第6話 Aパート

第6話

Aパート

配信後すぐに寧音子からビデオチャットの着信が入る。


「コーちゃん、配信お疲れさま。すっごく楽しかったよ! それに、なんかちょっと、かっこよかった…… かな?」

「なっ……!? もしかして、全部、見てたの?」

「え? うん、見るって言ったよね」

「あぁ、しまったー! すっかりお前の存在を忘れてたよ」

「あのジュース、不味そうだったねぇ」

「そうそう。ホントに、この世のものとは思えないくらい不味いの! 一番不味い奴だって言ってたけど、あれほどとは思わなかったよ」

「今日来てた子、柊さんが届けてくれたやつだよね?」

「えっ? なんで…… あっ!?」

「あはは、コーちゃんが隠してても声でわかるよ。あの子が詠永ねいじゅちゃんなんでしょ?」

「あー、この事は絶対内緒にっ!」

「うん、絶対言わないよ。それにしても、あのコーちゃんがアニメとかゲーム以外のことでこんなに真剣になるなんて、思ってなかったなぁ」

「そっ、それは、ねいじゅちゃんがたまたま柊さんだっただけで……」

「ふふ、はい、この話はここまで。発声練習はじめようか」

「……ねね、ありがとう」

「わわっ、なにっ!? 急にそんなコーちゃんらしくないこと言われるとびっくりしちゃうよ。ま、まずはストレッチからね」


それから1時間ほど発声練習をしたあと寧音子にあるお願いをして(ここで内容は明かさない)ビデオチャットを終え、外郎売の練習をしながら明日の配信の企画をしてサムネ作りをしはじめる。


5日目1枠目

外郎売の練習成果を披露。何度もノニジュースを飲みながらも30分かけて完走。労いの言葉と共に「ヲタトークを高速詠唱している時のお前はその程度じゃないだろ?」などと煽られリベンジを誓い、次枠の企画(オーディションでの自分の状況などの雑談)の宣伝をして配信を終える。

(+5フォロワー、+4250ポイント)

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