他力本願の夢ばかり

月まで連れてってくれるなら

心まで愛してあげる


雨粒の音

台所の音

お風呂の音

地に水が落ちる音と、

机の上から転がり落ちた薬の音


布地に落ちると飲み忘れて

朝になって気がつくんだ


それでも効いていると思うのは

「気の持ちようよ」が現実帯びて

頭が可笑しくなりそうだ


ベルの音が遠くで鳴っている

玄関のドアを誰かが叩いている


いつも可笑しくなりそうで

まどろみの中、壁を背にして

ぼう、と床をみた

木の板とマットの上と部屋の境界線が

ぼう、やけてしまって


零れる木

音無しの毛

どこかに言ってしまうドアの先


昔に聞いた曲が頭の中で流れてくる

なんとなく好きで口ずさんでいると

和訳を思い出して

毎回、思い出しては検索して

「違うよ」って言われる


昔は

ただただ

あなたと月にいけたらいいのに、て

優しい愛だと思ってた


そんなのどこにもなかったよ

僕がボクを愛していないから


月まで行ったら、心中しようよ

そう言ってくれる人がいてほしい

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