第28話 スターシアは高値で売れるらしいです




「マジでスターシアっすね……」


「アルド、そんなに驚くようなことなのか?」


「驚きますよ。まずスターシアは市場にでまわらない代物ですし、これを食べれば一時的ですが魔力の増幅ができるっす。魔法薬の原料としてもかなり貴重で高価、誰でも欲しいもんっすよ。それがこんなにたくさん……」


「私が美味しく育つように魔法をかけていますから、味も保証付きですよ」


詳しくは祝福ですけど。まあ影響があるのかは謎ですが、育て始めた日からたわわに実り大変おいしく育ちました。


「こちらを売ってもらって良いでしょうか?」


「ええええ、ぜひっていうかよろこんでっす。うっそ……先輩に差し入れしてただけなのにこんなチャンスが巡ってくるなんて……善行は自分のためになるっすね~。

売値は……」


「ルチルに任せた。俺はこういうのはわからんからな」


ルカが笑っています。


「では、売り上げの半分を分け合うというのでも良いでしょうか?」


「はっ!?本気っすか!?多いっすよ!」


「じゃあそれでいいですね」


「そんなにいいんですか!?」


「どうせ私もルカも、あなたが居なければ、この果物を食べて終わりにするだけです。そんなので欲張っても仕方ないでしょう?

もしあなたが多いと思うなら、孤児院と清貧院にご寄附を」


「……はあ。お嬢さん、女神様では?」


女神じゃありません。聖女です。元ですけど。


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