インスタントフィクション

はなざえもん

乙姫

自分の家で友達と酒を呑んだ。たらふく呑んだ。

自分はリビングを出てすぐ右にある扉を開け、吐いた。たらふく吐いた。

友達には聴こえていない。


上司に叱られた。話が長かった。一連の話が終わったと思ったらまた最初に戻った。長かった。

家のドアを開け、廊下を6歩ほど歩き左の扉を開けた。

自分は彼女に聴こえるように吐いた。出来事吐いた。

隣の部屋には聴こえていない。


彼女が家に押し寄せてきた。僕は家の中を逃げ回った。すると、洗面所の横の部屋で追い詰められ彼女に詰められた。「私の事本当に好きなの?」

自分は吐いた。真実吐いた。

一度で聴き取ってもらえなかった。修羅場だった。


いつも吐く時はかき消されている。

記憶もかき消していただきたい。


水に流した。

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