第5話 愛する人 ー 5 ー
白い部屋
静かに時間だけが通り過ぎていく
眠りの時間が長くなって
わたしは胸の動きだけをじっと見つめてる
窓の向こうはいつもと変わらぬ景色
でも
空の色は夏空になった
弾けそうなくらいの眩しさが舞い降りてくる
不意に目覚めたあなたが「ああ」と微笑む
その言葉で静寂は解かれて
日常の歯車がまた動き出した
ゆっくりでいいよ
何度も立ち止まっていいよ
言葉なんか何にも要らない
あなたの微笑みがこれからもずっと続けばいい
そこにいてくれるだけでいいんだ
愛するひと
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