無人島生活

武藤勇城

無人島生活(前半)

無人島生活1日目


衣食住の確保が最優先課題だ

衣は着のみ着のままで良いとしても

食と住は早急に何とかしなければ


うっそうと茂る森中

聞き覚えない動物の声が木霊する

どんな危険があるか分からないが

虎穴に入らずんば虎子を得ずである


結局水も食べ物も発見できず

砂浜に葉を敷き眠る




無人島生活2日目

食べ物と飲み物を見付けなければ餓死する


うっそうと茂る森中

奥深くへと分け入る


ハエか蚊か

耳元を飛び回る音も慣れた

体の水分が枯渇して汗もかかない

空腹で眩暈がする


見知った果実はなく

枯れ木を拾って

日暮れ前に砂浜へ戻る


腹が減った

この虫でも食べてみよう




無人島生活3日目

飢えと渇きに苦しむ


うっそうと茂る森中

食べ物を探すのは難しい


海へと目を移す

きっと魚がいるはず

身一つで潜る


素手で捕えるなんて無理

遠浅の岩場で海藻と貝を発見

採取して陸へ上がる


貝殻を石で割り生食す

虫や木を齧るよりはマシだ

猛烈な睡魔に襲われ深く眠る




無人島生活4日目


乾きに耐えきれず

海水を飲む

焼けつくような喉の痛み

とても飲めない

蒸留する道具もない


日差しが体の水分を奪う

このままでは干乾びる

せめて森の木陰で休もう


空腹は限界を越え

あまり空腹を感じなくなった


夜星空を見上げる

下弦の月に何故か底知れぬ恐怖を感じた




無人島生活5日目


恵みの雨だ!

夜半から激しい雨が降る


雨音に気付いた時

俺は自然と砂浜へ走り出て

空へ向かい大きく口を開けた


首が疲れたので

砂浜に寝転がり

慈雨を堪能


高波が浜へ迫り来るが

恐怖より感謝

その波音さえも嬉しかった


森で拾った葉を広げ

少しでも水を溜めておこう

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