不死鳥と竜の旋風
@glide
第1話 レジェンド・オブ・ザナドゥ
異世界…… それはこの次元とは異なる世界。ある者はその領域をマルチバースすなわちもう一つの宇宙と呼び脅威を監視し、ある者はその世界に旅立ち、文化を吸収、交流するものもいた。そして異世界にやってくる人物にはもう一つ王道な道がある。
異世界転生
現世で死んだ者が選択できる天国と地獄に続くもう一つの道。これはとある異世界に迷い込んだ二人の青年の光と陰の物語。
ある国が二つに分かれた。突如として現れた魔王と名乗る人物と魔王の圧政に苦しむ反乱軍に。魔王は悪名高い自らの四体の配下を世界中に解き放ち反乱軍は壊滅に追い込まれた。反乱軍は総司令本部ファルべの放棄と総司令官の犠牲で離散。指揮は娘のアミヤに託されたが残党狩りに遭遇し帝国軍に捕らえられてしまった。しかしアミヤは一つの希望をそこに置いていった。それを扱う者が伝説の救世主であると信じて。
森の中を一人の青年が必死に走っていた。ランニングやマラソンなんかの走りではなく命の危険を感じて走っていたのだ。それを追っていたのが黒い馬に乗った黒い騎士が四人。人の脚と馬の脚が戦えば到底人間が勝てる筈もなくすぐに追いつかれてしまった。先を失った青年の周りは黒騎士に囲まれた。
「貴様!反乱軍だな!」
「ま、待ってくれ!話を聞いてくれ!俺は反乱軍じゃない!そもそもここがどこかも……」
黒騎士の一人が問答無用で少年を斬りつけてきた。少年の言っていることに嘘はない。反乱軍ではないし、この地だって見たことない場所である。少年が目を瞑った瞬間黒騎士の目の前が煙で覆われると黙々と大きくなり黒騎士達の周囲が煙で見えなくなった。
「煙玉か!」
「背中合わせだ!周囲を警戒しろ!」
黒騎士達が周囲を警戒して数秒経つと目の前にいたはずの少年が消えていた。
「どこに消えた!?」
「まだ遠くには逃げてない筈だ!探せ!」
黒騎士達は馬に跨り消えた少年を探しに走り出した。人の気配が無くなると少年を担いだ人物が近くにあった木か降りて少年を下ろした。
「あ、ありがとうございます」
「礼はいい。あなたここで何してるの?」
相手は忍び装束を着た少女。少年は自分と同じくらいの体格の相手に担がれていたことに気を取られて応えるのを忘れていた。
「聞いてる?」
少女が呆気に取られていた少年の顔を覗き込むように近づいた。その瞬間少年の目に映ったのは見事に隠しきれていない双丘。平坦ではないがかと言って富士山並の大きさではない。しかし少女が動くと双丘も揺れる。双丘のお陰で少年は我に帰り質問を返した。
「え、あ、その……自分でもよくわからなくて……自転車を走らせてたらいきなり車が道を外れて……気がつけばここに……」
「クルマ……?ジテンシャ……?悪いけど何を言っているのか分からない。名前は?」
「シュン。諸星(もろぼし)駿(しゅん)……です」
「シュンね。私はアヤ。ここがどこかわかる?」
少年は静かに首を横に振った。
「そう。さぁ立って。出口まで案内するわ」
シュンは差し出されたアヤの僅かに小さな手をとって立ち上がった。
「あの……アヤさん。さっきの人たちは何なんですか?」
「アヤでいいよ。さっきのは魔王ゼロの粛清部隊。ライダー隊なんて呼ばれてるわ。あなた一般人?旅行者みたいだけど。さっきのクルマとか聞いたことないし、どこの国から来たの?」
「えーっと、日本」
「ニホンなんていう国聞いたことないわ。あ、そろそろ出るわよ」
森を出て広がっていた景色に少年は目を見開いた。目の前に広がる草原、遠くに見えるのは見たことないくらい大きな滝、その下に川が流れ、色々な生物がその水を飲んでいる自然豊かという言葉に合っている景色だった。
「あの丘の向こうに私の拠点があるの。この辺りに魔王軍は来ない筈だからゆっくり行きましょ」
アヤが三メートルはありそうな段差を飛び降りて地に着いた。しかしそんな高さを降りたことがないシュンの脚は震えていた。
「大丈夫。地面は柔らかいから降りても平気よ」
運動に不慣れなシュンには難しい話だった。五十メートル走も九秒台、マラソン大会も常に最下位ではないもののケツから二番目というお世辞にも運動が得意ではなかった。しかし会ったばかりではあるがアヤの言葉を信じて飛び降りた。
「いっつー!」
着地する瞬間足の底が一瞬ではあるが痛みが広がった。
「うん、ナイス着地。行こ」
幸いにも痛みはすぐに治りすぐに歩けた。
「えーっと……アヤ。さっきの黒い騎士達は俺のことを反乱軍って言ってたんだけどどこかと戦争でもしてるのか?」
「何も知らないようだから教えてあげるわ。今私とあなたがいるのは竜国。隣にある国が不死鳥国。そしてその間にある国が魔王が治める国。魔王の名前から取ってゼロ国なんて呼ばれてる。ある日現れた魔王によって元々一つだった。けど、ある日魔王軍が現れて一週間もしないうちに元々一つだった国が分たれた。両国は協力して反乱軍を組織したけど破竹の勢いで魔王軍は勢力を拡大して、つい最近反乱軍トップが死んでその娘までも囚われてしまった。今は小さな街や集落で活動するのがやっとになってしまったの。これがこの世界よ。わかった?」
「う、うん。わかった」
シュンの脳内はあることでいっぱいだった。
ーー俺……異世界転生しちまった……
「私たちが目指してるのは反乱軍総本部のファルべが陥落するまで二番目に大きい本部のストペル。とりあえずあなたを保護してこれからどうするか新リーダーに決めてもらう。大丈夫?」
シュンの頭は異世界転生は受け入れたものの日本とは別のベクトルで死と隣り合わせの世界に来たことに戸惑っていた。知らない世界に来た途端殺されかけ、無事に日本に戻れるか分からなくなっていた。いわゆるホームシックである。自然と手が震えていたのをアヤはそっと手に取って落ち着かせた。
「会ってばかりでこんなことを言うのもなんだけど、安心して。街に着くまでは私が全力で守るから」
会ったばかりのはずなのに何故ここまでしてくれるのかがシュンにはわからなかった。所詮は赤の他人。その他人に手を伸ばして自分が助かるわけでもない。あくまで他人が助かるだけの行為をするのかが不明だった。
「アヤはなんでそんなに優しくしてくれるんだ……?」
「うーん……自分がそうしたいからかな。誰かの役に立つってことは私にとってそれが気持ちのいいことだから」
シュンはこれまで会ってきた人間の中で初対面にも関わらずここまで優しい人間を初めて知った。自分とは全く真反対の自分を顧みない性格の人間だった。
「それじゃあしゅっぱーつ!ゴーゴー!」
アヤはシュンの手を引いて歩き始めた。シュンの周りには日本では絶対に見たことのない生物ばかり。何もなければ草原で一日中過ごしていても良いと思っていた。
歩いて数十分特に襲撃されることなく反乱軍第二本部ストペルに着いた。家屋やさまざまな出店、そして人で溢れかえっており賑やかな街であった。
「大きな街だなぁ……」
「この辺りじゃあこれでも小さいくらいだけどね。ひとまず本部に行こ」
アヤとシュンがやってきたのは街の中央にある大衆酒場。西部劇によく見かける内装でありテーブルが数台、そしてその椅子に座って酒を飲んだりポーカーやスピードをやっているのは皆屈強な男ばかりだった。
「合言葉」
「ケボ。イャジレダ。レドンオ」
酒場の店主らしき人物に意味不明な言葉を言うと酒場の地下に通じる隠し扉が開いた。その階段を一番下まで降りていき扉を開くと高級ホテルのフロントのように広い一室に出た。そこには服装がばらばらで且つ貧相な人物が大勢何かを話し合っていた。その中から一人の女性が近づいてきた。年ははるかに二人より上である。
「アヤちゃん。おかえり。どうやった?」
「特に異常は無かったわ。奴らまだあの森を陥す気は無いみたい」
「そら良かったわ。で、このボンは誰や?」
ーー関西弁だ。
「シュンよ。森でライダーに追い回されてたところを助けたの。ちょっと訳ありみたい」
「シュンくんか。ワシはミシって言うもんやねん。変わった話し方やけどよろしくな。で、このボンはどないするんや?」
「ボスはいる?シュンについて話がしたいのだけど」
「あいにく留守や。不死鳥国の人たちに会いに行ってる。二、三日は戻らんやろ」
「そう……とりあえず今は我々で保護ってことに出来る?」
「しゃーないな。アヤちゃんの頼みやったら断れへんからなぁ」
「ありがとう。じゃあシュン。私着替えてくるからミシさんと一緒にいてくれる?」
「わかった」
あいも変わらずざわざわしてる空間にいる二人。
「よし、保護するってことになったけどいつまでここにいるかわからへんから一応ここの施設について教えたるさかいついてき。まずここは作戦司令所。集会とか会議とかある時は大抵ここに人がおる。まぁここから人がいない光景なんて見たことないけどな」
「いつもこんな感じなんですか?」
「今は普段より一層ピリピリしてるんや。前の司令官の娘が連れ去られたからどこの拠点に囚われてるんやーって躍起になってるんや」
武器庫
「ここは武器庫や。言うても武器庫兼整備室みたいなもんやけどな。色んな街から援助受けてるさかい武器には困ってへん。ボンも護身用にドス一本貰ってくか?」
突然ドスなんていう一般人の使ってる言葉とは程遠い単語を出してきたせいでシュンは意味がわからなくなってきた。
「ド、ドス?」
「あぁそうやった。ドスっていうのはいわゆるナイフのことや」
「え、遠慮しとく」
「そか。なぁルイス。なんか良い武器ないんか?」
ミシは部屋の奥で作業をしていたルイスと呼ばれる屈強な男に近づいた。ルイスの見た目はめちゃくちゃ不機嫌そうであり近寄り難い目つきをしていた。
「お嬢様が連れ去られたエリアから剣を何本か回収した。どれもなまくらだが無いよりはマシだろう」
「そか。おおきに」
「そこの坊主は?」
ルイスは持っていたハンマーをシュンに向けた。
「この子はシュンって言うんや。さっきアヤちゃんが森で保護したって言うて連れてきた」
ルイスは立ち上がると奥の部屋に消えた。数分した後にサバイバルナイフのような物を持って現れた。
「坊主。こいつを持ってろ」
「い、良いですよ。そもそもこんな大きなナイフ握ったことないし」
「つべこべ言うな。こいつがあれば大抵の獣を仕留められる。身を守るために必要なものだ」
かなりランボーな言い方だった。普通の人間はナイフで猪や熊など人間に害をなす獣を仕留めようとは思わないし何よりナイフを握ったことのないど素人のシュンには無茶な話であった。
「もらっとき。ルイスのナイフやったら切れ味は保証書付きや」
二人に念を押されてシュンは渋々ナイフを受け取った。
「ほな次行こか」
テルがいろいろな部屋を案内した後
「ボン。勝手やけど君の寝床を用意させてもらった。当分この場所で寝泊まりしてくれるか?」
ミシはメモ用紙にシュンの宿屋の住所を書いて渡した。シュンはそれを申しわけなさそうに受け取った。
「すみません、どうも」
「そんな堅い態度は無しや。ここにおったらみんな同じく対等な立場やからな」
宿屋
ーーここであってるよな。
シュンが住所の場所に到着した。というか空はすっかり夕方になっていた。というのもメモを渡されたは良かったが書かれていた文字が読めず聞き込みをしながら向かっていたからだ。当然宿屋になんて書いてあるかも読めない。
「こんにちわー」
中に入り適当に挨拶。受付と思われるカウンターに向かった。対応してくれたのは腰を曲げ、杖を持って歩いているマスター・ヨーダのような老婆だった。
「いらっしゃい」
シュンはまずミシに言われていたことをそのまま老婆に伝えた。
「ミシちゃんの友人か。それだったらゆっくりしてってください。部屋は二階に上がって右の五号室だよ」
二階を右に曲がって五番目の部屋に着いた。老婆は宿主で事前にシュンがやってくるとテルから聞いていたためすぐにわかったようだ。とりあえずシュンは渡された鍵で五号室の鍵を開けると広い部屋と先客がいた。半裸で。
「「うわぁっ!!」」
半裸でいたのはアヤ。あられもない姿でシュンと遭遇してしまった。一方シュンは初めて見た同年代の女子の刺激が強い姿を見て咄嗟にドアを閉めた。互いにそれぞれの意味で顔が赤くなっていた。
「ご、ごめん!部屋間違えた!」
数分後
何度宿の中をぐるぐる回っても地図を見てもさっきシュンが入った部屋は間違いなく五号室だった。シュンは覚悟を決めて再び五号室にやってくるとノックをした。
「は、入ってもいい?」
ドアの向こうから鍵の開く音がしたので中に入った。
「えーっとその……ごめん」
「もしかして……ここの部屋って言われた?」
「うん」
「はぁ……きっとミシね。帰ってきたらベッドが増えてるわ、おばあちゃんがどこかウキウキしてたし」
「ミシからこれ預かってきた」
シュンはミシから住所と同じく貰った手紙を渡した。
ーーアヤちゃんへ。ボンが滞在する間だけその宿で君と同室にしておいた。年も近いしすぐに慣れる。じゃあとはよろしこ。
「要するに私はあなたの護衛役」
「そう……じゃあ、またよろしく。もうちょっと色々聞きたいんだが」
「何について?」
「反乱軍って……」
シュンが聞こうとした時外で大きな爆発が起きた。アヤが急いで窓から外を見ると入ってきた入り口から煙が上がっていた。
「敵襲よ!シュンはここにいて、私は様子見てくる」
アヤはそのまま窓を飛び降りて現場に向かった。入り口から無数の魔物が入り込んでおり完全な奇襲を食らった。
「ミシ!状況は?」
「あまり良くないな。別働隊が地下の逃げ道でたった今避難を始めたところや。それまで私らが殿をするっちゅうわけや」
「なるほど。いつも通りっていうわけね」
「ボンはどないしたんや?」
「後ろに宿。万が一はおばあちゃんが避難させてくれるはず」
アヤとミシの正面から魔王軍の突撃兵アングリフズが名前に恥じず突撃してきた。すると一定距離になるとアングリフ一体一体が細切れになって倒れていった。
「いつ見てもエグいな」
「これが精一杯よ」
その正体はアヤの仕掛けた目に見えないくらい細く強力な糸。家の間に無数に仕掛けられており道を突撃しか知らないアングリフは見事に罠に引っかかるのであった。
「いつ仕掛けたんや」
「静かに素早くが基本だから一瞬。これで少しは保つと思う」
その時門の小さな穴を突き破って巨大なハンマーを持った巨人が現れた。
「本命が来たみたいやな」
「流石にアレばっかりは今の糸だったらどうにもならないわ。ミシ、準備できてる?」
「当たり前やアヤちゃん」
アヤは腰の短刀、ミシは背中に背負っていたクレイモアを片手で持った。アヤが消えると残りのアングリフの喉元を次々と掻き切っていった。消えては現れ、喉を掻き切り、消えては現れ、喉を掻き切りを繰り返していた。ミシは女性とは思えないほど派手にクレイモアを振り回して暴れていた。それもただのクレイモアではなく空に投げるとミシはクレイモアについて行くかのように瞬間移動してすぐに攻撃に移った。
「あとはアイツだけやな」
「そう……まずい!!」
アヤの気配を察知する能力が働き最悪の結末が頭に浮かんだ。
「シュンが危ない!」
アングリフの生き残りがアヤ達の遥か後ろに逃げ延び、宿屋の方向に向かっていた。アングリフの生態はただ突撃するだけでなく獲物の気配を察知してそこに真っ直ぐ突き進む。アングリフの一体がシュンと宿の老婆の気配を察知してたった今向かっているということである。
シュンと老婆の避難は最後になっていた。反乱軍の兵士がついているとはいえアヤやミシのような化け物じみた能力はない戦闘経験が少しある兵士だった。
「アングリフ!?逃げ延びた奴がいたのか!?行け!全速力で走れ!」
兵士がサベールで応戦しようとしたがアングリフは決めた獲物を変えることはない。アングリフは兵士を飛び越えると同時に鋭い爪で顔を三つに切り裂いて着地と同時にシュンに突撃した。
「おばちゃん下がって!」
先程もらったナイフでどうにか出来るわけではない。しかし何もしないよりはマシだと思いナイフを抜いた。アングリフはシュンを押し倒した顔に噛みつこうとしたがシュンの火事場の馬鹿力でどうにか抵抗していた。その時。
一本の炎を纏った刀剣がシュンからアングリフを退けた。
「これは……?」
炎の刀剣はシュンの前で停滞した。シュンは恐る恐る刀剣を手に取ると炎を纏っているにも関わらず熱は感じなかった。手に取った瞬間頭の中に知らない光景が浮かんでいた。
「おばあちゃん。行ってくる」
刀剣を手にしてシュンは雷のような速さでどこかに消えた。
「え……?」
「どないしたん……?」
「シュンとアングリフの気配が同時に消えた……なんで……?」
「百聞は一見にしかずや。それよりもこのデカブツしつこいなぁ!」
アヤとミシは巨人と交戦していた。しかし五メートルはあろう巨人はそう簡単に倒れず二人は疲弊していた。その時シュンを気にかけていたあまりアヤの態勢が崩れた。
「アヤちゃん!」
太陽も見えなくなるくらいのハンマーがアヤに振り下ろされる時巨人の手に一本の刀剣が刺さった。そして巨人の腕とハンマーが瞬時に燃え上がり、灰となった。風と共に何かがやってきた。髪は紅く、熱く、鋭い目をした男がアヤには見えた。男は空中で刀剣を手に取ると同時に巨人を通り過ぎたと思えばその瞬間一太刀浴びせており巨人は横一文字に一刀両断されていた。生命機能を失った巨人は大きな地響きと共に倒れた。
「何が起きたんや!?アヤちゃん、大丈夫か?」
「う、うん。それよりも……あの人」
アヤが指さした方向に先程の男は立っていた。左手から炎と共に鞘が現れ、刀剣を収めた。炎は消え、男の風貌は変わっていった。
「シュン!?」
アヤが叫んだのと同時にシュンはその場に倒れた。アヤは真っ先に駆け寄りシュンを抱きしめた。
「シュン!しっかりして!」
「気絶してるだけや。とりあえずここを離れよう」
「小娘達。朗報だよ」
二人は声のする方を向いた。宿屋の老婆がタバコを吸いながらやってきた。
「ヨー婆。朗報ってなんや?」
「あたしゃこの目ではっきり見たよ。どっからともなくその刀が現れて坊やとあたしを救ったんだよ。その得物は間違いなく古来からこの国の伝説となって語り継がれてきた刀だよ」
「まさか……例の?」
「天火が覆われる暗黒時代が訪れし時、唯一無二の強い意志が天火に代わり闇を祓う。その刀の名は……竜剣ブシドー」
続く
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