海上都市を目指しましょう

千早丸

(01)例えばこんな海上都市


 強く願う。


 海上都市が欲しい。

 完全な自給自足は必須。余剰を出荷できれば尚良し。

 外部物資を(なるべく)必要としない、二酸化炭素を出さない発電。

 都市から廃棄されるゴミはない。

 海から水(と塩)をとり、排水も浄化されており、塩分濃度も海域と同調させてから。

 住人は5万人から10万人くらい。

 SFの夢物語ではなく、近未来ではなく、現代技術で。

 こんな海上都市が欲しい。


     ◇


 妄想もいい加減にしろ! とお叱りの声が聞こえそう。

 だが、コレを真面目に考えている「企業」がある。

 清水建設株式会社の「環境アイランドGreenFloat」。

 企業HPに紹介ページがありますし、YouTubeで分かり易い動画もありますから、ググって下さい(←手抜き)

 他にも前田建設工業株式会社と芝浦工業大学が推している「ノアズアーク」とか。各コンテストとかも盛んなようです。


 清水建設の「GreenFloat」は、赤道上の海に、少なくとも気候がある程度安定し波も穏やかな熱帯地域に設置することを前提として開発されている。

 前田建設工業の「ノアズアーク」は、資料が少ないので不明瞭で申し訳ないが、水深がそれほど深くない岸辺付近に海底から足場を立てて固定設置するタイプのよう。

 千早丸が欲しい海上都市は、日本海および太平洋の深度のある海域でも設置できる浮遊タイプだ。

 日本沖の太平洋は暖流の黒潮(日本海流)と、寒流の親潮(千島海流)がともに強く、流れも複雑で安定しない。日本海は太平洋程でないにしても、暖流(対馬海流)寒流(マリン海流)が流れ、震度も深く海域から半孤立した特殊な地形から「世界の海の縮図」とか呼ばれている。

 よって「GreenFloat」みたいな浮遊型がいいと思われるが、かの都市構想は荒れた海に適していない。しかも日本周辺は気象条件も、季節風や台風、はっきりした四季にもみられる風向きや寒暖差、そして環太平洋火山帯やプレート構造の宿命、地震による津波にも対策しないといけない。

 で、思いついたのが釣りのウキだ。

 フナ釣りに使われるような円錐型の細長いタイプ。上物の都市部は少しだけで「氷山の一角」状態。


 個人的な好みの話だが。

 半潜水艇と呼ばれるタイプで、外洋探査船「FLIP(FLoating Instrument Platform)」が大好きなんです。

 詳細はググってね♪(←手抜きスギ)

 本当に釣りに使われるウキのような構造で、目的海域まで船の状態で進み、90度垂直させて船体の75%を沈ませて安定させ、簡易プラットホームとして機能する。

 何それステキ。むちゃ萌える。

 ……変態ではない(多分)


 で、沈んだウキ部分で状態を安定させ、ついでに発電と海水を冷やしてほしい。

 発電は、まぁ色々あるが、波力発電ならスコットランドで実証実験してる波力発電装置「Pelamis」が大好きです。

 ……変態じゃないってば。

「海」「発電」「国産」に拘るなら、災害グッズのマグネシウム発電が有名。

 そしてマグネシウムなら熊本大学が開発したKUMADAIマグネシウム合金が有望。

 通常のマグネシウムは反応が終われば消失しますが、KUMADAIマグネシウム合金は溶けずに、半永久的な発電が可能。まだKUMADAIマグネシウム合金は発火しやすいマグネシウムの特性もクリアしているので、取り扱いが簡単。

 海上都市の周りは海だから、発電し放題。

 海を冷やしたい、は、台風発生条件の海面水温26.5度以上問題と、地球温暖化。

 気象庁HPで日別海面水温を日々掲載しているが、いやもう恐ろしくて愕然とする。関東鼻先で台風発生してもおかしくない現状に、皆様気付いているのでしょうか?

 地球温暖化と海を冷やすのとその方法と、話すと長すぎるので後回しにするとして。

 ともかく、海上都市のウキ内部に海水を入れ、冷やす。密度の関係で周囲より冷えた水(海水)は重りとなり安定する。そして熱伝導により周囲の海水を少しづつ冷やす。

 ウキ部分には大まかに重り、冷やす、発電、この3個が主目標ですか。他にも付随効果を期待しますが、これまた後で。


 ついで問題になるのは都市部分ですが、「GreenFloat」のような高い塔を建てるのは日本近海では現実的ではなさそう?

 悩んでいる時に聞いたのは、東京都の島、「死ぬまでに見るべき世界の絶景13選」に選ばれた青ヶ島。

 あの島、大雑把に言えば直径3kmの「おりん(仏具)」のような形状だ。そそり立った外壁が荒れる海風や波の浸食から内陸部を守っている構造になっている。

 その「おりん」構造を海上都市にも応用したい。

 壁を立て風と波を防ぎ、できれば風力発電と、ついで風に含まれる水蒸気で水を摂取したい。

 海上部で従来の風力発電をすると低周波被害が心配なので、発電に結びつかないにしても風の弱体化はしておきたい。それに壁に囲まれた生活というのも窮屈だから、住人のストレスにならない設置も考えないと。

 長くなるので後回し。

 え、か・考えてないワケ訳ななぃよ(大汗)


     ◇


 まぁこんな感じで。

 個人的には楽しい妄想話に、皆様はお付き合いくださいませ。

 真面目に突っ込めば、海上での建築方法や大量の資材はどうするんだトカ、発電方法はどうすんだとか、自給自足のための植物工場は現実葉物野菜くらいしか栽培できないのにトカ、インフラどうすんだトカ、物流、排水、目的意義、そのたモロモロ。

 究極は、金儲けできる都市運営ができるのか、トカ。

 いろいろ雑多は、まぁ追々と。


 今後もごゆるりと戯言にお付き合いくだされば、幸いです。




[備考]


清水建設株式会社

https://www.shimz.co.jp/


環境アイランド GreenFloat

https://www.shimz.co.jp/topics/dream/content03/


YouTube動画[赤道洋上に浮かぶ空中都市 - GREEN FLOAT : DigInfo]

https://www.youtube.com/watch?v=xxIMokkz7C8


前田建設工業株式会社

https://www.maeda.co.jp/


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る