第3話 Bパート
Bパート
登校して真っ先に海姫に体調を心配されるが、よく眠れて体調もメンタルも好調だと答える紅葉。海姫のコミュ力がどこから来るのかが気になり、しばらく会話する。
「お互いを知れば仲良くなれるのに、知らないままでいるのはもったいない」「まずは自分から一歩近づくこと」「相手の好きを知って自分の好きを伝える」
それを聞いて雪乃がコーヨーが自分であることを知っていたことに気づき、ねいじゅが主要なリスナーの性格や趣味をよく把握していることを思い出す。
「よくわかんないけどコーヨーくん、この間一緒に帰ったときより良い顔してるね。なんか、キラキラしてる。あー、もしかして、雪乃ちゃんと何かあった? このこのー」
「なっ…… なにもないよっ! それより、ありがとう。陽夏さん!」
「おー、良いってことよ。それじゃ今度なんかおごってねん。あと、ミキで良いよ。友達でしょ?」
授業が終わり急いで家に帰って早速昨日登録してくれたリスナーのSNSをチェックする紅葉。
何人かのリスナーさんと好きなアニメや推しが被ってることを知って今日はその話題を話そうと決めてサムネを作りはじめる。
配信直前、自己紹介の練習をして「よし!」とこぶしを握り、配信開始ボタンを押す。
3日目1枠目
昨日来たリスナーの一人ひとりに挨拶をしてから淀みなく自己紹介を終えて、リスナーと趣味の合うアニメの話を始める。ヲタトークに没頭する紅葉に「早口で何言ってるかわかんねーよwww」と呆れつつその熱意に親近感が湧くリスナーと会話が弾み、数人のフォロワーを増やす。
(+7フォロワー、+2200ポイント)
枠の合間に他の参加者の配信を見てまわり、ランキングトップの人(#22にーにゃ)の配信に心を奪われ、その人に憧れを抱いて少しでも追いつきたいと思うようになる。
3日目2枠目
雑談から入り例のリスナー含む十数名のリスナーが集まり配信を開始、形だけは整ってきたことを誉められる。
「自分の好きを伝えたい。みんなの好きを知りたい」をテーマにヲタトーク。「それな」「わかる」「ホントにそう」「あるある」など、リスナーと紅葉がお互いに言い合い、共感できる内容で盛り上がる。
終わり際、#22の配信を見て憧れを持ったことを話すと、滑舌や早口言葉、発声練習をしてはどうかと提案され、配信を終える。
(+12フォロワー、+3500ポイント)
配信終了後、「とは言ったものの…」とため息混じりに呟き、雪乃がボイストレーニングに通っていたことを思い出し、歌とピアノで私立中高一貫校の音楽科に進学した幼馴染みの春咲寧音子に相談しようと思い立ち、LINEを送る。
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