授賞式

 とある文学賞の授賞式で、審査結果の便箋をみたプレゼンターの男が受賞作をありとあらゆる言葉で褒めちぎり、最後に受賞者の名前を高らかに読み上げた。

 だが、名前を呼ばれた男は知らんぷりをしていた。案内係が彼に近づいた。男は声ひそめて案内係に伝えた。

「どうやら名前ちがいらしい。わたしはそんな作品、書いてなどいやしないよ」

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