Eternal talesースピリットシャーマンー

mystery

プロローグ

 此処は異世界。君達は知っているだろか?

 かつて世界に『特別な力』を持つ者達が居た事を。

 そう、知っている訳が無い。なぜならそれが遠い昔に起きた事なのだから。

 二千年前、この世界には『ヘルシャフト』と呼ばれる種族に支配されつつあった。


 勿論、歯向かわなかった訳がない。だがヘルシャフトの力は恐ろしく、恐怖と絶望に怯えた人々は次々降伏していった。だがヘルシャフトの中に『人間』と結ばれる者達が居た。

 それを知ったヘルシャフトはその者達を『堕天』として追放したが、堕天のヘルシャフトと人との間に子供ができたのである。


 『人間とヘルシャフトの子供』、それが世界を救い、ヘルシャフトが恐れる存在となった者達、『スピリットシャーマン』である。

 スピリットシャーマンは五つの種族に分かれている。

 その種族はとは『ナチュラルトレジャー』、『ファイアーファントム』、『アクアシーフ』、『アイスアサシン』、そしてその頂点に立つ『ウィンドウセイジ』の五つである。


 スピリットシャーマン達は命を掛けてヘルシャフトに立ち向かった。

 それを見た者達は命がけでスピリットシャーマン達を守り、そしてヘルシャフトが持っていた五つの礎を使い、ヘルシャフトを封印したのだった。



*****



 そしてスピリットシャーマンは姿を消し、静かに生き続ける筈だったが、二千四百年後に何らかの原因でヘルシャフトの封印が解かれたのだ。

 ヘルシャフトはスピリットシャーマンを襲い、その結果、ウィンドウセイジ、アクアシーフ、アイスアサシンの種族が滅ぼされてしまったのだ。


 だがこのままでは一族が滅びると悟ったウィンドウセイジの長は、カナリア色に輝く『風のいしずえ』と一人の少年を遠い所へと隠したのである。

 それを知ったヘルシャフトは風の礎と少年を探したが、見つかる事はなかった。


 そして六百年が経ったある日、恵の村で暮らす少年『薬師ケイ』とその従姉である少女『未来マリ』は聖なる祠で謎めいた石の箱から見つけた記憶なき少年を見つけ、少年はケイとマリに『黄昏ヨキ』という名を贈られた。

 しかし、その八年後に三人が世界の命運を掛ける事件に巻き込まれてしまう事をまだ誰も、ましてや本人達すら知らなかった。

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