本当の味方

第29話真の決戦・遊撃隊VSナザーム

ワシントン州のオリンピアで勃発した戦いは前代未聞の局面を向かえていた。

刹那とナイツ・キングスピリッツとドルクスが融合して、この地に降臨したナザーム。

闇の力がこれほどまでにないほど強く、さしものアゴノでも勝てないかもしれないと思わせる。

「さあ、お前たちよ！一気に遊撃隊を蹴散らすのだ！！」

ナザームは人々に闇の力を与えて洗脳し、バーサーカーにした。

「オーッ！オーッ！」

「ナザームの奴め、なんてことを！」

「もうこうなったら、全力あるのみだ！！行くぞお前ら！！」

アゴノは下僕たちと一緒に、ナザームへ突撃した。

ナザームに操られた人々をなぎ倒し、疾風迅雷の勢いで進んでいく。

『我に挑むというか・・・』

「ドラゴン・ツイスト！！」

アゴノの強烈なストレートパンチが繰り出されたが、ナザームには効いていない。

『弱い攻撃だ・・・。』

「一人じゃ無理か・・・、アリゲーター、デカンクラッシュ！！行くぞ！！」

「はい！！」

「おう！！」

アゴノ・アリゲーターナイト・デカンクラッシュの三人が、息の合った動きで飛び上がり、技を繰り出した。

『虎竜帝（こりゅうてい）・三交差（さんこうさ）！！』

三位一体の攻撃はナザームに初めてダメージを与えた。

「ふ～ん、三人でもこんなもんなんだ。弱いね。」

ナザームは衝撃波を生み出し、三人をいとも簡単に払い落した。

「アゴノ様・・・、強すぎます。」

「ああ、まさにその通りだ。」

「もう一度、おれが浄化させます！！」

来馬がアゴノに言った。

「いや、それは無理だ。これほどの力となると、お前が全力を出したとしても不可能だ。」

『そうよ、もうあの時の私ではない。だから何をしても無駄なのよ。』

「それはどうかな？」

アゴノはそう言うと、一枚のカードを取り出した。そこには「フュージョン・リセット」と書かれていた。

「これで、元に戻す！」

アゴノはカードを発動させたが、ナザームには効果が無かった。

「通用しないだと・・・？」

『一気に終わらせてやる。小さきものたちよ、これでさらばだ。』

ナザームは闇の風を竜巻にして、さらにそれを大きくした。

『ダークパワー・ギガハリケーン』

「ぐっ・・・、みんな集合！！」

アゴノの合図にみんなが集結し、そしてアゴノがバリアを張った。

「ぐっ・・・強い力だ・・・。これはバリアが持たない。」

「アゴノ様！私の結界も使ってください！」

「オレの壁も使ってくれ！」

ヒカリとウォールマンが援護したので、なんとか耐えることができた。

「助かったのはいいが・・・、強すぎるな」

『我の攻撃に耐えるというのか・・、少しはやるようだ。それなら遊ぶとしよう。』

ナザームは闇の穴を生み出すと、そこに多くの人たちが吸い込まれていった。

「おい！！何してるんだ、すぐにやめろ！」

『やめるわけがなかろう、こいつらは世界を破壊するための礎になるのだ！』

そして闇の穴に全ての人が吸い込まれると、その穴から五千メートルくらいの巨大な剣が現れて、ロケットの様に空高く上っていった。

「なんだあれは・・・？」

アゴノと下僕たちは、上空へと上がる剣を眺めていた。

『あれこそ世界を終わらせる剣だ、これから残り三十分後までに私を倒さないと、この剣が地球のコアに突き刺さり、地球が崩壊する。』

「三十分・・・、三十分か・・・。」

アゴノは珍しくうろたえていた、三十分以内に奴を倒す自信が無い。

『慌てておるな？とても我を倒すのには、三十分以上かかると思っていたんだろ？さあ、この世界を救うことを諦めて、運命に身を委ねるがいい！』

「アゴノ様、もうやるしかありません！」

「全力を出していくしかないんだ！！」

「どのみち逃げ場なんかはねえ、だったら暴れてやる！！」

「アゴノ様！こういう時こそ、速決な判断を！！」

下僕たちがうろたえるアゴノに訴える。

そしてアゴノに一筋の希望である最後の作戦が浮かんだ、ただし命がけの作戦でもある、もはやこの作戦に全てを賭けるしかない。

「・・・もう考えるのはやめた。お前ら！今からイカれる時間だ、用意はいいな！！」

「アゴノ様の力なら喜んで受け取りましょう！！」

「どんな手を使っても、私は構いません！！」

「ひゃはははーーっ、ハイテンションに行くぜ！！」

「私は大丈夫ですよ、ですので思い切ってやっちゃってください！！」

そしてアゴノは自信のパワー・ストームの力を、来馬や全ての下僕たちに与えた。

「フリーダム・マインドマイティズ！！」

「こ・・・これほどの力がみなぎってくるのは初めてだ・・・。でも、そんなことをしてアゴノは大丈夫なのですか？」

「ああ、問題ない。それよりも、早くナザームをを倒すぞ。」

来馬と下僕たちは、アゴノの与える力によって最大限に強くなった。

そしてその力を全て使って、ナザームに向かっていった。

『ほう、パワーアップして我を倒そうということだな。しかし、我はそう簡単にには倒せんぞ！！』

ナザームはアゴノと下僕たちに剣の雨を降らせる攻撃をしたが、アゴノと下僕たちは攻撃に怯まずに突破した。

「さあ、お前ら！！ナザームへ向かって、集中攻撃だ！！」

来馬と下僕たちがナザームに攻撃をした、ナザームはダメージを受けたが倒すまでにはいたらない。

『無駄だ、どんなにお前たちが強くなろうとも、我を超えることはできぬ！！』

「それはどうかな？」

アゴノがナザームの脳天にドラゴン・ツイストをきめた。

『ぐああーっ・・・。おのれ・・・、自惚れるのもいい加減にしろ！！』

「そんなに言うなら、私に攻撃するがいい。全て受けきってやる！！」

アゴノはどっしりと構えた、ナザームが闇の力で強烈な一撃を加える。

「ジ・オールニュークリア！！」

ナザームが全てを破壊するエネルギーをアゴノにぶつけた。

「アゴノ様！！」

「アゴノ！！」

来馬と下僕たちはアゴノの方を見た。

アゴノはエネルギーの中で悶絶しながらも、足を踏ん張ってこらえていた。

「グオオ・・・、うおおおおーーーっ！！ギガパワー・エネミーチャージ！！」

「アゴノ様！？あの中で何を・・・？」

「もしかして、さっきの攻撃を全て吸収しようとしてるんじゃないか？」

『な・・・、何だと！！貴様、我の攻撃を全て吸収するというのか！？』

ナザームは驚愕の表情をした。

そしてアゴノは気合いを入れて、ついに「ジ・オールニュークリア」を全て吸収した。

「いいエネルギーだ・・・、これならいけるぜ！！」

そう言うとアゴノは、一人ロケットのように宇宙へと飛び上がっていった。

「アゴノ様が宇宙へ飛び上がっていった・・・。」

「確かあそこには時間が来ると落ちてくるあの巨大な剣が・・・まさか！！」

『なんだ、なんだ！！アゴノは一体何を企んでいるんだ！？』

今度はナザームがうろたえる番だった。

アゴノは大気圏を越えて宇宙に来た。

そこにはやはりナザームが出した巨大な剣が、その剣先を地球に向けていた。

「あれだな・・・、よし！！」

アゴノは巨大な剣に手を当てると、自身のエネルギーを送りだした。

「うおおおーーーっ、動いてくれ・・・。」

アゴノは全身全霊でエネルギーを送り込んだ、すると浮いたままになっていた巨大な剣が少しずつ動き出した。

「このまま行ってくれーーっ！！」

そして巨大な剣が落ちるスピードが上がった、巨大な剣とアゴノが大気圏に突入し、炎に包まれた。

「あっ、あれは！？」

「ナザームが出した巨大な剣だ！！」

「バカな！！剣のタイムリミットは残り十分だというのに・・・ああーっ！！貴様の狙いは、最初からそれだったのか！！」

しかしナザームが気づいた時には、もう巨大な剣はナザームに迫っていて、下僕たちと来馬は退避を始めていた。

ナザームは絶望した、もはやナザームですら巨大な剣を止める手段はない。

「終わりだ、ナザーム！！」

「あ・・・、あああ、ぎゃあああああーーーっ！！」

そしてついに巨大な剣が、ナザームに突き刺さった。

そして闇のエネルギーが爆発して、辺りのあらゆるものが消え去ったのだった・・。