秋水は刀魚の揺らめきに満ち

@3ma

1話チャーハン≒アーハン

周りでは多くの機械生命体とわずかな有機生命体が言い争っている。いや、言い争うと言うよりも激昂している機械生命体を有機生命体が事務的に処理しようとしており、それがより機械生命体を怒らせる要因となっていた。それを横目に1つの機械生命体が待ち合わせ場所へと向かった。


「久しぶりだね、アロイ。また身長伸びた?」


機械生命体が水を飲む髪の長い有機生命体に声をかけ、席に座る。


「93日と6時間4分12秒ぶりの再会、そして1分5秒の遅刻です62号。どういった要件で呼んのでしょうか。」


アロイと呼ばれた有機生命体は質問を無視して本題に入るように促す。


「相変わらずだね。なら早速本題に入ろうか。近々が各地で若いrurs《ローズ》が君たち政府に小規模ながらデモを起こし始めているのは知ってるよね。」


手元のパネルでオイルを注文しながら機械生命体、62号は尋ねる。


「当然把握済みです。我々は経済などへの影響を考えましたが微小なものであると算出したため必要最低限の対応で良いと判断しました。」


「だけども最近rurs達が国会前に集まっての大型デモ、それでも政府が変わらないようなら武力行使を検討しているようだよ。」


「それは驚きです。rurs同士のツールを介しての連絡は全て把握していますが、そのような会話はありませんでした。」


アロイは眉ひとつも動かさずに淡々と答える。そんな様子のアロイを見ながら62号は届いたオイルを一口飲み会話を続ける。


「ただの口伝えだよ。昔のデモでツールの会話が覗かれてるのは皆気づいたからね。」


「なるほど。ところで、今回のデモにもあなたが関わっていると我々は考えているのですがどうなのですか。」


「今回は関わってないよ、誘われたけどね。もうデモはゴリゴリだよ。この件をアロイに伝えたのだって政府に知ってもらって、武力行使される前に話し合いとかその〜なんだ?平和的解決をして欲しくってね。」


「·····なるほど、貴重な情報をありがとうございました。では残りの仕事がありますので戻らせてもらいます。」

水を飲みほして席を立つアロイ。


「あぁちょっと。」

それを止める62号。


「今回のデモどう思ってる?」

アロイは振り返って答える。


「我々の高尚な考えを理解できないrurs達が暴れてるだけでしょう。」

アロイはそう言って去っていった。


オイルをグッと飲みほし62号は



「情を知りなよ効率厨が」

悪態をついた。

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