ボーイッシュなアイドルと出会って人生が変わりました

くろとら

第1話 覗きはしていないので、警察に通報するのはやめてください

俺の名前は春川未来。よく友達や教師に間違われることがあるが「みらい」では無く「あすか」と読む。自分でも何故親は分かりやすい「みらい」と言う名前では無く、分かりにくい「あすか」と言う名前をつけたのかと思う。


好きな食べ物は寿司。特にエビと玉子が好きだ。誕生日は2002年の8月3日生まれ、身長は172センチで体重は61キロ、年齢は17歳の何処にでもいる普通の男子高校生だ。


そんな、俺はつい先日16年間住んでいた群馬県から東京都に引っ越してきた。引っ越しの理由はただ単純に父親の転勤というものだ。

引っ越しを終え、両親は自分たちの部屋の整理や台所などの整理を行っていた。


そして、俺はと言うと引っ越して直ぐに自分の部屋の整理を終わらせて、今お気に入りの漫画を読みながら自分のベットの上でゴロゴロしている。


「いや〜、この漫画本当に面白かったな」


漫画を読み終わり起き上がる。

俺は、なんとなく空気を入れ替えようと思いカーテンを開け、窓を勢いよく開けた。

そして、視線を隣の部屋の窓に移すと隣に住んでいる女性が上下水色の下着に身を包みお着替えの最中だった。


俺は、直ぐに目を逸らしたが相手の女性は下着姿のまま俺をずっと睨んでいた。


「・・・・・・」


相手の女性から目を逸らし数十秒。相手の女性の反応が気になり、チラッと横を見る。

すると、相手の女性は無表情のままスマホを手に取り何処かに電話しようとしていた。


俺は、直ぐに頭をフル回転させ女性が電話しようしている相手を突き止めた。


うん。この女性は警察に電話する気だ。


「いや待って!!警察に電話するのは本当に待って!!」


俺は、慌てて隣の女性に向かってそう叫んだ。きっと、下で引っ越しの整理をしている親にも聞こえていると思うが今はそれどころでは無い。ここで、警察に通報されてしまったら俺の今後の人生が終わってしまう。


「・・・・・・!!」


俺の声が届いだのか、女性はスマホを下ろしにこりと俺に笑い掛けてくれた。俺は、「通じたのか」と思いホッと胸を撫で下ろした。


だか、俺が安心した瞬間隣の女性は再びスマホを耳に当て何処かに電話しようとしていた。


「いやいや、待って!!まじで、待って!!」


「・・・・・・何?さっきから、うるさいんだけど。そんなに、叫んでると近所迷惑になるわよ」


俺は必死にそう叫ぶ。すると、隣の窓が開き女性がひょっこり顔を出してきた。上は簡単にジャージを羽織り、下はジャージのズボンを履いている状態だった。


「いやいや、そりゃ叫ぶよ。ここで、警察に通報されたら俺の人生は待った無しで終了だよ!!」


「別に警察には通報してないわよ」


「えっ?じゃ、何処に電話してたんだ?」


「普通に、自分の親よ」


「いやいや、それもヤバいでしょ。下手したらご近所さん達にも広がっちゃうってことでしょ!?」


「あら、その方がいいでしょ?」


「良くないよ!!俺、別にドMとかじゃないんだから!!」


・・・・・・駄目だ。凄くめんどくさいこの人。今直ぐに話しを切り上げたい。でも、ここで切り上げてしまったら近所に変な噂が出回ってしまう可能性があるし・・・。


「あら、ドMじゃ無かったの?私は、てっきり警察に通報されたくって私の着替えを覗いたのだと思ったわ」


「いやいや、俺が窓を開けたのは覗きをする為じゃなくって、ただ単純に空気を入れ替える為だよ」


「ふ〜ん、まぁ今回はそれで信じてあげるわ。次は無いから気をつけてね」


「あ・・・あぁ」


俺の話しがなんとか女性に通じたのか、女性は納得した素振りを見せて、スマホをベット上に投げ窓を閉めた。


俺は、なんとか話しが通じたことにホッと胸をなで下ろしていると下の階から母さんの声が聞こえてきた。


「未来〜!!今から、お父さんとお隣近所に引っ越しのご挨拶に行くから貴方も来なさい!!」


「はーい」


どうやら、母さん達も引っ越しの整理が終わったらしい。それにしても、引っ越しのご挨拶か・・・。やっぱり、隣の家にも行くんだよな・・・。さっき、あんな事があったばかりでなんか顔を見せずらい・・・。


俺は、そんな事を思いながら窓を閉めて下の階に降りて行った。


そして、この引っ越しの挨拶で分かったことだが、さっきまで話していた女性は橘楓と言って、なんと俺と同じ17歳で高校2年生らしい。正直言って、俺より歳上だと思ってたから高校2年生とは驚きだ。

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