パラレルリセット

鷗一一一

プロローグ セットワールドマイノリティ

 君に、この世界を変える力、その秘密を教えてあげよう。

 誰しもが願ったことがあるはずだ。某国民的アニメの電話ボックスみたく、世界を根本から変えてみたい、と。

 しかし、この人間社会に魔法なんて存在しないし、奇跡なんてものも存在しない。

 あるのは容姿と秀でた才能、そして……今までどれだけ努力してきたか、だ。

 これらをこの社会では総じてこういうのだろう。


―――信頼度と―――


 人の深層心理からして普通美男美女の周りにいたいだろうし、何か突出した才能の人間とお近づきになりたいと思うこともそりゃあるだろう。

 そしてついついその人の意見に合わせてみたり、なんてこともざらにあるはずだ。


 では視点を変えてみよう。今度はその容姿と秀でた才能を持ち合わせた人間の心理である。

 人の深層心理からして普通自分のそばに仲のいい誰かを置いておきたいだろうし、才能のない人間と対峙して自分を誇張したくなることもあるだろう。

 そして、挙句の果てに回りの人間に自分の意見に賛同してもらうように仕向けるのだ。人という生き物は共感という甘美な汁にめっぽう弱いのだから。


 さあ、お気づきの人もいるだろう。努力家はどうなのか、と。

 正直言って、彼らに深層心理なんてものはない。ただ自分がこうしたいからする。その最終形態がというモノだからだ。


 そして最初の話に戻るとしよう。

 世界を変える力はその深層心理の中にある。

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