第99話
時は少々さかのぼる。
シエスタは宿屋でエルフの精兵に囲まれ、専用の馬車でエルフ国へと向かっていた。
眠りにいざなう魔法をかけられてそれが解かれるとシエスタはゆっくりと目を覚ます。
「お目覚めですか」
エメラルドに近い鉱石でできた緑色の甲冑を着こんだエルフの騎士が心配そうにおずおずと話しかける。
「なによ……またなの?」
「はい、たびたび申し訳ありません」
「別に今更文句は言わないけど、いきなり睡眠魔法をかけることだけはいい加減やめてくれない?」
「申し訳ありません、規則でして」
「まったく」
融通の利かないエルフの騎士に溜息を一つ漏らして周囲を伺う。
「それで、今度はどこと戦争する……ってまぁ人間国にいた私を保護するというこはそういうことなのよね」
「はい、前に戦ったローガという人物が一枚かんでいるようでして、その情報をあなた様にも話していただけるかと」
「いいわ、でも何か食べ物を持ってきてちょうだい、別に簡単なもので構わないから」
「すぐにお持ちします」
そういって簡単な食事をとったあと、馬車の中で騎士に護衛されたシエスタはエルフ国の軍事本部で会議に参加する。
参加し終えて、彼女はシャワーを浴びる。
上半身の服を脱ぎ捨てた彼女の背中にはある赤い紋章が刻印されている。
それは紛れもない王家の証だった。
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