第拾弐話

私の職場の二階には、備品や在庫を置くための倉庫がある。

そこには、男性の幽霊が出るという噂がある。

見えるものしか信じない私は、その噂を信じていない。


ある日、在庫を整理するのに二階に上がると、人の気配がした。

すでに誰かいるのかと思い、声を掛けるが応答はない。

気のせいかと在庫の整理を始める。

すると、階段を上がる足音がした。

誰か来たのかとダンボールの陰から顔を出す。

……誰も来ない。

首を傾げながら業務に戻ると、足音が近づいてきて……。

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