《偽教授稟性杯》

『黒き鏡の玉兎。』

 これは私の担当月の同題異話の作品ですが、偽教授様の『偽教授稟性杯』にも参加させてもらっています。

 ・偽教授稟性杯

https://kakuyomu.jp/user_events/16817139557830664448

 ・同題異話 9月号 「黒き鏡の玉兎。」

https://kakuyomu.jp/user_events/16817139558436691686


 同題異話としてのお話は後ほど投稿する一言感想集にて書きますので、ここでは『稟性ひんせい杯』参加作品として!


 今回のお題が「天才の話」と聞いたとき、最初は参加しないつもりでした。他の方のそういう作品が思い浮かんでしまい、私が書いてもその真似になってしまいそうだったので。

 とはいえ、私はいつもいろんな人の才能に嫉妬心をたぎらせているので、それを表現したい気持ちもどこかにあって、書くことを諦めきれずにいて……。

 そこで、ふと思いついたのがこのお話です。


 これは一言でいうなら、「挫折し自殺した天才のお話」。

 「月とスッポン」と「ウサギとカメ」をモチーフにしました。「月」は「玉兎」とも言うそうなので、同題異話のネタともかち合うな…と。

 あと、二人の名前も「ウサギとカメ」を元につけています。


 また、彼のこのスランプはプラトー高原現象のつもりで書きました。2話タイトルの「原」はこの「プラトー高原」を暗示してます。

 プラトー現象とは、簡単にいうと、階段状に描かれる能力曲線の平坦な部分です。お話では陸上部にしましたが、スポーツに限らず、語学や勉強も階段状に向上するそうなので、誰しもが経験したことのある苦悩ではないかと思います。

 そして、そういった長い停滞は、序盤でスムーズに成長することのできる天才に対してほど、険しくなるのではないかと私は考えました。「挫折を経験せずに大人になる」というのと似たお話です。


 先に書いたように「天才を羨む」話はもう私には書けないと思い、「挫折する天才」の視点で書いたのですが、結果的に私らしい「天才の話」が書けたのではないかと自負しています。

 自分の"書きたいもの"と"書けるもの"、そして"お題"のすり合わせに苦心したのですが、それが楽しくもあ。、また、少し前に進めたような気もしています。

 自主企画の開催ありがとうございました!

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