第16話 お誘い

クラスで若宮を待っていると教室に入ってきた。

「若宮、放課後に屋上に来てくれ」


ザワザワザワ

クラスがざわつき始めたが俺は放っておく。


「うん、こないだのことを話してくれるの?」


「まぁそのつもりだ」


「こないだ?なんのことだろう」

「デートの関係じゃないの」

「俺、見に行くわ」

さらにクラスがザワついた。小声だか十分に聞こえる声量だ。


「私と久保くんだけ?」


「いや、圭に来てもらう」


ガバッ!

クラスの大半が圭のことを見た


「ん、わかった」


それで俺たちの会話は終わったがまだクラス全体がザワついてる。


話を終えた俺は席に戻った。それと同時に柴田さんが話しかけてきた。最近元気がないように見えていたし、話せてかなったから少し嬉しかった。


「告白でもするの?奏ちゃんからは断ったて聞いたけど」

奏に言ったのは柴田さんだったのか


「しないよ、ちょっと相談というかまぁ、少し話すくらい」


「私には話してくれないの」


「いずれするかもしれないけど、まだできない」


「なんで」


「多分、若宮しか情報を持ってない。いずれ話すから」


「わかった」


会話は終わり、ホームルームの時間になった


「いいか、そろそろ中間考査がある。皆入学したばかりとはいえ気を抜かないように」


毎回こんなようなことを言ってる先生も大変だな。



とりあえず、昼休みまでは授業を聞き流して過ごした。



いつも通り圭とお弁当を食べる。


昼休みということもあり、クラスがうるさい。

対面の会話なら周りの人はほとんど聞き取れない。


「お前、話す場所は屋上じゃない方がいいぞ」


「なんで」


「みんな聞いてるから聞き耳たてられるかもしれない」


「確かに、ほかの人に聞かれるのはまずい。でも俺ん家は妹が今日いるから無理だよ」


「じゃあ久しぶりに俺ん家に来いよ」


「いいのか」


「もちろんだ、ただ俺も例の件についてはまだよく分かっていないところがあるからそこについても聞くからな」


「俺が答えられる範囲ならな」


「わかってる。じゃあ若宮に連絡しておけ」


「了解」

俺は早速LINESをした。


<場所を変更したい>


直接伝えた方が確実だが周りの目があるので控えた。

若宮をスマホを触っていたからすぐに返事がきた。


<場所は?>


<青柳圭の家>


<私知らないよ>


<最寄り駅を教えるから>


<いいよ>


<北西森駅>


<久保くんの最寄り駅の隣だね>


<同中だからな>


<じゃあ放課後に北西森駅に行くからお迎えよろしく>


<着いたら連絡頼む>


<うん>



それで昼休みも終わり、午前と同様授業を聞き流し放課後を迎えた。


クラス内がいつも以上にザワついてるのは多分午前に俺が放課後に呼び出したからだろう。


「圭!帰ろうぜ」


あえて大声で言った


「じゃあ直接行くか」


「おん」



これで後戻りは出来なくなった。頑張れ俺!

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