第5話 Bパート

Bパート


4日目2枠目

挨拶の後『ド新人バ美肉限ヲタライバー、高速詠唱で外郎を売る! ノニもあるよ!?』の企画説明。例のリスナーにも機材が変わったことや配信への思いを語る。

企画を開始し、外郎売を朗読する前にノニジュースを出して準備をする。


「なんか、ラベルからしてヤバいオーラが出てるんだけど…… ちょっと匂いだけ嗅いでみようかな? フタを開けて…… んんっ!?」


「……」


しばらくBGMだけが流れ、草コメや「どうした?」「事故か?」などのコメがつく。


「はぁはぁはぁはぁはぁ…… 無理っ! 無理無理無理無理無理無理…… 絶っ対無理! これっ! 人が飲むものじゃないよっ!?」


リアクションに草コメント多数。


「えぇ…… ホントにこの企画やるの……?  また今度、しっかり練習してからでも良いんじゃないかな?」


うだうだと渋りつつ、「あと3日しかねーよ」「お前ならできる」等面白がって後押しするコメントに乗せられて企画をはじめる。


「そうだよ。噛まなかったら飲まなくて済むんだよ。良く考えたら高速詠唱で鍛えられた僕が噛むはずないよね。リスナーさんには申し訳ないけど、噛まずに一発クリアして企画終了。多分面白いところないけどごめんねー」


『フラグかな』

『良いからさっさと始めてwwww』

『これはダメなやつ』

『微妙に腹立つなw』


「はぁ…… それじゃ、いくよ!」

「せっしゃ、おやかったっ……」


『はやっ!』

『最速記録じゃね?』

『フラグ回収早いなー』

『即落ち2コマwwww』

『約束された噛み回』


「ぇぇ……」


『wwww』

『なんか言えwww』


「……嘘でしょ? なんか、自分でも『えっ、こんなところで噛むの?』って、いや、噛んではいないんだけど。今の練習だからノーカンね。ノーカン」


『待て待てwww』

『無理ありすぎwwww』

『ノニから逃げるな』

『逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ……』


「はい、じゃあ本番いくよ。せっ、しゃ、お、や、か、た、と、も、う、す、は……」


『ちゃんとやれwwww』

『いつもの高速詠唱はどこいったんだよ』

『往生際が悪くて草』

『食レポに期待』


コメントに促されて渋りながらうだうだ言いつつノニジュースをカップに注いで、匂いを嗅いで「うっ……」と声を漏らし草コメ多数。


「それじゃあ…… 飲みますっ!」


――ごくっ


「んんっ! ああああああああああ! まっず! ああーっ! これっ……! おふっ! ダメな奴っ! ちょ、ちょっとタンマっ!」


しばらくBGMだけが流れる


「はぁはぁはぁはぁはぁ…… まずくて苦くて酸っぱくて…… くっさ! なにこれ!?」


『wwwwwwwwwwww』

『wwwwww』

『良いリアクションだwwwww』

『大草原不可避wwww』


その後すぐに噛んではノニジュースを飲んで悶絶する状況が続き、少しづつ読めるようになっていく。


「んぐ、んぐ…… あー、まず! はいっ、もう一回最初からね」


『ノニに慣れてきた?』


「慣れるっていうか、なんかもう、虚無だよ。味とか『なんでこんなの飲んでるんだろう』とか考えちゃダメ」


『修行僧かよww』


「拙者親方と申すは、お立ち会いのうちにご存じの方もござりましょうが、お江戸を発って二十里上方、相州小田原一色町をお過ぎなされて、青物町を登りへお出でなさるれば、欄干橋虎屋藤右衛門、只今は剃髪致して園斎と名乗りまする。元朝からおおつもごっ…… 大晦日まで――」


『噛んだな』

『デデーン! ツクモ、アウトー!』


「えー、いいとこまでいったのに……」


『いいとこ(最序盤)』

『こんな状態で最後まで行けるの?』


「確かに…… うーん、どうしようかな。そうだ、段落ごとに噛まずに読めたら、その続きからリスポーンして始めるようにするのはどうかな?」


『このままじゃ終わらないし、それで良いんじゃない?』


「よし、じゃあそれでいこう。つぎ『元朝から〜』からね。はい。元朝から大晦日まで……」


『待てw』

『ん?』

『ノニは?』

『ごまかしたwww』


「ちっ、バレたか……」


そして終了の時間が近づき、締めに入る。


「あー、うっぷ、なんか、胃がノニで満たされてる気分。結局『外郎売』も半分も読めてないし…… でも、まぁみんな楽しんでくれたから良いか。これは宿題にして、毎回1枠目で練習成果を披露することにしようかな。これからもこんな感じで配信していきますので、楽しんでいただけたならポイントを、初見の方もフォローしてくださいますと嬉しいです! それでは、おつくもー!」


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