江藤亮平、びっくりする

俺は江藤亮平。大学卒業して、故郷の佐賀へ戻り県庁に勤めることになった。


しかし、俺の配属することになったところが「エルフがさが県民の願いを叶えます課」というなぜか地下にオフィスをかまえる部署だった。


しかも、なんと!


そこにいたのは、耳がとがった自らを「エルフ」と名乗る巨乳の姉さんとロックな兄さん。


これがこの部署の仲間というわけなのか。


ほかにいるのか?


次はどんなやつがくる?


二度あれば三度ありな可能性もあるし、


三度目の正直の可能性もある。


そして、ロックな兄ちゃんがやってきてから数分後、再び扉が開く。


「ハロハロー」


まず入ってきたのはなぜかウサギ耳の帽子をかぶる少女。どうみても小学生に見える。


「うちはあ。重美だよーん♥️」


「こらこら、初対面の方にはちゃんと挨拶しなさい。大隈重美さん」


その後ろからいかにもまじめそうなメガネ男がいた


「いいじゃーん。堅苦しすぎなのーん。さとちゃんわーー」


重美と呼ばれた少女(にしかみえない)がさとちゃんと呼ばれた黒淵めがねの男を振り替える。


「その呼び名もやめていただけると嬉しいんだすけど。私には副島里臣という立派な名前があります」


うーん。

まじめな黒淵男は執事ってところだろうなあ。それとこのロリっぽい女の子は執事がつかえるおじょーさまって感じじゃねえか?


そう俺が思うのは、ウサギ耳に不釣り合いなフリフリドレスをまとった女性であり、その後ろの男がタキシードなんて着こなしているからにほかならない。


しかし、なんの仮装大会なのだろうかと俺が考えているとまたまた二人ぐらいはいってきやがった。


今度は男女二人。


男はクールを決めつけており、女は異様におろおろしている。


年は俺とかわらないぐらいに見えるなあ。


男は俺よりも身長が低くいなあ。けど、なんか仏頂面で気に食わねえ。



女のほうも小柄。

オドオドしているけれど、かわいらしいアニメのモデルになってそうな女の子だ。



「ほらほら、新人よ。君たちも自己紹介しなさい」


マニュキュア塗りを終えた巨乳姉さんが言った。


「はいい。わっわっわっ……」


「わ?」


「あっあっすすすすすすみませーん」


オドオドしている。



いやいやしすぎだろう?



 落ち着きなさい。


「俺は島義人だ。このオドオドしているのは、佐野常子」


クール男がため息まじりにいう。


「よっよろっよろっよろおおおおおお」


なに?



なにいいたいのかい?



俺は思わず、耳をそば立たせた。



「よろしくおねがいしまーす。よろしくお願いします。よろしくお願いします」


オドオド少女が90度ほど腰を曲げて頭を下げた。そして、頭を上げてまた下げる動作を何度もくり返している。


「あのそんなに頭さげないでくださいよ。頭フラフラしますよ」


本当にやめてくれよ。


選挙運動でもないんだよ。


とまでは突っ込まない。


「はいいいいいい。あら~ら~」


いわんこっちゃない。


あまりに頭を振りすぎて、オドオド少女はよろめき後方へと倒れそうになった。それをクール男が支えた。


「なにやっているんだよ。佐野」


「すみません。すみません。すみません」


  クール男から離れたオドオド少女はまた頭を上下させてはげしくふる。


ここはライブ会場かよ。


バンク系バンドのライブかよ。


俺は心の中て゛ツッコむ、


やがて、またオドオド少女は目を回してしまった。


なんだ?


なんだ?



いったいこの部署はなんなんだああああああ。



よし、落ち着こう。


耳を確認しなければ。


よし、普通……じゃねええええええ



皆尖っているではないかあああああああ



「あのお、。皆さんもエルフなんですか?」


俺は恐る恐る聞いた。


みなが不思議そうに俺を見る。


あれ?


なに?


俺、なにか間違っている?


「そうですけど」


口にしたのは眼鏡男だ。


「えっ? なんで俺以外エルフなんですか?」


「はあ?」


また変な目で見られた。


「はい?」


「なにいっていんだ? 君」


メガネ男が落ちそうになる眼鏡を支えながらいう。


「君も立派なエルフでしょ」


巨乳女が続けた。


「はい?」


 俺は目が点になる。


一瞬、なにを言われているのかわからない。


俺は恐る恐る耳を触る。


あれ?



 なんか変だぞ。


耳が大きいような



「江藤くーん。これ、貸してあげる」


うさぎ耳をかぶった少女が鏡を渡してくれた。


俺は鏡で自分の顔をみる。


すると、俺の顔の両端についている耳が見事に尖っていたのだ。


「なんじゃこりゃああああああああああああ」



俺は思わず叫んでしまったのであった。




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