SCP-007-JP-orig 番外編②
財団の持つ車で移動し、また車酔いになり車の傍に居れば、部員や顧問達は全員先に行ってしまって。体調が治って前を向いて、驚いた。
目の前は1階が段差がある吹き抜けの巨大な建物があり、その段差の上に来ないようにするテープと自衛隊、その奥に沢山の一般人がいた。そして、階段より手前には銀色のパイプイスが沢山並んでいた。
夢と違う点と言えば、階段と椅子の間。SCP-007が現れた場所にはブルーシートがかけられていたこと。
「あ、夢で見た場所だ~」 「夢…」
と言いながら部員達の方へ行けば、顧問が神妙な顔つきで何か呟いていたが無視して隣に特殊部隊?の服装を付けたかっこいい人達が居る横で、緊張感はあれど多少わいわいしていた。シリアスが似合わないからなぁ…。
「…なあ、さっき夢で見たって言ったよな?」「え?あ、はい」
「どんな夢だったんだ?植物の特徴、とか…どう成長したか、とか」
「えっと…最初は木の枝が突き刺さった感じで、急に成長して木々が絡まりあったみたいな…えーと、あの3階くらいと同じ高さになって、うわーこのSCPこんな感じかあ、と思ってたら起きました」
「…」
「で、完全に想像なんですけど、成長後は枝に伸縮性がでて近づくと攻撃して来て、火にも強い。と思う」
「…そうか、急成長した理由は何だと思う?」
「んー…あ、太陽の光が当たった瞬間だった」
「え…っ!!」 「あ」
バッ、とブルーシートの方を見た顧問は、驚いたような顔で走っていくが…届く前にブルーシートが上空に飛んだ。
どうやら、一足遅かったみたいだ。太陽の光が根元に微かにでもあたってしまったんだろう、急成長したSCP-007は、俺が夢で見た様子とほぼ同じように成長した。
顧問はすぐに逃げて特殊部隊の隊長らしき人と話していて、特殊部隊の人は通信を聞きながら前に出てSCP-007を警戒していた。俺も、そんな特殊部隊の背後から近づき、SCP-007と半分の距離に居た。
「――んあ、何でそこにいるんだ!!」 「? いーじゃん別に。自己責任」
「はぁ…くそ、水や銃撃は聞くのか?!」
「水はもっと燃えにくくなるんじゃない? 銃は知らねー」
「何か、予知できる奴が居るだけで沢山わかるな」 「うん…」
何か部員達の会話も聞こえたけどいいや。驚いてる様子の特殊部隊の人達を見つつ、特殊部隊の1人が銃を撃つが蠢いているため傷口はすぐに隠れた。
きかなそう…。
「…あ、それで、俺の視界の左下らへんから、触手で攻撃してくるんよ」
「――?!」
特殊部隊の人達の驚いた声の後、本当に特殊部隊をスルーして攻撃が来たが、それが当たる事はなく、地面に体をぶつけた。頭を強くぶつけて脳が揺れたせいか視界が歪むが、誰かが上に載っているのが分かり、すぐにそれが顧問だとわかった。
「っわかってるなら、避けろ! …く、体、が…」 「あ…どく、?」
横腹から血が滲み、腕ががくがくとして俺に倒れ込まない様横に倒れた。
それからは、救護班みたいな人達が顧問を連れて行き、俺がぽかんとしているうちに火炎放射器を長時間当てて終了が完了。
かすり傷程度だったので、部員達の居る傍で話を聞きながら処置をされた。
「へえ、他の人のバージョンも見てみたい」
「やめて?!ほんとうになったらどうすんのw」
「まぁ、一度SCP-007を活性化させた対象が再びSCP-007の夢を見る事は、今のところないので…恐らく皆さんが興味を持たなければ安心して大丈夫だと思いますよ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます