第二十話☆お空
「ひやぁぁあああああああ!!!!!」
「はわぁぁぁああああああ!!!!!」
私は泣き叫んでいた。
目の前で私の手を引いているレアはもう片方の手で自分の耳を塞いでいる。私の声がよっぽど煩いのだろう。
でも、流石に怖いよ。
私たちは空を飛んでいた。……とてつもない速度で。
全力で走って、って言ってたけど、これは走っているのだろうか…。いいや違う!飛んでいる。
いや、待てよ。空を飛ぶって言うのはもっと優雅なものじゃないだろうか。お決まりの箒に乗ったり、翼が生えたり。
今の状況と、かけ離れている。
だって、景色を楽しむどころか景色が早すぎて、見えない。
そうか、私は今、ぶっ飛んでるんだ。横向きのロケットのように。
一応悲鳴は上げてるけど、上手く喋れない。だって、開いた口が塞がらないんだもの。風が強すぎて。
死ぬ気で目だけ動かして、周りを見てみると、下半分は緑一色。どんだけ森の奥なんだ…。
私は決意した。結界魔法を覚える。絶対に。
多分、結界魔法で風が防げるはず。
〜☆ちょっと前☆〜
「ん〜。私達が海に行っている間に女の子が目を覚ましたらどうしよう…」
私たちは女の子を横目に、作戦会議をしていた。
「あら、女の子はまだ起きないわよ。家は…そうねぇ。リリィは結界魔法って使えるの?」
どうして女の子が起きないってわかったんだろう…?まぁ、妖精だし。何か分かるのかな。
結界魔法か…確か私のステータスには書かれてなかったな。
「それって何級の魔法なの?」
「3級よ!」
おっと。ステータスには平仮名で“さんきゅう”って書かれてて、謎なんだよなぁ。
でも、何となく、感覚的にまだ使えない気がする。
「多分、使えない。レアが良ければ、教えて欲しいな」
「もちろん、いいわ!…でも、3級だから、少し習得に時間がかかるのよね。また今度でいいかしら?今回は違う魔法で代用しましょう?」
また今度か。ちょっと寂しいけど、今は家を安全にする事が最優先だから、レアの意見に賛成だな。明日にでも教えてもらおう!!
「うん!代用ってどの魔法なの?」
「シールドよ!本当は瞬間的な防御魔法なんだけど、リリィが作ったシールドに私が時空魔法を付与してあげる!どう?いい作戦でしょ?」
「え!すごい!レアっていろんな魔法が使えるんだね!その、時空魔法ってやつも後で教えてよ!」
「少し難しいけど、まぁ、リリィならできるかしら。いいわ、教えてあげる!」
〜〜〜
「さぁ!着いたわ!なんか叫んでたみたいだけど、大丈夫?」
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