異能最強なのに学校ではスクールカースト最底辺?!え?自らなってるんで大丈夫ですよ?決してドMではない(はず)

赤井錐音

エピローグ

始まり

ある一時。

「やっと君が本気になってくれるのかい?」


「冗談キツイですって…会長…!」

会長と呼ばれた少女は手に持っている得物を器用に振り回している。軽々得物を振っているがその速度は尋常ではなく、たまに風圧が可視化される程だ。


そんな会長の期待に添えたくない俺は名一杯目立たない勝ち方を模索するのだった。


※ただのチャンバラです。




ある一時。

「宵咲くん!一緒に帰ろ!」

クラスのマドンナ的存在である(らしい)ロリッ子美少女の宮野雀みやのすずめさんが可愛らしく僕を誘う。


「宵咲ィ…いい加減にしろォ…!」

その一方で、すごい形相でクラスメイトたちが睨んでくる。…なんでだよ?!


俺…宵咲智也よいざきともなりは何故こんな険しい道を選んでしまったのか…あ、いや全然後悔はしてないし大丈夫なんだけどね?!


強がってると思ったそこの君!(どこにもいない)


大丈夫!俺、世界救ったことあるから!



振り返ること3年前。俺がまだ中学1年生だった頃だ。


俺は友達を助けるためにトラックに撥ねられて死んだ…のに体は五体満足でまだ動いていた。目を開くとそこは現実離れした王宮の中で所謂、異世界というところだ。

そこで他にも地球から送られてきた転移者たちと共に俺は勇者になっていた。

目標は「魔王討伐」といわれ、

その目標に向かって走り出す日々が始まったのだ。


そこからの日々は大変で、

『剣聖』にさまざまな剣を使った剣術の修行をされたり、

『拳神』に護衛術から暗殺術まで、全ての格闘術を習い、

『大魔導師』に全ての属性の魔法について叩き込まれたり、甘やかされたりもした。

やりたくもない殺生をしたし、

悪い組織の幹部やら頭領を裁いたり、

異世界から仲間になったやつから裏切りにもあった。


本当にさまざまなことを経験した。


その年月…実に3年。

この3年間はとても濃密な日々でとても色鮮やかに見えた。時に楽しいこと、時に幸せなこと、時に嬉しいこと。…時に辛いこと、時に悲しいこと、時に許せないことまで、本当にさまざまなことを経験した。



紆余曲折あったが、俺らはついに目標であった魔王を討伐した。


すると俺らは神からのお告げで

異世界から元の地球に戻れることを告げられた。俺らはその帰りまでのタイムリミットである一時間を存分に楽しむことにした。


魔王城で宴会はできるはずもなかったので

立ち話で俺らは盛り上がっていく。


メンバーは8人。

日本人が4人、ロシア人が1人、アメリカ人が1人、中国人が1人、異世界の人が1人といった内訳だ。

なぜか日本人が多く転移してしまったらしい。


「ついに俺らの旅も終わったなぁ…」


「長かったけど本当に一瞬に感じられちまうよ」


俺の言葉に反応したのは俺の幼馴染で頼れる相棒の諏訪語勇雅すわがたりゆうがだ。

昔からの爽やかイケメンで、チーム内で実力は俺に次いでNo.2とかなりの実力者だ。


「本当に楽しかったことがいっぱいだよぉ…」

ここでの生活を一番楽しんでいた彼女は

宮野雀みやの すずめさん。

おっとりとした小動物系な彼女はいつもピリついてしまった空気を和ませてくれるムードメイカーだ。


「ここでの生活の方が気が楽で良かったけれど私は地球も好きよ?」

彼女は天内真凛あまない まりん

権力が日本政府よりもあるのでは…なんて言われている天内財閥のお嬢様。

堅っ苦しいことが嫌いで異世界にこれたことを「休暇」とまで言い知らしめるほどだ。


仲間が口々にこれまでについて振り返っているとき、不意に勇雅が提案をする。


「俺ら地球に戻ってもクランつくってまたみんなで活動しね?」


「おおっ!いいじゃないですカ!」


反応したのは中国人の鈴仙リンシェン・ヤオだ。彼女はいかにもカンフー娘といった風貌をしていて、チャイナ服が似合いそうな感じだった。左右に作られた動物の耳のようなお団子は横浜の中華街を想起する。


「でも、meたちは他国ですよ?どうするんですか?」

そう疑問の声を挙げたのはアメリカ人の

イザベラ・アイ・ルークだ。

腰よりも下まで伸びた金髪と金眼は透き通っているようでとても綺麗だ。まぁ、女性陣はみんな綺麗なのだが。


「そこは人数的に多い日本に集まりまショ!えぇっとリーダーはトモナリでいいカラ…トモナリの学校に集合しまショ!」


俺と勇雅は一緒の学校で、雀さんは近くの学校にいると聞いた。真凛さんは…確か私立の超有名校だったな…


「トモ!住所を教えてください!」


イザベラとリンシェンには中学校の名前と、

住んでいる県と市を伝えた。


「じゃあ平日に行ったら基本会えるネ!」


「まぁそういうことだね」


学校の帰りにでも会えるだろう。


「この話はまたあっち地球で!」


「「「「「「「またね!」」」」」」」

俺らの体が光の粒子に変わっていく…


あと1人、騎士団長であるルーガ・パラディーナイトさんはずっと静かだった。

眩しいものを見たような…でも目を背けることはない強い意志を持っていた。


体の全てが光の粒子に変わったところで意識は途絶えた。


〜気がつくと俺はトラックに撥ねられてから一時間後の病院で寝ていたのだった。


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急な新作です!

急に衝動的なものが書きたくなって、

想像が膨らんで行ったので今すぐに書きたい!そう思って書き始めました。


本作はあまり投稿しないですけど存在を認知していただければ…と思っております。

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