第2話 Bパート

Bパート(魂オーデの説明と準備、初配信)


オーデの設定

・配信サイト「ライバーズユートピアInバーチャルワールド(L.U.V)」で開催される小規模Ⅴプロダクションの新メンバー「猫被(ねこかぶり)でゅお」魂オーディション

・参加者数約50人(アクティブ40人、バ美肉勢5人くらい)

・時間・枠無制限(紅葉は平日は18:00〜18:30、21:00〜22:00の2枠配信する)

・リスナーには1時間毎に500ポイントの無料ギフトが配布され、好きなライバーに自由に送ることができる。(課金ギフトは1ポイント=1円)

・予選1週間(月曜~日曜)ポイント上位20名が本選進出

・決勝1週間(各月曜~日曜)ポイント上位5名が最終審査進出



1日目1枠目(18:00~18:30)

プロフィールもサムネ画像も話す内容も何も用意していなかったコーヨーの配信を聴きに来る人は少なく、たまに覗きに来る人も紅葉の声を聴いてすぐにブラウザバックしてしまい、結局1つのコメントも貰うことなく初配信の30分を終える。

(+0フォロワー、+0ポイント)


早くも心が折れて雪乃に泣きのLINEをするも冷たくあしらわれ、とりあえず他の参加者の配信を見るように言われてその通りにし、あまりにもレベルが違うことを痛感しそのまま21時の配信を迎える。


1日目2枠目(21:00〜22:00)

初配信と同じように30分が経過したとき、あるリスナーが聴きに来て上から目線でコメントをしだす。


『配信してるの?』

「あっ……! こんばんは、いっ、いらっしゃい!」

『む、その声はバ美肉勢かー サムネはデフォルトのままだし、プロフィールにも何も書いてないから気になって来て損したわ』

「そんなこと言わないで、ちゃんとするからっ! えーと、初めまして、『猫被でゅお』魂オーディションのエントリーナンバー99番の…… あれ、名前……?」

『wwwww 最初の最初からちゃんとできてなくて草。配信は初めて?』

「えーと…… はい、じつは……」

『そっかー まぁ、バ美肉勢が通ることなんて万が一にもないから気楽にやれよ』

「うっ…… そんな身も蓋もない……」

『とはいえ、何もせずに降りたり無気力に配信するのも必死でチャンスをつかもうとしてる参加者に失礼だから最低限はちゃんとした方がいいな』

「最低限……?」

『まずは名前を決めるところからだな、参加者は全員猫被でゅおの魂候補でエントリーナンバーの数字しかないから、個人名をつけるんだ。じゃないと自己紹介できんだろ』

「ああ、なるほど。そう言えば他のみんな自分の名前もってた!」

『いまさらww 自分のエントリーナンバーから名前を決めるのが定番だな。99番だからブービーで良いんじゃね? ぴったりだぞ』

「えー、ブービーはやだなぁ」

『じゃあ自分で考えろ』

「99、きゅうじゅうきゅう、九十九…… 九十九だから…… ツクモ! そうだ、ツクモにしよう! どうかな!?」

『ふーん、まぁ、良いんじゃない? 次は自己紹介とプロフィールな。あとは配信用のサムネは作っとけよ。それから志望動機とか通ったらやりたいことも聞かれる前に言えるように考えとくことだな』

「ええ…… そんなに?」

『本気で受けてる人は全員初配信の前に準備してるんだよなぁ 君も、まさかおふざけで受けたわけじゃないだろ?』

「うっ、うん…… そうだけど……」

『それじゃ、明日までの宿題な。今日は初配信お疲れさま。そろそろ終わる時間だぞ』

「ああっ! ホントだ!」

『あー、ポイント余りそうだから500ポイントやるよ。またな、ブービーくん、じゃなかった。ツクモ』

「あっ、ありがとう! それじゃ、この辺で締めたいと思いますっ!」


(+3フォロワー、+500ポイント)


配信終了ボタンを押して脱力する紅葉。

助けを求めるようにねいじゅのライブ配信を見て自分の配信の至らなさを痛感し涙を流す。

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