第13話 リバースデイ(笑)
坂東 小春ちゃんは目を覚ました後、父親の虐待に対する記憶を全部消去した。
小春ちゃんのおにいちゃんもレイ君が治療をし、記憶を消した。
父親の坂東敦が行方不明になったという事で親戚・縁者がいない2人は
施設に入ったが、しばらくして里親が現れ引き取られた。
その後2人は引き取られた里親に我が子のように愛情を注がれて
心身ともにすくすくと成長していった。
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「ねえ、レイ君『魂の浄化…リバースデイを実行する時期が近い…か。』って何?」
僕は思い切って聞いてみた。
「は?何の事?」
むむ、レイ君はシラを切るつもりだな。
「言ってたよね?『魂の浄化…リバースデイを実行する時期が近い…か。』って」
僕はあの時のレイ君のように満月を見上げるモノマネをして聞いてみた。
別にディスってはいない。
「…………………………」
レイ君は碇ゲンドウのように机の上で手を組み顔を伏せている。
「それが前に言ってたレイ君が地球に来た目的ってやつかな?」
レイ君の体が小刻みに震えている。顔は伏せて見えないが。
「もちろん、レイ君が言えないなら詮索つもりはないけど…」
「だああああはあははははははははははーひーっひーっダメだ」
レイ君がいきなり顔を上げて大笑してきた。
「ど、どうしたのいきなり。」
「嘘ぴょーーーーん」
「えっ何が?どした?嘘ぴょーーーーんが死後だけど、どした?」
「だから、あのセリフが自体が嘘だって事だ。ひゃあはははは」
まだめっちゃ大笑いしてる。
僕にはドッキリ大成功という看板を持ったレイ君がうっすら見える!
「嘘って…『魂の浄化…リバースデイを実行する時期が近い…か。』ってセリフ?」
「そう嘘。だってゆずるがこの部屋で見てるのしってるんだぜ俺は。」
「わけが分からないよ。じゃあなんの為にそんな思わせぶりなセリフ言ったの?」
僕の頭が混乱してきた。
だんだんドッキリ大成功という看板を持ったレイ君がクッキリ見えだした!
「何か思わせぶりなセリフを言ったら、ゆずる引っかかるかなと思って、ただの悪ふざけ。」
「本当にただの悪ふざけなの?」
ますます混乱してきた。僕を引っ掛けるためだけに?
「本当はあの時3案ぐらいあったんだけど聞いてくれる?ゆずる」
レイ君は立ち上がって、あの時のように月を見上げるように上を向いた。
「1案目=魂の浄化…ケムチャヤムチャを早める時期が近い…か。ちょっと何言ってるかわかんない単語入れ過ぎるとバレるかと思って没にしたわ。ヤムチャって言ってるしな。」
確かにケムチャヤムチャっ響きが嘘くさいな。あとかっこ悪いし。
「2案目は、玉玉の洗濯場…モゲルモゲレスを責めるべき…か。これはちょっと攻めすぎかなって。いくらゆずるでも気付いちゃうかなと思って結局中二病な案に決定しました。」
たしかに玉玉って言った時点で「ん?タマタマって言った」ってなってその後全然頭に入ってこないもんな。中二病の案で正解だわ。
「というわけで、見事引っかかってくれてありがとう、ゆずる。さすがだわ〜笑のツボを知ってるね。」
「どちくしょ〜〜〜〜〜」
僕はレイ君に右ストレートを放った。
ひょいと避けられた。ひょいと。
「避けるなよ。一発殴らせろ!」
嫌だね〜とレイ君は狭い事務所を逃げ回った。
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そんな茶番が終わって一息ついた僕たちはソファーにすわって紅茶を嗜んだ。
「ゆずるは、オレが怖くなかったのか?」
それは坂東敦を残忍な方法でいたぶった事を言っているのであろう。
確かに僕は最初から最後まで映像で見ていた。
レイ君に質問されて改めてあの時の事を思い返す。
「確かに地球の倫理に照らし合わせるなら、間違いなく残忍な方法の部類にはいるだろうね。」
レイ君は黙って僕の話を聞いてくれる。
「だけど正直僕は今の今まで残忍だって思わなかった。むしろスカッとしたね。もちろん当事者ではないから、どこか他人事のように感じていたというのもあるだろうけれどね。」
レイ君は一口紅茶をすする。
「僕もレイ君と一緒に過ごすうちに知らず知らずのうちに影響されてきているのかもね」
その後は特にたわいもない会話をして店を閉めた。
長い1日が終わり、今日は早めに就寝した。
夢も見ずに朝までぐっすり寝れた。
………………………
………………………
特にオチなどはない。
毎回落とすと思うなよ!
それじゃあまた次回、ケムチャヤムチャ!
ちなみに異世界語で「ヤムチャ栽培マンに敗北!」っていう意味らしい。
どんな場面で使うねん!
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