Grano-La~明けの明星~
うましか
***
桜の咲く日が、やっと来ました。
貴方が私の前からいなくなったあの夏の終わりから、どんなにこの日を待ちわびた事でしょうか?
確信があるとか、そんな訳じゃないけど、何故か桜が咲く頃になればまた貴方に会えるだろうと勝手な期待をしていました。…でも、本当にそんな気がしているのです。
貴方に降りかかった辛い思い出が、今はどこまで流れ落ちているかも分かりませんが、それでも貴方は強く生きているのでしょう。自由で、それで誰よりも優しくて…。本当は傷つきやすくて、強がりだからそんな事も言えなくて、そんな貴方だからこそあんなに辛い出来事とも戦い抜く事ができたのだと思います。
もしかしたら、そんな気持ちを大切な人にだけは言えるようにはなっているかもしれません。だから今も戦っているのだとしても、私は少しだって心配なんかしていませんよ。
戦っているのかも、休んでいるのかも、それとも今を楽しんでいるのかも分からないですが、"自由"である事だけは何となく私にも分かります。
だから、これだけは言わせてください。
ようやく手にする事ができた貴方の"自由"を、どうか手放さないで…。
手放さなくても生きていく事のできる、そんな居場所が必ずあるから。
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