い、いや、別になんでも……」


「?」


 ギアは何かつぶやいて、喫茶店から出て行ってしまった。

 一体どうしちゃったんだろう?


  ◆


「はふぅ〜」


 その日の夜。

 わたしはモフモフたちと熱いお湯にかっていた。

 シャンプーをした後だったので、とってもいい匂いが浴室に充満している。


「ルルもこれのおかげで、モッフモフになったもんね」


「るぅ」


 ルルはまるで人間みたいに、お風呂を楽しんでいた。

 頭に小さいタオルを乗せて、わたしの膝の上で気持ちよさそうに座っている。

 モコモットたちも洗面器に薄く張った湯の中に、もったりと浸かっていた。

 鳥ってなんかこう、パシャパシャ水浴びするんだと思ってたんだけど、普通に浸かってるんだよね……。

 彼らはダンジョンの精霊なので、普通の動物とは違うのだろう。

 お風呂から上がって髪としっぽを乾かすと、確かに以前より耳としっぽがモッフモフになっているような気がして、嬉しくてしっぽが揺れた。ただボリュームが増えただけじゃなくて、触り心地が良さそうなのだ。さらさらふわふわに見えて、自分でも触り心地が気になる。

 試しに、自分でモフモフしてみた。

 うん、ルルに負けず劣らず、結構モフモフだ。


「ね、ルル、わたしもルルみたいにすごくモフモフになってきたよ」


 鏡を見ながら、耳もブラッシングする。


「そういえば今日のギア、どうしちゃったのかな?」


 何か言いたそうな顔をしていたけど……。

 わたしに何か用事でもあったのだろうか?


「今度会ったら、聞いてみよっか……って、ルル?」


 気づいたら、ルルたちは脱衣所から消えていた。

 脱衣所から出て探してみると、ルルたちはすでに寝室のベッドの上にいた。

 顔を突き合わせて、何やら相談事をしている。

 もしかしたら、明日の芋掘り大会の戦略でも練っているのかもしれない……。


  ◆


「ったく、なんで俺らがこんなことしなくちゃいけねぇんだよ」


「まあまあ。毎年の恒例行事なんですから、そう文句を言わずに」


 大きなスキを肩に乗せたSランク冒険者のキリクさんが、ぶつくさ文句を言っていた。そんな彼をギルドマスターであるシモンが、苦笑しつつなだめている。


 ──翌日、ダンジョンの一階層にて。

 私たちはそれぞれにスコップやバケツを持って、芋畑のうねの間に立っていた。

 ダンジョンは一階層から三階層までが、一部農業に利用されているのだ。

 栄養豊富なダンジョンの土で育った野菜はとっても美味しい。


「それでは、毎年恒例、秋の芋掘り大会を始めまーす!」


 シモンの声に、おー! と冒険者さんたちから歓声が上がった。


「一番大きな芋が掘れた人には、賞品がありますよ〜」


 この芋掘り大会は、秋の収穫時期になると畑の管理人さんがギルドに依頼をかけて、みんなに芋を収穫してもらうという趣旨のものだった。

 一応依頼という体にはなっているんだけど、一番大きな芋を掘った人には賞品なんかもあるし、冒険者さんたちだけじゃなくて、一般の人たちも参加できる。要するに、みんなで楽しく芋掘りをしながら交流を深めましょうというのが、この芋掘り大会の目的のようだった。


「それじゃ、開始でーす」


 シモンのゆるい合図で、一斉にみんなが動き出した。

 散り散りになって、広大な畑で芋を掘る。

 わたしもさっそく、畑の畝のそばに屈んで、スコップで土をいじってみる。

 大きなお芋、掘れるかな?


「いやー、クーナちゃん、なんか最近、さらに可愛くなってない?」


 ルージュさんのパーティメンバーである魔術師のステラさんが、わたしの隣にやってきてそう言った。


「そ、そうですか?」


 土を弄りながら照れたように笑っていると、突然背中にすごい重みを感じる。


「「冬毛モッフモフ〜!」」


「きゃっ!」


 双子の妖精、マイマイとムイムイだった。

 彼女たちもルージュさんやステラさんのパーティメンバーだ。

 いつも突然わたしをモフッてくるので、毎回びっくりしてしまう。


「こーら、芋掘りしてるんだから、邪魔しないの」


 ステラさんが二人を引き剥がす。

 二人はケラケラ笑って、わたしの隣で芋を掘り始めた。


「そっか。クーナちゃん、冬毛になって、さらに毛がモフッとしたのね?」


「は、はい。そうみたいです」


 おお、ステラさんたちも気づいたみたい。


「うんうん、いつも可愛いけど、冬毛なクーナちゃんも可愛いわ!」


 そう言って頭を撫でられる。

 えへへ、照れちゃうなぁ。

 二人でほのぼのしていると、今度はキリクさんがやってきた。


「ほら、クーナ。俺がスキでざっくりすいてやるから、お前がつるをひっぱれ」


「わあ、ありがとうございます!」


「ん?」


 キリクさんはわたしを見て、首をかしげた。


「なんかお前、ちょっと見ないうちにふわっふわになったな」


「えっ! キリクさんも分かりますか?」


「おう。見りゃあ分かるよ。可愛くなっていいじゃん」


 か、可愛くなっていいじゃん……?

 異性に褒められると、流石に顔が赤くなる。

 昔は獣人族の性質が強調されているみたいで嫌だったけど、みんなにこんなに褒められるなら、冬毛になってよかったかも。


「ほら、キリク! デレデレしてないで、さっさとすいて!」


「へいへい」


 ステラさんにせっつかれて、キリクさんは土をスキですいてくれた。あれだけ文句を言っていたのに、割と真面目にやっているのが面白い。

 マイマイとムイムイに背中を引っ張ってもらって、勢いよく芋蔓を引っ張る。


「せぇの!」


 ずるずるずる。


「おおっ!」


 思わず感嘆の声が上がった。

 蔓を引っ張ると、大きな芋がたくさん出てきたのだ。

 これは他にはないくらいの大きさかもしれない。


「すごく大きいです!」


 興奮してみんなに見せると、歓声が上がる。


「「やったー!」」


「今年はクーナが優勝かもな」


「間違いないわね」


 わたしたちは顔を見合わせて、笑いあった。

 芋掘りって、結構楽しいなぁ。


  ◆


「今年もすごく大きな芋が掘れましたね!」


 芋掘り大会終了後。

 表彰台の上にシモンが立って、ニコニコと優勝者を表彰していた。


「それじゃあ優勝おめでとう、モフモフズ!」


「るー!」


「むぴー!」


 元気に鳴き声をあげたのは、ルルたちモフモフチームだった。

 そうなのだ。結局、わたしの芋よりも数倍はありそうな芋をルルたちが持ってきて、負けてしまったのだ。

 一体あんな大きさの芋、どうやって見つけたんだろう……とちょっと不思議。

 残念だったけど、ルルがめちゃくちゃ得意げな顔で、お尻を振って表彰台に登るものだから、なんだか面白くて大笑いしてしまった。


「みんな、おめでとう。君たちにはじゃん! なんと高級スイーツ店の一日食べ放題チケットをプレゼントします!」


「るぅううう!」


「ぴゅりぃいい!」


 ルルたちは狂喜していた。

 そのスイーツ店、ルルたちに全部商品を食べ尽くされちゃいそう……。


「あいつら、食い物のことに関してだけは、天才的な才能発揮するよな」


 スキにもたれながら、キリクさんが呆れたようにそう言った。

 でも、すごく納得の結果だ。ルルたちらしいというか。

 わたしはニコニコと笑って、ルルたちに拍手を送ったのだった。


 そして表彰式が終わった後。

 片付けをしていると、杖騎士団の制服を着た人たちが何人かやってきた。どうやら片付けを手伝ってくれるらしい。


「あ、ギアッ!」


 その中にギアの姿があるのを見つけて、思わずわたしは手を振ってしまった。

 するとギアもわたしに気づいてくれたのか、こちらに近づいてくる。


「ルルたちが優勝したんだってな」


「はい、すっごく大きなお芋でした!」


 そう言うと、ギアはおかしそうに笑った。

 それから、ふとわたしの頭を見て、手を伸ばす。


「クーナ、頭に葉っぱがついてるぞ」


 けれどその手は途中で止まる。

 は、としたように、ギアはわたしを見た。


「?」


 自分で頭に手をやると、確かに葉っぱがあった。

 芋掘りの時に、ついちゃったのかもしれない。


「本当ですね。ありがとうございます」


「あ、ああ……」


 ギアはちらちらとわたしの頭を見て、なんだか動揺していた。

 うーん、ギアってば、昨日からどうしちゃったんだろう?

 そう言えば、わたしのモフモフ度に気づいてないのって、ギアだけかもしれない。ルーリーたちはみんな気づいてたし、キリクさんたちも。

 ううん、別にわたしの変化なんて全然どうでもいいんだけど……。

 いやでも、ギアにもちょっと気づいて欲しかったような……。

 結局、その日はお互いになんだかギクシャクしたまま、芋掘り大会はお開きになったのだった。


  ◆


 焼きたてのスイートポテトを頬張って、わたしはぴょこんと耳を立てた。


「うん! すごく甘くて美味しいです!」


 翌日。

 銀のリボンでは、昨日取れた芋を使ったメニューがたくさん振る舞われていた。

 わたしもルーリーと一緒に、スイートポテトを作った。

 芋をすりつぶし、バターやミルク、砂糖で味付けしてオーブンで焼いたら完成。表面につや出し用の卵黄を塗ったおかげで、スイートポテトはまるで宝石のように輝いている。

 たくさん作ったので、みんなで食べてもまだ余っていた。しばらくは芋生活になりそうだ。


「クーちゃん、せっかくだからこれ、杖騎士団の人たちにも分けてあげたらどうかしら」


 芋掘り大会の片付けも手伝ってもらったしね、とルーリーが言う。

 ルーリーの旦那兼キッチン担当のダンも頷いて、収穫した芋や作った料理をバスケットに詰めてくれた。もちろん、スイートポテトも一緒に詰める。


「それじゃあ、ちょっと行ってきます!」


 バスケットを持って、わたしは杖騎士団の本部へ向かうことにした。

 ギアに会えるのが、ちょっと楽しみだ。


「ギア、スイートポテト好きかなぁ」


 ギルドを出たところで、るんるん気分で前をしっかり見ていなかったせいか、人とぶつかってしまった。


「わっ、ごめんなさい!」


 慌てて頭を下げる。


「いや、いい。大丈夫か、クーナ」


「!」


 顔を上げれば、なんとその人はギアだった。

 彼の愛馬、シューティングスターも一緒だ。


「大荷物だな。どこかへ行く予定だったのか?」


「は、はい。ちょうど杖騎士団の皆さんのところへ行こうと思っていて……」


「杖騎士団に?」


 わたしはコクリと頷いた。


「昨日の芋を調理したので、皆さんでどうかなぁと」


「ああ、なるほど」


「あの、わたしもスイートポテトを作るの、手伝ったんです。とっても美味しく焼けたと思います。お仕事のお供にどうでしょうか……」


 ギアにも食べてもらうのか、と思うと今更ながらちょっと緊張した。甘いもの好きって言ってたから、嫌じゃないと思うけど……。

 不安な気持ちが連鎖したのか、不意に、最近のギアの態度を思い出した。

 なんだかよそよそしいような、不自然なあの感じ。

 もしかしてギア、わたしのこと嫌いになっちゃったのかな……。


「ありがとう。すごく嬉しい。もらってもいいのか?」


 ドキドキしていると、ギアが嬉しそうに笑って言った。


「は、はい! いつもお世話になっているお礼です」


 ……よかった。いつものギアだ。

 わたし、嫌われちゃったのかと思ったけど、違うみたい。

 ……と思っていたら、ギアはわたしの頭を見て、はっとした表情になった。

 またソワソワしてる……。

 わたしはたまらなくなって、ギアに聞いてしまった。


「あの、わたし、ギアに何か悪いことをしてしまったのでしょうか」


「は?」


 そう言うと、ギアはきょとんとした。


「この間から、なんだかギア、ちょっと様子がいつもと違ったので……」


 そう言うとギアはポカンとしたのち、真剣な顔でわたしの肩を掴んだ。


「クーナ」


「ひゃ」


「そうじゃない。違うんだ」


「え、えと……?」


 どうしちゃったんだろう……。

 ギアは項垂れたのち、パッと顔をあげて言った。


「君が、その……以前にも増して、ふわふわしてるから」


「ふわふわ?」


 一瞬、思考が停止する。

 数秒経ってから冬毛のことを言われているのだと分かって、びっくりした。

 ……そっか。ギアも気づいてたんだ。

 そのことにちょっと嬉しくなって、しっぽが揺れた。

 それにしても、どうしてそわそわした態度をとっていたんだろう?


「その、クーナ」


「はい」


「頭を、撫でても……?」


「……頭を?」


「君のその、ふわふわの耳が気になって仕方がなかったんだ」


 そのことを伝えたくて、でも迷惑かと思って、一人で葛藤していた。

 ギアはそう言って、恥ずかしそうに笑った。

 ……なんだ、そんなことだったのか。

 わたしは思わず、脱力してしまった。

 ああよかった、嫌われたわけじゃなかったみたい。

 わたしに変な態度をとっていたのは、この耳を触りたかったからだったんだ。

 ちょっと嬉しかった。

 ギアがまさか、そんなことを考えていたなんて。


「もちろん、どうぞ」


 嬉しくて、撫でやすいように俯くと、ギアはそっと、わたしの耳ごと頭を撫でてくれた。

 しっぽのブンブンが止まらない。

 嬉しい。ギアに触れてもらえて、嬉しい。


「す、すごい……」


 ギアは感動していた。


「クーナの耳は、ふわふわだな」


「はい。冬の毛なんです」


 しっぽを振っていると、ギアはごく自然に笑って言った。


「冬のクーナも可愛い」


 可愛い……?

 冬のクーナも……?

 え、それってどういう……?

 顔が真っ赤になった。

 あ、頭を撫でてもらった上、ギアに可愛いと言われてしまった。

 どうしよう、わたし、今日事故にでもあうのかな……!?

 ギアの方も、はっとしたような顔で、目元を赤くしていた。


「あ、い、いや、今のは……」


「……」


 なぜか二人とも、顔が真っ赤になっている。

 あ、とかう、とか、わたしも変な声しか出なくなって、その場に奇妙な空気が流れた。

 こんなに寒いのに、体は熱い。なんだか変な感じだ。


「あれ? 二人ともこんなところで何やってるの?」


 買い物のために外に出てきたルーリーに声をかけられるまで、わたしたちはお互いをチラチラ見たまま、固まっていた。


「……」


「……」


「しかも顔、真っ赤じゃない!」


 何も反応がないわたしたちに、ルーリーが呆れたようにそう言う。

 ううう、心臓がドキドキして、ほっぺが熱い。

 でも……。


 ──ギアに可愛いと言ってもらえるのなら、冬毛になって本当によかったなぁ。


 なんて、ついそんなことを思った一日なのだった。

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