ひねくれアラフォー男の恋愛事情
ヒロ
出会い編
第1話
「ただいま」
バタン
誰もいない部屋
1Kのアパートの一室
そこが俺、木崎達也の住んでいる場所
俺は俗にいうオタク
部屋はガンプラとマンガ本、アニメのBlu-rayでいっぱいだ
そして特撮モノのフィギュアも並んでいる
そんな俺は今年で40のアラフォー
そこにさらに陰キャ属性まで加わっている
「今日も疲れたな」
俺は買ってきたコンビニの弁当を机に置き、食事をとる
「そういえば後輩のやつ、最近彼女できたって言ってたな」
どんな相手かは知らないが、まぁ俺には縁のない話だ
オタクで陰キャのアラフォー男の俺には関係ない
俺は恋愛経験と呼べるものはない
今時のリア充と呼ばれる連中はこう考えるだろう
『アニメやマンガみたいな恋愛に憧れる陰キャ』
でも少なくとも俺はそうじゃない
『そんなアニメやマンガみたいな恋愛なんてない』
世の中の色んなことを否応なしに知って、そんな恋愛は現実にはないことを知った
今時の若い陰キャの男は異世界転移、あるいは異世界転生して、チート能力手に入れて成り上がって女にモテモテのハーレム生活に憧れるだろう
あるいは、チート能力を手に入れた主人公が成り上がって幸せになる様に憧れるだろう
でも同じ陰キャオタクの俺が言っても説得力がないと思うがあえて言おう
『そんな幸せは息が詰まる』
俺は恋愛にたいしてひねくれた考えを持っている
なんだかんだ言って結局人は顔がそれなりに良くて趣味が合う居心地のいい相手を選ぶ
若い陰キャが憧れる異世界モノのカップルも結局は同じだ
俺はそういう恋愛には憧れない
自分が狭い世界に閉じ込められていく。そんな感じがするからだ
「こんな自分の好きなものでいっぱいの部屋でそんなの思っても誰も信じないだろうな」
コンビニの弁当を食べ終えた俺は自嘲気味にそう口にして、服と下着を脱いで風呂に向かった
シャァ~
シャワーを浴びながら、もうこんな俺には恋愛なんて無理だろうなと思った
風呂から出て、体を拭き、下着を着て、ジャージに着替えた俺はベッドに入る
『俺はスローライフ。静かな生活が出来ればそれでいい』
俺はそう思いながら、静かに眠りにつく
でもふと寂しさが混ざった感じでこんなことを思う
『この静かな生活に特別な何かがほしい』
そんなことを思いながら俺はそっと眠りについた
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