第17話吉見百穴の土手の桜
⑰ 吉見百穴の土手の桜
平成二十二年四月十日
根岸家長屋門の桜をスケッチした後、何となく太い幹を
描きたくなって近くの吉見百穴に行く。
吉見百穴の駐車場は花見客でいっぱいでやっと車を入れる事が出来た。
土手がすぐ脇にある。
その土手に桜並木がある。
散歩するもの、土手に寝そべる者、シートを敷いて飲んだり食べたりして
くつろいでいる家族連れ、友人連れ、はしゃいで走る子供・・・と
落ち着かないが近くで太い幹の桜の樹は思いつかなかった。
まずは愛犬を散歩させがてら太い幹を物色する。
のどかな春の景色だ。
結局は駐車場から土手に上がる階段の所にある桜の幹が気に行った。
階段に座ってその幹をスケッチする。
幹から直に咲く花や、根元から伸びるひこばえに生命力を感じる。
愛犬はおとなしいので、じっと私のスケッチする様を眺めてくれている。
念の為にリードは手にしているが、それを引っ張る程動く事はない。
小さな子供が撫でたり触ったりしても嬉しそうに尻尾を振りながら
私から目を離さない。
私をガードしているつもりだ。
二枚スケッチして荷物を車に入れてから、ゆっくりと花見を楽しみながら
愛犬と散歩する。
桜を見ると心が沈み込む時と生命力をもらったかのように心が躍る時がある。
桜の樹の数とか咲き具合に関係なく、その土地なのか樹が持つ念が
私に作用するのか。
今はとても気持ちが高揚して気分がとてもいい。
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