妻が好きすぎてガマンできないっ★
青海
第1話 水野家妻はおつかれっ★
「ただいま〜」
玄関のドアが開き少しだけ疲れたような泉の声が聞こえた。
「お帰りなさい。泉疲れたでしょ?ご飯にする?それとも先にお風呂にする?」
濡れた手を拭きながら玄関に迎えに行くと泉が嬉しそうに笑う。
「透っ帰りに新作のアイス買ってきたんだっ!ご飯の後に一緒に食べようっ?」
「お?美味しそうだね。じゃあ先にお風呂済ませちゃおうか?」
「うんっ!」
嬉しそうに笑う泉からアイスの入った袋を受け取る。
泉はそのまま自分の部屋に入っていく。
預かったアイスを冷凍庫にしまい、泉の部屋に向かう。
「泉、入るよ?」
声をかけてドアを開ける。
丁度泉はスーツを脱いでいる所だったので脱いだスーツを受け取りハンガーに掛けて消臭スプレーをかけた。
シャツ一枚になり、髪を解いた泉は若干幼く見える。
そんな泉を思わず後ろから抱きしめた。
「んっ…透…汗くさいからっ…。」
「今日も一日おつかれさま。」
泉の首筋に唇を押しつけて…。
「んっダメっ!お風呂入ってからねっ!」
泉が赤くなりながら逃げ出した。
「うん、分かったからお風呂で寝落ちないでね?」
泉にタオルと着替えを渡す。
「は〜いっ」
泉がニコニコしながらタオルを受け取り脱衣所に向かうのを見送った。
★
水野 泉…彼女とはもう結婚して4年程になる。
泉とは高校の時に知り合ってからの付き合いだ。
触ると壊れてしまいそうに繊細で儚げな泉は綺麗で、可愛かった。
あの頃はまさか泉と結婚出来るなんて思ってなかったよな…。
色々あったが、まさか自分が誰かを好きになれるなんて思わなかったし、その誰かが自分を好きになってくれるなんて思いもしなかった。
洗い物を再開するために泉の部屋を出る。
キッチンに戻り使った調理道具を洗う。
青海 透…今は泉と結婚して籍を泉の方に入れたので水野 透だ。
透は専業主夫…では無いが、家でできる仕事をしていたのと、家事が好きだったので自然と泉が外で働き、透が家で仕事をしながら家の事をする様になっていった。
…家事が好きというより泉の身の回りの世話を焼くのが好きだったのだ。
…今ではその選択は間違いでは無いと確信していた。
洗い物を終えて時計を見る。
…大丈夫だろうか?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます