ピーマン・オンデマンド

@ogikura

第1話

空を見上げたマルゲリータは、いつもより少しだけ透明で儚く見えた。


足元の土は昨日の雨でじっとり湿っている。

濡れた多年草の細い葉先からすぅーっと水滴が流れていった。


その出来事をわざわざ気に留めようとしたものはいなかったし、この先覚えていようと思うものもいなかった。あまりにもありふれたことだったのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ピーマン・オンデマンド @ogikura

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る