第17話 本棚の裏

「柴田さんを好きなことは話すのか」


「うーん、結構迷ってる」


「だろうな。応援されるパターンもキレられるパターンも見える」


「そもそも好感度のことを信じてくれるか」


「俺は圭も信じてくれるか自信なかったしな」


「あんなに真剣な顔で嘘言うほど俺の親友はバカじゃないことくらいは知ってるし、俺も理解してる」


「圭……うわ……」


「おい!ひくなよ、俺も後悔してんだよ変なこと言っちまったて」


「でも本当にありがとうな、相談にのってくれて。本当に嬉しかった」


「……やっぱりお前が真剣な顔なんで似合わねー」


「なんだと」



バカな話をしてると

<もう着く>

とLINESが鳴った。


「じゃあ、俺が迎えに行くよ」


「いや、用があるのは俺だし、俺が行く。それに他人を残して家主が家を空けるのかよ」


「お前なら俺ん家のこと荒らさないだろ」


「まぁな、お前のお母さんを怒らせたくないし」


「それに、気持ちと言いたいことの整理が必要だろ」


「うーん」


「じゃあ行く」


「わかった、部屋でお前の本棚の裏のエロ本読んで待ってる」


「なんで知ってんだよ、そんなの読んでないで気持ちの整理しとけよ」


「わかったから。早く行かないと待たせることになるぞ」


「後で一緒に見ような」


ガチャ

家を出た。


「後で一緒に見ようじゃねーよ。あのバカ」


(相変わらずよく見てくれてる。俺が今やばいのを感じて1人にしてくれたんだろう)


それからの圭と若宮が来るまで5分間はあっという間だった。


「航大、若宮を俺の部屋に連れて行ってくれ」


「了解。ということで2階に来い」


「ん」


2階で少し待ってると、圭が簡単なお菓子と飲み物を持ってきた。


「じゃあ航大、早速」


「わかった。若宮、」


「何」


「お前は好感度ってわかるか」


「へ?真剣な顔してそれ?」


「いいから」


「まぁ、世間一般的なことは知ってる」


「実は……」


それから、いつから見えるようになったか、好感度の見え方など、俺が柴田さんを好きということ今、若宮と柴田さんが0ということ以外の全てのことを話した。



「それで?」


「何が」


「なんで、幼なじみで親友の圭くんにも最近話したようなことを私に話したの?」


「まず、信じてくれるの」


「とりあえず聞いてから決める」


「そうか」


俺は覚悟を決めた。

「自分中で俺に対するどれくらいだと思ってる?」


顔を少し赤らめたが無視をした。

「も……もちろん100」


「遊園地に行った日の前日までは100だったけど……」


「え!今は違うの?」


「俺は0に見えてる。だから相談したの。圭と若宮に」


「私のさっきの質問は?」


「それは俺も気になってた。家族には心配かけたくないとか色々あると思うけど若宮と関わったのは結構最近だろ。あの件があるにしろ、早すぎない?」


「あの件?」


「あーそれは」

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