第26話 失言を訂正してお詫びします。
「ちょっとまた、愚痴なんだけれど聞いてくれる?」
「なんだよ、ゆずるは愚痴が多いな。愚痴愚痴男か!」
今日も僕とレイ君はいつものように僕の部屋でくつろいでいた。
「…そのネーミングよ。まあそれは置いておいて。」
「なんだよ、ゆずるは愚痴が多いな。愚っ痴ゆうぞうか!」
ドヤ顔で言い放つレイ君。うざっ
「ネーミングの話題を広げようとすな!」
「ゆずる好きかな〜と思って。」
「大好物です!何ならネーミングだけで1話マルマル出来るマンです!」
「さ、話が進まないから早く進めろや、グズグズ男が!」
自分から振っておいてぶった切るかと思いきや
結局ネーミングを広げる男、異世界人レイ。
やるじゃね〜か、
よし次は僕の番だ!いくぞおおおおおお!
「ぼ〜〜く〜ド〜ラ〜●〜もん。」
「ネーミングっていうか言い方だけだよな、それ。」
「俺は思った。勢いだけで言い放つ男ゆずる、恐ろしい子。」
「ゆずるが勝手にオレのセリフ風ナレーションを入れるな!」
「ちょっと聞いてよドラ●もん」
「まだ続くの?ドラ●もん押し。」
「僕はまじめな人生送ってきたじゃん?高一で中退するんだけれども。」
「家庭の事情だからしょうがなかったしな。」
「中学、高校にも不良っぽい奴がいたんだけれど…」
「うん、どの時代にもいるよな。最近は学校にもよるけどな。」
「中学生の時に隣の席の女の子が可愛くて、好きとまではいかなかったたんだけど気になっていたんだ。」
「ふんふん、ゆずるにもそんな子がいたんだな。」
「ところがその不良がいつもは粗暴でそっけないのに、その子が体調悪い時に荷物を運んぶのを手伝っただけで好きになっちゃたみたいなんだ。」
「ああ、よくある話だな。」
「女子ってチョロ過ぎない!チョロ実チョロ子かよ!」
※あくまで演出上の一個人の意見です。
「ゆずるどした、何急にぶちこんできてるの?」
「だってそうだろ!毎日毎日こっちはまじめに生きてきてるのに、今まで好き勝手やってきて1回、本当にたった1回だけ親切にしただけでコロッといっちゃうんだから…こっちはやってらんねーんだよ!」
「ゆずるの心の叫びが叫び過ぎてるんだ〜口調も変わってるし。やさぐれてる!」
僕の叫びは昔を思い出してさらに加速する。
「こっちだって毎日真面目に生きてく事が嫌になったり自暴自棄になったりする時があるだろうよ!人間だもの。それが、それが本当にたった1回だけ悪い事しただけののに今までの真面目に生きてきた事まで全否定するんだよ。いい人そうに見えて実は…みたいな。やってらんねーんだよ!」
「真面目アピールがすごい…それに認められたい気持ちが強すぎる!」
「ぜーぜーごめん、取り乱しました。」
僕はあまりにも興奮しすぎてズボンを腰下まで下ろしていた。
「大丈夫、大丈夫、ほら魔法の言葉。落ち着いてとりあえずズボン履こう?ね?」
レイにすごく気を使わせてしまったようだ。
申し訳ない!
お詫びにズボンを膝下まで下ろした!
「何で脱ぐんだよ!ズボン履けっていってるだろう!それにブリーフって。ゆずる昨日から仕込んでただろう。」
そうなのだ、普段はボクサーパンツ派なのだが、
いつ脱いでもいいようにと小学生が履くような白いブリーフを用意してきたのだ。
「おま、2ねん3くみ ゆずるってブリーフに書いてあるし!笑わせにきてるし!」
さすがレイ君、そんな細かいクオリティにも気づいてくれる。
君は最高の相棒だぜ!
レイ君がツッコンでくれたのでちょっと気が晴れた。
ズボンを上げた。
取り乱したようだスマン。
「一応ゆずるが言ってた心の叫びを表す言葉があるみたいだぞ。心理学で“期待違反理論”っていうらしい。」
「“期待違反理論”?」
「相手が自分の予測・期待を裏切った行動を起こすと印象に残りやすいっていう事かな。」
「女子チョロすぎるだろ!チョロ松チョロ美かよ!」
※あくまで演出上の一個人の意見です。
「また、急に?情緒不安定かよ。」
いかんいかん、また興奮しすぎてズボンを下ろすところだった。
「じゃあ逆に聞くけど、ゆずるに好きな子がいるとするだろう?でもゆずるを好きな後輩の女の子がぐいぐい来たらどうする?後輩の事好きじゃなくても付き合うか?」
「付き合うよ。」
僕は瞬で答えた。
「瞬答かよ!考えた?」
「もちろん僕の好みにもよるけど、僕の好きな人は僕の事好きじゃないかもしれないじゃん。だけど後輩は僕の事が好きでぐいぐい積極的にアピールしてくれるんでしょう?絶対そのうち好きになっちゃうよね。」
「男子もチョロすぎるだろ!」
※あくまで演出上の一個人の意見ではないかもしれません。
「いや、僕の調べたところでは100人に98人は好きになっちゃうって聞いてます。」
「どこ調べだっつーの。絶対ゆずるの脳内だけだろう。」
「もちろん後輩を断って、自分の好きな子に行く奴もいるとは思うけどそういう奴はだいたいカースト上位の陽キャな奴だけだろ。僕みたいなカースト中・底辺達は好意を持ってくれるだけで奇跡なわけ、分かる?」
「偏見がすごい!」
「確率でいうと無理目の10%女子か自分に好意をもってくれている99%女子、どっちを選ぶか?って事だよ。」
「発想が極端すぎる。」
「それに自分の好きな人とあわよくば付き合えても、うまくいくとは限らない。もちろんうまくいくかもしれないよ。でも後輩と付き合えば正直こっちがマウント上なわけじゃない?気持ち的に楽というか、安心できるマージンがあるよね。」
「結構ゲスい考えだった。」
「あと、ぶっちゃけて言うと容姿7割、性格3割だな。」
「何ぶっちゃけてきてるのこの子!」
「みんな性格があった、考え方同じでっていうけど綺麗事だよ。容姿も必須でしょう?」
「そんな事ないと思うけど…」
「誤解して欲しくないのはキレイとか可愛い、胸が大きいとかの世間一般的な基準じゃなくて、自分基準の容姿の事ね。」
「どゆこと?」
「簡単に言うと自分の好みだよね。タレ目が好きとか、鼻が大きい子が好きとか傲慢な言い方をすると許せる範囲?許容範囲っていうのかな、ストライクゾーンの許容範囲によるよね。だからさっき例でいうといくら後輩がみんなに可愛い子だといわれても自分の好みじゃなかったら断るでしょ?最初好きじゃなくても付き合ってだんだん好きになってきたっていうのも最初っから自分の許容範囲に入ってたからだと思うんだ。」
「めっちゃ語るやん。陽キャな意見じゃないのそれ。」
「そうじゃないとやっぱり、いくら性格が良くても、考え方が一緒で気があったとしてもうまくいかない気がするよ。だって好みじゃないんだもん。我慢してまで付き合ってどうにかなるような事じゃあないと思うけどね。どう?」
「同意を求められても答えづらい意見ではある。しかしそういう考え方もあるんだねぐらいなら賛同できるかな。」
「わかった。僕のこの積年の恨みさえ理解してくれればよし!」
「よっぽど根にもってたんだなゆずる。」
「女子がチョロイって言った事は訂正してお詫びします。
男子もチョロイと思うので、喧嘩両成敗ってことでドローでお願いします。」
「ドローもなにもゆずるの勝手な固定概念だからね。」
「冷静になってきたら、何お前が語ってるんだって恥ずかしくなってきた。」
「確かに今回のゆずるは恥ずかしい奴だったよな。ブリーフも含めて。」
「お詫びにブリーフの舞を踊って訂正してお詫びします。」
「お詫びはしても踊らんでええ!」
今宵もレイ君のナイスツッコミが夜空に響いた。
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